第6話 えっ!!この人が・・・主人公らしいですよ⑥
来てくれてありがとぉ~♪
ゆっくりしていってね♪
祖父義彦に悩みを打ち明ける亜里沙ちゃん。
とても興奮気味にお手てをパタパタさせながら、一生懸命に今日あった事を伝えようと頑張っています。
はい♪ガンバちゃうだから!
そんでもって、その様子はとてもとてもきゃわいいのであります。キャハァ~♪
一方の義彦といえば、ソファーに腰を下ろし、亜里沙ちゃんの話に耳を傾けます。
そしてその表情は和やかで、優しいおじいちゃんそのものです。
一見何処にでも見られるお茶の間の風景なんですけどねぇ~・・・。
だがしかぁーーしッ!!
義彦の内心は和やかさとは程遠い超緊張状態だったぁーーッ!!
何ぃーーッ!!??
そうなんです。最近の小学生には侮れない悪党もいます。
それに変態教師の魔の手も考えておかねばならない案件です。
あぁ~少し考えただけでも恐ろしいことです。
よって、亜里沙ちゃんを取り巻く環境は決して安全とは言えないのです。
以上の理由から、亜里沙ちゃんとの会話を最新の注意で精査する義彦。
警戒を怠ることは決して許されない。
なぜならば最愛の人を傷付ける可能性があるからだ。
敵は至る所から巧妙に攻撃を仕掛けて来ます。
よって油断はできません!
用い得られる最善を尽くして事に当たるのだ!
頑張れ義彦!!
丹羽家の平和は君にかかっているのだから。
幸い亜里沙ちゃんの様子を見る限り大事にはなっていないようです。
とりあえず、ほっと一安心ですね。
小学校5年生、これくらいの年頃であれば日常の出来事を包み隠さず話てくれる、と考えているあなた?そうあなたです!?あ・な・た!?
その考え方は大きな大きな間違いですよ。コミュニケーションは日々の積み重ね、一夜にして実現できるものではありません。ですから、日頃から話しやすい環境づくりに励んできた、義彦のたゆまない努力の成果といえます。
又、ひきこもりだった久美子さんの面倒を見てきたことも無関係ではありません。
当時培ったノウハウを惜しみなく注ぎ込んだ、義彦の細やかなカウンセリングはなかなかのものです。
その甲斐あって亜里沙ちゃんは、表情をコロコロ変えながら、じつによく話してくれます。
あぁ~子供が自由に話せる家庭て素敵♪
亜里沙:「・・・・・・だったんだよぉ!酷いよねぇ~おじいちゃん!」
その瞳に薄っすらと涙を浮かべながら、すがるように義彦を覗き込む亜里沙ちゃん。
その天使のような上目遣いに保護欲が否応なしに・・・爆上りだぁーーッ!!
義彦:「うぅん・うぅん・うぅん、大変だったんだね。よく頑張ったね。えらい・えらい」
亜里沙:「うん、そうなの」
義彦は、落ち着きを取り戻して来た亜里沙ちゃんを優しく撫でてあげます。
そうすると、じわぁ~と潤んでくるんですよ。亜里沙ちゃんの綺麗な瞳がね。
安心しきったその少女の眼差しの可愛いこと可愛いこと♪ルンルン♪
もう~ラブリーエンジェル最高ぉ~♪
キュン・キュンでありますなぁ~もぉ~♪
天使の微笑みにハートが・・・鷲掴みだぁーーッ!!
あぁ~暖かい家庭ていいなぁ~♪
憧れるわぁ~♪
うらやましい♪
おやおや~そうこうしていたらお夕飯の準備が整ったようですね。
加代子:「お父さん、亜里沙ちゃん、御飯よぉ~」
亜里沙:「はぁ~い♪」
義彦:「おぉ~待ちかねたぞ。どれどれ」
加代子:「うふふふ~♪さぁお夕飯にしましょう」
和やかに寛いだ食卓を囲み、美味しいお料理に舌鼓を打ち、少量のお酒が体に染みわたります。
そんな一家団らんを、心温まるひと時を、どうぞ心ゆくまでお楽しみください。
お腹いっぱい♪
幸せもいっぱい♪
そんな幸福感に満たされた義彦は食後、リビングのソファーでゆったりと寛いでいると、お夕飯の後片付けを手伝っていた亜里沙ちゃんが近付いてきたよ。
どうしたのかな?
亜里沙:「おじいちゃん?おじいちゃん?」
義彦:「どうしたの?」
亜里沙:「ねぇ~ねぇ~見て見て?」
亜里沙ちゃんのお手てには古めかしいアルバムがあり、一枚の写真を指差しているではありませんか。
義彦:「・・・あ・あ・あ・亜里沙・・・そのアルバムは・・・!!」
さーと血の気が引く義彦。
顔色が見る見るうちに青くなって行きます。
これはただ事ではありませんね。
亜里沙:「ねぇ~ねぇ~どうして?どうして?
おじいちゃんの子供の頃の写真て、女の子に抱っこされているのばかりなの?
ねぇ~ねぇ~どうして?どうして?」
はい♪亜里沙ちゃんから爆弾発言頂きましたぁ~てへ♪
読んでくれてありがとぉ~♪
また来てね♪