第52話 白猫の花嫁④
来てくれてありがとぉ~♪
ゆっくりしていってね♪
時はアドリエルが召喚される1年前の春。場所は猫の国。クジャク15歳の物語。
さぁ~大変な事になりましたよ!♪
何と今回はチヅルちゃんのシリアス回だぁーー!!
何ぃーーッ!!??
マジでいちゃうのかぁーー!!??
いちゃう?
いちゃう??
はい♪マジであります。
それでは行ってみましょう♪
家族会議、程度の違いこそあれパパさんの司会の元、家族全員が家庭の問題を扱う会議のことである。
そして今、クジャク達もその家族会議を行うため集り会っていた。
ただその集り会っている場所がねぇ~場所だけあって・・・ね?
これってやっぱり凄い事になちゃうのかな?
チヅルちゃん・・・ファイトォー!
そう今、クジャク達が居るのは【猫の国】の【まつりごと】を執り行う大広間である。
【イズの都】のお城のまさに中心部に位置するこの大きな部屋は、まさに国の中枢と言えるでしょう。
ですから通常であればクジャクとチヅルちゃんが入室することはまずありません。
そうなんです。国母であるマイヅルでさえ、そうそう入室する所ではないのです。
そんな大広間にクジャク達家族4人だけがいます。
皆が緊張した面持ちで少し居心地の悪い雰囲気です。
特にクジャクにいたっては下を向いてまま黙り込んでいます。
まぁーしょうがないですよね。
つい先程のマイヅルとのやり取りを考えれば落ち込まない方がおかしいですよね。
クジャク・・・可哀想~。
そうこうしていると意を決したケンビシがチヅルちゃんに語り掛けます。
するとマイズルとクジャクはぐっと口を堅く閉じるのでした。
ケンビシ:「チヅルの婚約者を選ぼうと思うのじゃが?どうじゃ!?」
チヅル:「もう既にチヅルには夫がおりますが。婚約だなんて可笑しなお話しですわね」
ケンビシ:「今やチヅルの評判は国中にとどろきわたっておる!
嫁にもらいたいと引く手あまたの大人気じゃ!
選り取り見取りで選びたい放題じゃぞ!
どうじゃ!?」
チヅル:「ですから!!申し上げたとおりチヅルには兄上がおりますので謹んでお断り致します!!フン!!」
ケンビシ:「クジャクとの結婚は認めん!
クジャク以外の男を夫に選ぶのじゃ!」
チヅル:「嫌!!そんなの絶対に嫌!!
どうして!!??
どうしてチヅルが兄上以外の者と結婚しなければならないのですかッ!!??」
ケンビシ:「それは其方がわしの娘だからじゃ!
君主の長女としての務めを果すのじゃ!
其方の望みは聞けぬ!」
チヅル:「嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!」
盛大に拒絶するチヅルちゃん。もうプンプンですよう。
そして隣で正座しているクジャクに飛び付いた。
チヅル:「兄上ぇ~、父上がチヅルのこといじめるの!ねぇ~助けて!」
チヅルちゃんはクジャクの首に腕を回すと、甘える様に囁いた。
それでもクジャクは俯いたままで何も話そうとはしません。
チヅル:「・・・あ・に・う・え・・・??」
そんなクジャクのことを首をかしげ覗き込むチヅルちゃん。
するとクジャクがブルブルと震え出し大粒の涙を流すのです。
チヅル:「どうしたの?
どこか痛いの?
ねぇ~兄上?」
クジャクの涙の理由が分からず困惑するチヅルちゃん。
いや、薄々とは感づいてはいるのでしょうが、決して認めることなど出来るものではないでしょう。
特にチヅルちゃんは・・・ね・・・。
チヅル:「兄上てば!?どうされたのですか!?
チヅルに分かる様にお話しください。
兄上!?」
見たこともないクジャクの反応に困惑の度合いは増すばかりです。
クジャク:「チヅル・・・ごめん・・・」
そして顔を逸らし目を閉じるクジャク。
それは今、クジャクに出来る精一杯の『別れの言葉』でした。
チヅル:「え・・・??????????????????」
はたから見れば目を背けられただけ・・・なのかもしれません。
でも!チヅルちゃんには違ったようですね。
いったい何が起きたのでしょうか?
では説明しよう!
やはりこの状況にも【天使の加護】が関係しています。
今のチヅルちゃんは【天使の加護】の誤動作により第一次警戒態勢の状態で日々の生活を送っています。
当然のことながら異常なことであり、大変危険な状態とも言えます。
その証拠にチヅルちゃんは、クジャクが無意識にとはいえチヅルちゃんと目を背けることになった結果、交信を遮断されたことにより、重大なシステムエラーを起こしてしまったのです。
以上。説明終わり!
と言うことはチヅルちゃんどうなちゃうの?
はい♪超大変なことになちゃいますよ♪
ではどうぞご覧あれ。
どれどれ・・・。
それは、今までチヅルちゃんが一度たりとも聞いたことがないクジャクからの『別れの言葉』でした。
そのクジャクのたったの一言により。
あまりにも唐突過ぎる結末を迎えることとなるのです。
クジャクに抱き付いていたチヅルちゃんの腕から完全に力が抜けた。
するとチヅルちゃんは・・・まともに仰向けに倒れ込んでしまった!
瞳孔が開き。
目からは涙。
口からは泡を吹き。
顔色は血の気が引き真っ青。
体を小刻みに痙攣させ。
失禁までしています。
どうしてこうなちゃうの!!??
では説明しよう!
そうこれもやはり【天使の加護】の誤動作に起因する過剰反応である。
御承知の通りチヅルちゃんは、クジャクのサポート役としての【天使の加護】を授かているため、クジャクからの拒絶には莫大な苦痛を感じてしまいます。
とは言っても、ここまでの症状は普通に考えても出ないでしょう?
はい、その通り出ません。
ではなぜここまで酷い症状が発生したのでしょうか?
それはズバリ、クジャクへの極めて高い依存度が原因となっています。
今から約5年程前、クジャクの『お見合い騒動』の際、チヅルちゃんはクジャクから強引に2日間も引き離されました。
端的に言えばこれが起因です。
確かにチヅルちゃんは、更に2年程前の5歳の時、『巫女教育』の騒動の際から【天使の加護】の誤動作は始まってはいますが、より強くクジャクを求めるようになったのは『お見合い騒動』からになります。
強い【絆】で結ばれたクジャクとチヅルちゃんを決して離してはいけないのです。
以上。説明終わり!
チヅルちゃんが倒れるのとほぼ同時に部屋に突入する者達がいた。
何ぃーーッ!!??
敵か?
味方か?
お約束の展開はこの後直ぐ!!
『Angel SOS』をお読み頂きありがとうございました。
お話しの内容はいかがでしたか?
楽しんで頂けたのなら幸いです。
実はぁ~現在、評価ポイントが思うように貯まらず困っております。
総合評価 14 pt、ブックマーク登録 2 件、と正直、風前の灯火です。
このままでは自然消滅してしまいます。
できましたら応援して頂けないでしょうか。
どうぞよろしくお願い致します。