表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Angel SOS  作者: カツオ
第2章 猫の国
46/91

第46話 チヅルちゃんのとある一日②

『Angel SOS』をお手に取って頂きありがとうございます。どうぞごゆりとお楽しみください。

 時はアドリエルが召喚される1年前の冬。場所は猫の国。クジャク14歳の物語。



--- イズの都のチヅル 視点 ---



 ムツキちゃんがとても寂し気な表情でチヅルのことを見詰めている。

 あまりいい感じがしないわね。


 ムツキ:「こんにちは、チヅル様・・・」


 チヅル:「えぇー、こんにちは・・・」


 ムツキ:「チヅル様、何時も当店をごひいき頂きありがとうございます。

 大福をお届けに上がりました」


 チヅル:「あら、わざわざありがとう。ご苦労様」


 ムツキ:「恐れ入ります。

 チヅル様に是非とも作り立てを召し上がって頂きたくてお持ち致しました」

 

 チヅル:「そう、それはありがとう。楽しみだわ」


 ムツキ:「チヅル様、お仕事がお忙しいご様子。直ぐおいとましますね」


 あぁーやっぱり何かあるのね?

 まっ正直、思うところもあるちゃぁ~あるんだけどね。幼馴染のよしみで聞いてあげようじゃないの。


 チヅル:「ムツキちゃんどうしたの・・・??

 元気ないみたいだけど・・・??」


 ムツキ:「あのぉ~・・・そのぉ~・・・ええと、クジャク様、最近どうかなぁ~なんて思いまして・・・」


 ほうらやっぱり兄上のことね。


 チヅル:「兄上なら健やかにお過ごしですよ」


 ムツキ:「それはそれは喜ばしい事でございます、ね・・・・・・あの・・・・・・」


 煮詰まってる煮詰まってる。

 確かムツキちゃんが兄上に最後に会ったのが真夏の暑い頃よね?

 かき氷をチヅル達と一緒に食べた時だから、かれこれ半年前になるわね。

 まあそれだけ兄上と会っていなければ不安にもなるか?

 でもねムツキちゃん、チヅル、あのことは絶対に許せないから!!




 ちょっと長くなりそうだから順を追って説明していくわね。


 まずは経緯からいこうかしら。

 4年前のあのお見合い騒動の後、兄上は変わられたわ。

 ああ人格面ではなくって、交友関係がね、大分変ったの。

 それまでの兄上は、町行く女の子に片っ端から声を掛けるお人だったわ。

 沢山の女の子に囲まれて遊ぶのが大好きで、それはそれは派手な生活を楽しんでいたわね。

 勿論、ムツキちゃんもその内の一人だったわけなんだけど。


 知ってた?

 兄上て結構豪儀なところがあるのよ。

 サービス精神が旺盛で女の子を楽しませることを無情の喜びとしていたわ。

 今思うと【甘味処キヤさん】は連日兄上達で貸切状態だったような気がするわね。

 それに兄上たっら女の子一人一人に食べさせてあげるのよ。『あぁ~ん』てね。

 もぉ~女の子達はメロメロよ。

 しまいには抱っこやヨシヨシもするのし。

 あぁ~思い出してきたら腹が立ってきた。

 チヅルの気も知らないでさ。フン!


 あの当時兄上が、主人公特典を乱用しているのが心配で心配で眠れぬ夜を幾夜過ごしたことか。

 あぁ~チヅルてなんて健気なの。

 ほんといい奥さんよね。キャハァ~♪




 続いて次に兄上の現状をお話しするわね。

 既にお話しした通り兄上は交友関係を大分縮小されたわ。

 今ではごく限られた子達とのみ交友しているの。

 では、どうゆう子達と時間を過ごしているのか紹介していくわね。


 一番は当然チヅルね。

 一緒に暮らしているし。

 一番愛されているのもチヅルなんだから。

 だからチヅルとしては兄上のこの変化は大歓迎といったところね。


 二番はシノブちゃんね。

 ※注記:詳細は『第36話 折り紙』をご参照ください。

 兄上とシノブちゃんは乳兄弟だし順当なところかも。

 実は、シノブちゃんもチヅル達と同じくお城で生活しているのよ。

 シノブちゃんの母君であるシズクは兄上の乳母でしょ。

 だからシノブちゃんが赤ちゃんの頃からずっとお城で暮らしてきたのよ。

 それにシノブちゃんは昔からずっと変わることなく兄上オンリーだし。

 まぁ~認めてやらないでもないわね。

 だってぇ~チヅルは理解のある奥さんなんだからぁ~♪キャハァ~♪


 そして三番目はキサラギちゃんね。

 ※注記:詳細は『第31話 チヅルちゃんの公園デビュー④』をご参照ください。

 兄上とキサラギちゃんはとにかく仲が良いのよ。しゃくなくらいにね。

 これには母上が一枚かんでいるわ。


 じゃぁ説明するわね。

 実は母上、イワシが大好物なの。ちなみにお酒もね。

 その関係上、母上はよく【お魚屋さんウオコウ】に出かけるの。

 一週間に少なくても二回は訪問しているわね。

 そして、店に上がり込んで昼間から飲んだくれているわけよ。

 ほんと困った人なのよ、あの人は。

 それでね、そんな母上に兄上は、必ずといっていいほどお供でついて行くの。

 兄上の目的はね、そう【お魚屋さんウオコウ】の看板娘であるキサラギちゃんに会うことよ。

 この交友関係は兄上が幼い頃から未だに続いているわ。

 勿論、4年前のあのお見合い騒動の後も変わらずにね。

 兄上がキサラギちゃんのもとに通い続ける理由て何だと思う?

 それはねズバリ縄跳びよ!

 兄上は縄跳びが大好きなの。

 そのお相手がキサラギちゃんというわけ。

 それでね、この二人の二人跳びがね、笑えるほど凄いのよこれが。

 とにかく早いの。

 四重跳び?

 とか言ってたかな?

 あと、まりつきとか、お手玉のお相手も、キサラギちゃんじゃないと務まらないハイレベルな技の連続でね。

 うぅ~ん、ウルトラCみたいなやつよ。

 チヅルも頑張ってお相手をするようにはしているんだけど。

 あいにくこの手の遊びは苦手なのよ。

 チヅルはもっとこう体をのびのびと動かす方が好きなのよね。

 だから、兄上にとってキサラギちゃんは特別なの。しゃくだけどさ認めざる負えない【絆】みたいなものが二人の間には有るのよね。

 それに母上もキサラギちゃんは大のお気に入りだし。

 キサラギちゃんの方も兄上にベタ惚れだし。

 どうするのこれ?て感じ。

 そうなのよ、キサラギちゃんこそが実はチヅルの最大のライバルだったりするのよ。

 このちゃっかり物が。

 でも隠れラストボスじゃないんだからさ、さっさと紹介させてもらったわ。


 ちょっと説明が長くなちゃたわね。ごめんなさい。

 それで、今現在兄上と交友関係が有るもう一人の人物は・・・そうよ兄上の許嫁であるツバキよ!

 あの子たら遥々山奥から毎月のようにお泊まり付きで遊びに来るのよ。

 その度にチヅルは座敷牢に幽閉されるというわけ。

 そうチヅル毎月座敷牢に入れられているの。酷いでしょ!

 ちなみにシノブちゃんも一緒に座敷牢に入ってもらっているわ・・・うふふふ・・・。

 まぁ~連帯責任てやつ。

 チヅル一人じゃ退屈だし道連れにしてやったわ。

 苦楽を共にするなんて、ちょっとした友情物語で素敵じゃない。

 そんなこんなでシノブちゃんとは仲良しこよしで上手くやってるわ。

 ※注記:詳細は『第42話 白い許嫁⑥』をご参照ください。


 あぁ~ごめん・ごめん、また脱線しちゃったわね。ツバキの件よね。ツバキ、ツバキ、と。

 正直な処、ろくに会ったこともないからツバキの事はよく分からないわ。

 兄上に聞いた話では、この4年間で少しは背が伸びたようだけど。

 でも相変わらずの【ちびまる子ちゃん】みたいよ。

 ほんと笑ちゃうわよね・・・うふふふ・・・。

 そもそも兄上の好みからすればお呼びじゃない子なんだけど?

 以外にも兄上とは仲が良く順調に交際しているみたいね?

 どうも色仕掛けで兄上を籠絡したとかしないとか・・・??

 聞いて聞いて!ある情報筋によると。

 あの幼児体型のツバキのことがね!?

 抱っこするのに丁度よい大きさなんだってさ!?

 そんなバカげた話ないわよね?

 チヅルだって毎日、兄上に抱っこしてもらっているちゅうに!

 かぁー正妻はチヅルなんだてっば!

 泥棒猫には早々と退場してもらわないとダメね。

 まぁー見ていてちょうだい!


 


 少し長くなってしまったけど。これが兄上の近況よ。

 そして本題のムツキちゃんの件だけど。

 そうねぇー何処からお話ししようかしら?

 うぅ~~ん、ずばり言うとね。

 ムツキちゃんは浮気しました。

『Angel SOS』をお読み頂きありがとうございます。

今後とも『Angel SOS』をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ