第39話 白い許嫁③
『Angel SOS』をお手に取って頂きありがとうございます。どうぞごゆりとお楽しみください。
時はアドリエルが召喚される5年前の秋。場所は猫の国。クジャク10歳の物語。
お城の客間に子猫が2匹並んで座っている。
白い子猫達である。
その二匹の子猫は年の離れた兄妹のように見えた。
何故かって?それはねぇぇぇ♪
クジャクは10歳にして身長がもう110cmもあり、同年代より10cm以上背が高い。
※注記:猫種成人男性の平均身長は130cm。
一方、ツバキちゃん9歳の身長は70cmほどしかなく、同年代より10cm以上背が低い。
※注記:猫種成人女性の平均身長は115cm。
もうお分かりだろうか?
クジャクの方は青年と見違えるほどの容姿であるが。
ツバキちゃんてば見た目が幼女なんだなぁぁぉこれが♪てへ♪
これこそがッ!!需要と供給を考えに考え抜いたキャラ設定だぁぁぁッ!!
地球が丸い様に・・・!!
太陽が東から昇り西に沈む様に・・・!!
もぉぉぉお約束たらお約束なのぉぉぉ!!
この業界、ヒロインがぶっ飛んだステータスを持つことは・・・もはや宿命なのだぁぁぁッ!!
よって、避けては通れませぬ・・・!!
どうかどうか、ご理解の程を・・・・・・・アーメン。
そんなこんなで今、クジャクはポーカーフェイスを決め込んではいるが、相当混乱している。
ナイスバディな美人のママが大・大・大好きなマザコンのクジャク。
スタイル抜群の妹に淡い恋心を抱いているシスコンのクジャク。
オッパイの大きな綺麗なお姉ちゃんが大好きなスケベなクジャク。
どう考えてもロリコンから遠く離れた男の子である。
では、彼の心の声を聴いてみよう。
※※※
クジャク:(この子本当に9歳なの??3~4歳にしか見えないんだけど?
はぁぁぁぁぁぁ父上・・・酷いじゃありませんか?
こんないたいけな女の子にHぃ事なんてできませんよ。
あぁぁぁあ、Hぃ事したかったな~。
したかった!!したかった!!したかった!!したかったよぉぉぉッ!!
母上の様にオッパイが大きくって綺麗な子がよかったのに・・・これじゃぁ僕・・・変態さんだよ。
そうでしょ?この容姿だよ!ロリコンじゃないか!?
オッパイもお尻もペチャンコだし!
まぁ~可愛い子ではあるけど・・・だけどさ『ぐすん』
はぁぁぁぁぁぁ母上・・・これはいったいどういうことですか?
この子、結婚適齢期ウン十年先ですよ・・・多分・・・きっと・・・??
ほんと見れば見るほどちちゃいんですけどぉぉぉ!?
これってさぁぁぁ、子供が子供を作る的な・・・ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
危ない危ない異常な性癖に目覚めちゃうところだった。
これが噂に名高いロリコンの吸引力なのか!!??
チヅル、違うんだッ!!お兄ちゃんロリコンじゃないからね!!違うからね!!
僕が一番好きな子はチヅルだよ。
本当さ・・・!!『キリリ・シャキン』
はぁぁぁぁぁぁそれにしてもロリコン、侮れない魔性の力を秘めていると見た・・・!!
これは気を引き締めて行かなければ・・・!!
まあ確かにツバキちゃんは可愛い子だと思うよ・・・思うけどさぁぁぁ・・・ちちゃいし、オッパイ無いし、Hもできそうにないし・・・あっ!!
失礼なことを考えてしまった。
うぅぅぅごめんなさい・・・でも・・・僕・・・本当に許嫁なんて欲しくないのにぃぃぃ・・・。
あっまてよぉ!!
よくよく考えてみれば、こんなちちゃい子と婚約だなんて有り得ないよね!!
そうだそうだ!何でこんな簡単な事に気付かなかったんだろう?
ここは適当にお茶を濁しておこぉ~と♪)
※※※
もぉ~クジャクたっらぁ~現実逃避しちゃいましたよ♪
あれれ~い・い・の・か・な~?♪
クジャクとツバキちゃんの間にしばしの沈黙が流れていた。そしてその後。
クジャク:「あははは~♪ちょっと緊張し過ぎちゃったかなぁ~ごめんごめん♪
えぇぇぇと、ツバキちゃんて呼んでいいのかな?」
ツバキ:「あのぉぉぉできれば・・・ツバキとお呼び下さい『ポッ』」
クジャク:「じゃ~ツバキ、お話しでもしようか?」
ツバキ:「はい、クジャク様・・・『ポッ』」
会話が始まってしまえばなんてことも無い。
簡単な言葉、答え安い質問、ありふれた日常から巧みに物語を紡ぎ出すことなど、クジャクにとって簡単なことです。
ツバキちゃんの装いのこと、道中でのこと、御家族のこと、お互いの都の様子など、たわいもない談話を楽しむのでした。
クジャク:「・・・・・・弟君がいるんだ?」
ツバキ:「はい」
クジャク:「ツバキはお姉ちゃんなんだね。ふぅ~ん♪お姉ちゃんか~?
僕はよく妹と遊んでんあげるんだけど。ツバキのところはどんな感じなの?」
ツバキ:「そうですねぇぇぇあまり一緒に過ごすことは・・・ないかもしれませんねぇ?
どちらかといえば、サクラちゃん・・・あっそのう幼馴染と過ごしています」
クジャク:「幼馴染いいよねぇぇぇ、僕も幼馴染とはよく遊ぶよ。
気心が知れているから、いい感じに記録が更新できるんだよね」
ツバキ:「何の記録ですか?」
クジャク:「あぁぁぁ縄跳びなんだけどね。
そのう最近凝っててさ、これがなかなか奥が深いんだよね」
これはキサラギちゃんとの縄跳びによる、二人跳びのことを言っています。
この二人、なかなかのラブラブカップルだったりするんですよ。
まぁ~このお話しはまた別の機会に。あしからず、と。てへ♪
ツバキ:「・・・はぁぁぁ・・・?」
そうクジャクの遊び相手は100%女の子である。
これって御都合主義的な設定過ぎません?
まあ一様、【モテモテ主人公大作戦】によってクジャクは男の子達からけむたがれている設定です。
よってクジャクは、メンコ、ベーゴマ、チャンバラ、駆けっこ、等々男の子が楽しむ遊びは基本たしなみません。
ですから、クジャクの遊びのチョイスにツバキちゃんが戸惑うのも無理もないことです。
クジャク:「ツバキはどんな遊びが好きなの?」
ツバキ:「・・・そのう・・・私は・・・運動音痴なので縄跳びは苦手なんです」
実は、ツバキちゃんおままごとが大好きなんですが、なぜか答えるのが恥ずかしくなちゃったみたいですね。
おままごとて想像力が育まれる楽しい遊びなんだけどなぁ~♪
ちなみにツバキちゃんは、【シルバニアファミリー】並みの高級品のコレクターだったりします。
クジャク:「そうなんだ、じゃ折り紙なんてどを?僕、折り紙にも凝ってるんだ」
ツバキ:「折り紙でしたらそれなりに折れるかと。
(男の子なのに折り紙が好きなんて、クジャク様て変わってる?)」
ツバキちゃんとしては思う処が有るようですが、とりあえず話を合わせておくようですね。
クジャク:「一緒に何か作りたいね?」
ツバキ:「はい、是非ご一緒させてください。
(工作は得意なんだから、高難易度の作品折ちゃおうかな?)」
では説明しよう!
ツバキちゃんの言っている工作とはもはやお子ちゃまのレベルではありません。
ツバキちゃんは、まだまだ駆け出しとはいえ立派なモデラーなんですよ。
よって、おままごとで使用する、お人形や家具や建物、等々の製作に挑戦する程の腕前です。
あと折り紙については、メインに作品を製作しているわけではありませんが、その腕前は当然上級者です。
以上。説明終わり!
クジャク:「あぁぁぁそうだったそうだった。
チヅルはあまり折り紙が好きじゃなかたんだ。
チヅルも一緒に楽しめるものの方がいいな?
そうすれば早くツバキもチヅルと仲良くなれると思うんだ?」
ツバキ:「それでしたら、チヅル様のお好みに合わせてはいかがでしょうか?」
クジャク:「そうだねぇぇぇチヅルは活動的だからなぁぁぁ、やっぱりボール遊びかな?」
ツバキ:「では、まりつきなどいかがでしょう?」
クジャク:「あぁぁぁまりつきね、僕は好きなんだけど。チヅルがねぇぇぇ」
ツバキ:「あのぉぉぉボール遊びがお好きなんですよね??」
クジャク:「そうなんだけど、チヅルはこう思いっきり体を動かすものの方なんだよね。
そうだねぇぇぇ、キャッチボールとか、テニスとか、サッカーとか、ドッチボールは・・・最近皆怖がるからしなくなったけど、チヅルは相当好きだね」
ツバキ:「・・・ドッチボールですかぁ・・・!?
(チヅル様てクジャク様の妹君で【イズの都】の姫君よね。
それでどうしてドッチボールがお好きなの??
チヅル様て・・・怖い方なのかしら??『ブルブル』)」
クジャク:「チヅルは負けず嫌いだから、身体強化魔法とかも使い出す始末でさ・・・あはははぁぁぁ・・・ドッチボールて楽しいよねぇぇぇ、あはははぁぁぁ・・・」
あっ誤魔化した。
そうお察しの通り怪我人が続発したのである。
よってマイヅルより【ドッチボール禁止令】が出されたのであった。トホホォォォイ♪
ツバキ:「うふふふ・・・本当、チヅル様がうらやましい。
こんなにも”妹思い”のお優しい兄君をお持ちでいらっしょるなんて・・・ほんとうらやましい・・・」
女の子てほんとよく見てますよね?
クジャクの人となりを垣間見ただけで、心優しい少年の温かさに心を和ませるのだから。
クジャク:「え・・・!?」
何気なく発したであろうツバキちゃんの言の葉に反応してしまうクジャク。
そう琴線に触れたのだ。
シスコンをこじらせた変態さんのクジャクに、なえた幼女の様な女の子がどう映ったのか? 意味深である?
あれですあれ?そう?あれあれ?
子猫がこう小さく包まるとですね、萌え♪萌え♪キュン♪キュン♪なわけであります。
超小柄なツバキちゃんがうつむいてモジモジしてからはにかんだ上目遣い。
あぁぁぁん♪これてっばも~♪萌え死ねぅ~♪『パタ』・・・・・・・。
はい!!クジャクたら変なスイッチ入ちゃいましたぁぁぁ!!
えっ!!??入ちゃたの!!??入ちゃた!!あちゃ~♪
これは【おらおらロケッティア状態】行っとく??行っとく??行ちゃうよぉぉぉ♪
クジャク、破滅へと爆進だぁぁぁ!!
さぁぁぁてどうなるのかなぁ~?どれどれ・・・。
あらあらクジャクたら、親戚の子猫ちゃんを抱っこするかの様に、ツバキちゃんをヒョイと持ち上げて抱っこしちゃったよ。
いいのかな?
クジャク:「ほぉ~ら『ヨシヨシ・ヨシヨシ』ツバキは可愛いなぁ~もぉ~」
ツバキちゃんの頭を撫でながら覗き込むクジャク。
ツバキ:「えッ!!??」
驚きのあまりクジャクを見上げるツバキちゃん。
すると、クジャクの綺麗なオッドアイの瞳に吸い込まれてしうのであります。
ツバキ:(あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
なんて温かでお優しい眼差しなんでしょう。
あぁぁぁクジャク様~ハンサムでお美しいお方。
『あっあっあ~ん、あぁぁぁうぅぅぅん』
いいのぉぉぉ♪気持ちいいのぉぉぉ♪
ナデナデして下さるお手てが心地いいのぉぉぉ♪
あそこがキュンキュンしちゃうよぉぉぉ・・・!
『はぁぁぁはぁぁぁはぁぁぁ』
私、このままクジャク様に求めて頂けるのよね?
『うふふふ・・・えへへへ・・・』
クジャク様~どうぞお望みのままに。
私、クジャク様となら・・・。
『キャァァァ~♪キャァァァ~♪キャァァァ~♪キャァァァ~♪』
あぁぁぁ早くぅぅぅ私を・・・。
あっ!!しまったぁぁぁぁぁぁ!!
くまちゃんプリントのショーツ履いてたの忘れてたぁぁぁ!!
ど・ど・ど・どうしよう!!??
早く気付かれないうちに脱がなくちゃ。
だってだってぇ!
わ・た・し・の・は・じ・め・て・・・なんだもん♪
『キャァァァ~♪キャァァァ~♪キャァァァ~♪キャァァァ~♪』
もう知らない、知らない、知らない、知らなぁぁぁい!!)
ほんとおめでたい子である。トホホォォォイ♪
それにしても、この抱っこ一つで。
女の子は永遠の愛を確信し。
男の子は単なる気まぐれに興じた。
この温度差ヤバくない?ヤバくない?ヤバくない??
そうクジャクは大きな大きな勘違いをしている。
一つ。
ツバキちゃんは見た目は幼女だが一様9歳でちゅ♪
立派レディーとして扱ってくれなくちゃ、ダメ!!なんだからね!!です。
二つ。
ツバキちゃんも白猫の女の子です。
そうかなりの!むっつりスケベさんでぇぇぇす♪
もうお分かりの様に頭の中・・・真っピンクです。
だ・か・ら~今、くまちゃんプリントのショーツの中・・・大変な事になってまぁ~す。てへ♪
三つ。
ツバキちゃんは、ただの幼女の様な女の子ではありません。
そうクジャクの許嫁の候補者の一人です。
もうこの子たらぁ~結構先の事まで期待モリモリですよぉ~
あ~あいいのかな~?知らないぞぉ~?
これって・・・責任問題ですよねぇぇぇ?♪
クジャク、年貢の納め時だ!!神妙にお縄につけ!!
※※※
一方その頃、チヅルちゃんは?
奥の間に軟禁されていたぁぁぁ!!何いぃぃぃッ!!
チヅル:「ここから脱出するわよ!!」
シノブ:「恐れながら申し上げます。本日はおめでたい日でございます。物騒な事はお控えくださいませ。
(ちぇッ!! めんどくせぇ奴だなぁ。黙ってろよ!!
あんたが騒ぎ起こすと怒られるだろ。少しは考えろよバ~カ♪)」
さぁぁぁ役者は揃った!パーティーを始めよぉぉぉ!
『Angel SOS』をお読み頂きありがとうございます。
さぁぁぁサクッとブックマークと評価もちょちょいのちょいといちゃいましょう♪
そうそう感想も一言でいいんです。良い、ダメ、分かんない、等々感じたことを書いてみてください。
今後とも『Angel SOS』をよろしくね♪てへ♪