第37話 白い許嫁①
『Angel SOS』をお手に取って頂きありがとうございます。どうぞごゆりとお楽しみください。
時はアドリエルが召喚される5年前の秋。場所は猫の国。クジャク10歳の物語。
と紹介しておきながら。
はい、例によってポポロンちゃんのお部屋からスタートであります。
ここて天界ですからね、例によって私達の居る次元とは時間軸が全く違うんですよね。
だぁぁぁかぁぁぁらぁぁぁ、どの時点からのお話しになるのかな?
とにかくポポロンちゃんに注目!
ポポロン:「お帰りなさい。海水浴は楽しかったですか?
(この子達は逸材よ!!水着回大成功だったわ。
凄い視聴率だったんだから~♪ポポロンちゃん、ビックリ♪
それとぉぉぉ、妃和さんのポロリン♪
最高の絵が撮れたわ♪
コメントの書き込み大炎上だったんだからぁぁぁ♪
やっぱり!!オッパイて偉大ね、皆(天使達)の心を鷲掴みよ♪
この子達にはドンドン働いてもらおうと♪)」
深雪:「そうですねぇぇぇ、楽しめたと思います。
(チヅルちゃん、凄い子だったけど。
まぁぁぁ楽しめたかしらね。
ビーチ綺麗だったし、子猫ちゃん達可愛いかったなぁぁぁ)」
ミカン:「妃和先輩、無事に帰ってきましたよ。
ねぇぇぇねぇぇぇ?大丈夫ですか?
今日はもう休ませてもらいましょうね。
(あぁぁぁ~お姉様ぁぁぁ~ごめんなさぁ~い。
まさかこんな事になるなんて『ぐすん』」
妃和:「大丈夫よミカン、もう心配しないで。
(そうね、ミカンの言う通りもう休みたいわね。ほんと疲れたわ)」
こ・こ・これはぁぁぁッ!!
『チヅルちゃんの公園デビュー』回のお話しですね。
ほらほら、チヅルちゃんが三つの時のあれですよあれあれ♪
妃和がオッパイ・ポロリンしちゃって大変だったやつ。
と言うことは??
【お約束の三人娘】達は『時はアドリエルが召喚される11年前の夏。場所は猫の国』から帰ってきたばかりなの?
これまたややこしいですね。
でも~この回てチヅルちゃんの観察任務でしたよねぇぇぇ?
遊びに行ったわけではないはずだけど?あれれれ~??
まぁ~まぁ~まぁ~お約束と言うことで。お約束お約束♪
ポポロン:「あらあら、大分お疲れの様ですね?
休憩を取りましょうか?」
ポポロンちゃんがちっちゃなお手てで示した先には?
えぇぇぇッ!!
わぁぁぁい♪可愛い~♪キラキラしていてメルヘンチックなお城だぁぁぁ♪
そりゃぁ~広大なポポロンちゃんのお部屋なら、お城の幾万ぐらい軽く入りますよね、ねぇ、ねぇぇぇ♪
深雪:「これはまたご立派な・・・。
(はぁぁぁ天使て何でも有りなのかしら??凄すぎる!!)」
大きな大きなお城を目の当たりにして啞然とする妃和達。
今日の宿泊先はキラキラしていてメルヘンチックなお城だよ。よかったね。てへ♪
ポポロン:「お好きな部屋で寛いで下さい。
用意してあるお食事もどうぞご自由に召し上がれ。
(天界のグルメをご堪能あれ。
天にあるものは、地にあるものを凌駕しているんだから。
うふふふ♪その美味しさに驚くわよ~♪)」
こうして休憩に入る【お約束の三人娘】達。お疲れ様でした。
そして、そんな【お約束の三人娘】達を見送るポポロンちゃんであります。
ポポロン:「さぁぁぁて、お仕事お仕事。
気になる報告も上がってきているし、と」
ポポロンちゃんがそう言うと、自身の全周囲に数多のディスプレイを展開させます。
ポポロン:「これこれ、うんうん、なるほどね。
チヅルかぁぁぁ?
ちょっと危ういわねこの子。
どうしてこうなちゃったのかしら?」
更に情報を表示させて行きます。
次々と開かれて行くファイルの数々。相当な情報量です。
なんてったってポポロンちゃんは中位天使ですからね。
データーの収集、分析、判断なんてお手の物です。
見た目は幼女なんですけどね、物質宇宙を動作させるための時間(天使にとってはシステムの一部)を管理する立場にいるのは伊達ではありません。
よって、物質で構成されている次元の情報ならほぼ全て閲覧し改定する権限を持っています。
わぁお!ポポロンちゃん、凄い!!【時間の番人】は伊達ではありませんことよ。オォホホホホホホ~♪
ポポロン:「ははぁぁぁなるほどねぇぇぇ、ミシャエルの仕業か。
そうすると、と~?
これまた無理したわねぇぇぇ、このクジャクのスペック、猫種じゃ有り得ないわ。
どうしてこんな無茶を?
いざという時には【精霊】を使えばいいのに、どうして?」
更にまた情報を表示させて行きます。
ポポロン:「これは思っていたより大掛かりな問題ね。
そうよねぇぇぇ、今、地球で起きている惨状を見れば、ミシャエルの決断もまぁ~うなずけるわ。
ここはいちょお姉ちゃんである私が助けてあげようと」
ポポロンちゃんは嬉しそうにディスプレイを操作し始めるのでした。
※※※
さてさて、天界に有るポポロンちゃんのお部屋から場所は変わり、ここは【猫の国】です。
ということは、は~い♪
『時はアドリエルが召喚される5年前の秋。場所は猫の国』
て出だしに戻るわけね。トホホォォォイ♪
秋の夜長、ゆったりと月を愛でるのも乙なものです。
そうクジャク達も、あのクジャクの生みの親であるオリヅルが生前お気に入りだった眺めが良い部屋で、月見を楽んでいます。
家族で集まりあい、共に時間を過ごす。素敵じゃないですか。
クジャクも心温まる楽しい一時を満喫している様ですしね。
そんなクジャクもこの年の春で10歳になりました。
身長も高くなりました。同年代の子より頭一つ分は高いんですよ。
お勉強も、武術も、魔法の訓練も、みんなみんな頑張って来ました。
だって、チヅルちゃんと約束したじゃないですか?
チヅルちゃんの勇者になるってね♪
だから本当に努力したんですよ。
えらいでしょ?ねぇぇぇ♪
そしてチヅルちゃんもこの年の夏で8歳になりました。
兄のクジャク同様、身体面での成長は・・・いくら何でもこれわぁぁぁ育ち過ぎでしょぉぉぉッ!!??
さすがは【天使の加護】持ちと言った処でしょうか?
年齢不ッ!!相応に膨らみ始めた胸!!長い手足、そして身長と、どれを取っても同年代の子達を凌駕しております。
実にけしからんでありますなぁ~♪ウッシシシシシシィィィ♪
そうそうそう、チヅルちゃん、巫女頑張ってますよ。
もぉ~チヅルちゃんの巫女服姿の可愛いこと可愛いこと。
萌え♪萌え♪キュン♪キュン♪なんだからぁ~♪
チヅルちゃんも頑張っているんですよ。
えらいねぇぇぇ♪えらいねぇぇぇ♪いい子だね♪ほんといい子いい子♪
はぁぁぁぁぁぁこの子はトラブルメーカーだから、このまま無事に育ちますよに。
えっ?無理??
そうなんですようねぇ~この物語・・・コメディーだから。トホホォォォイ♪
そんな主人公補正てこんもりのお二人ですが、相も変わらず兄妹仲は絶好調であります。お約束お約束♪
クジャク:「見てご覧、中秋の名月がとても綺麗だよ」
チヅル:「ほんと・・・綺麗ですわね」
クジャクの隣に座っているチヅルちゃんが静かに寄り添います。
そしてクジャクの肩にそっと頭をもたれさせるのです。
キャァ~♪ロマンチック♪
そしてお手てはお手ては??
はい~♪もちのロンで恋人つなぎであります。
あまぁ~い♪あまぁ~い♪時間を楽しむ二人。
まるで恋人の様です。一様兄妹なんですけどね。一様、はい、一様ね♪
ケンビシ:「時にクジャク・・・おぬしに許嫁をな・・・決めようかなぁぁぁなんて・・・聞いてる・・・??
聞いてない?あぁぁぁお呼びで無い・・・。
(あれ??パパ無視されちゃったかな??かなぴぃ~♪)」
えっ?ケンビシいたの?
はぁぁぁい♪今は一家団らんの最中であります。
当然、パパであるケンビシも、ママであるマイヅルも、同席してるんだなぁ~これが。
マイヅル:「チヅル、クジャクから離れなさい・・・!!
クジャクも御父上が話しておられるのですから、耳を傾けなさい。不敬ですよ」
まぁぁぁマイヅルの言う通りそうなんですけど?
クジャクも、別に父親のことを嫌っているわけではありません。
ただここ最近よく言われる許嫁という言葉に戸惑っているだけなんです。
実はクジャク、もうこの時点で既に妹であるチヅルちゃんのことを相当意識しています。
禁断の愛。
皆様もお好きでしょう?
ね?ねぇ?ねぇぇぇ??ウッシシシシシシィィィ♪ウッシシシシシシィィィ♪
クジャク:「・・・許嫁ですか?僕にはまだ早いのでは?」
チヅル:「兄上の世継ぎはチヅルが生むんだから、許嫁なんていらないわ!!フンッ!!」
マイヅル:「あなた達はまたそんなことを、とにかく御父上の話を聞きなさい」
皆の視線がケンビシに集まる。
ケンビシ:「おっほん♪まぁぁぁなんだ、クジャクもこの国の時期君主だからな、そろそろ許嫁でもと考えたわけじゃ。
どうじゃ?おまえも、もう10歳だ、そろそろよかろう?」
噓である!
マイヅルが実施した国家プロジェクト【モテモテ主人公大作戦】の成果がすこぶる良かったため、【イズの都】の男子諸君から苦情が殺到したのが真の理由である。
そう、【イズの都】の女の子達のハートをクジャクが射止めてしまったのだ。
クジャクは同年代と比べて発育が良好なうえ、【天使の加護】持ちなので超優等生である。
それでいてフレンドリーで城下町を遊び歩いているわけだから、女の子達が黙ってはいない。我こそはと奮闘中なのだ。
よって沈静化するため、許嫁を決めることと相成った訳である。
※注記:詳細は『第27話 クジャク初めてのお出かけ④』をご参照ください。
チヅル:「嫌!!絶対嫌!!
嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌!!嫌ぁぁぁッ!!」
マイヅル:「チヅル、黙りなさい・・・!!
御父上は君主として仰せになったのよ。
あなたも姫君の一人なら聞き従いなさい。よいですね・・・!!」
チヅル:「シャァァァァァァ!!」
マイヅルめがけ威嚇するチヅルちゃん。当然本気モードである。
ケンビシ:「まぁぁぁ、まぁぁぁ、まぁぁぁ、二人共。
チヅル、おまえの気持ちも分からんでもないが、【猫の国】のため、ここは我慢してくれないか?よいな・・・!!」
あらあら、ケンビシたら言の葉に闘気を載せちゃったよ。いいのかなぁぁぁ?
チヅル:「ぐゅっえぇぇぇぇぇぇ・・・・・・!!」
負けずと気勢を張るチヅルちゃん。
でも父ケンビシは【猫の国】きっての武人。気合いが入れば凄まじい気迫です。
これにより、楽しかった一家団らんは一変し張り詰めた空気となってしまいました。
だがしかぁぁぁしッ!!
何を思ったのか?
このお父さんやらかします。
これってお約束の展開?お約束お約束♪
ケンビシ:「そうだそうだ、クジャク?
許嫁をもらったらHぃぃぃ事ができるぞ。
Hはいぞぉぉぉ、Hはぁぁぁ♪
おまえも好きじゃろぉぉぉ?H?♪
どうじゃぁぁぁ・・・!!??
いいだろう・・・!!??
なぁぁぁなぁぁぁ・・・!!??
(あぁぁぁ気まずくなちゃったなぁぁぁ。何とか和ませなくては)」
これはケンビシなりに考え抜いた場を盛り返すためのジョークなのだが?最悪である。
これではただのスケベオヤジではないか?
はい、実は、ケンビシなかなかのスケベーである。
先妻のオリズル、後妻のマイヅルにより、すっかり骨抜きにされていた。
悲しいかな、女の魅力に逆らえる程の聖人君子などいないのである。
多分・・・・・・きっと・・・・・・おそらく・・・・・・。
ヘブライ語聖書に登場するサムソンの悲劇は男性諸君への重い教訓である。
女は怖い・・・オーマイゴッド!
そんなこんなで、ケンビシの事はさておき、クジャクの返答は?
クジャク:「・・・・・・ぼきゅぅぅぅ、興味有まちぇぇぇん・・・・・・」
嘘である!
クジャクは生みの親であるオリズル似。
そう根っからのスケベーなのである。
育ての親であるマイズルの徹底した教育方針である、【モテモテ主人公大作戦】によりバカ王子になることは避けられたが、Hへの渇望は人一倍強い・・・そう強いんだよぉぉぉッ!!
そこに来てクジャクは最近欲求不満でもある。
ここ大切なので繰り返しておきましょうね。
ここ最近クジャクは欲求不満で【ふぉにゃらり】がビンビンなんだよぉぉぉ!!
そうなのである。
さすがのマイヅルも10歳となったクジャクを少しずつ母離れさせるため、本腰を入れ始めたのだ。
その対策の一つが【男の子は一人でお風呂に入りなさい】計画である。
そうクジャクはやっと一人で入浴するようになったのです。
ちなみにおしゃぶりについては継続中だぁぁぁ!!
クジャク・・・おまえてやつは・・・。
ケンビシ:「そうかぁぁぁ??Hできるんだぞう??H??
うぅぅぅん、クジャク・・・??
Hはいいぞ、Hは、H最高~♪わははははは!!」
クジャク:「お・お・おたわむれを、あははははは・・・」
明らかに共同不振なクジャクであった。
主人公特典で整っているはずのお顔がにやけて崩れてしまっている。
あぁぁぁ情けない。
うぅぅぅ情けない。
マイズル:「あ・な・たぁぁぁッ!!」
チヅル:「あ・に・う・えぇぇぇッ!!」
この後、女性陣に散々絞られたことは言うまでもない・・・・・・合掌!!
この御縁はうやむやになるかに見えた・・・が、どっこいそうはならなかった。
なぜならば、家臣達からの強い要望が有ったのです。
そう、マイヅルが立ち上げた国家プロジェクト【モテモテ主人公大作戦】の被害者は武家の御子息にも及んでいたのだ。
あぁぁぁ主人公とは?
害悪を孕んだ人ならざる者なのか?
モブキャラにも人権を!
人類に優しい世界を心から願う今日この頃であった・・・・・・ジーザス!!
『Angel SOS』をお読み頂きありがとうございます。
さぁぁぁサクッとブックマークと評価もちょちょいのちょいといちゃいましょう♪
そうそう感想も一言でいいんです。良い、ダメ、分かんない、等々感じたことを書いてみてください。
今後とも『Angel SOS』をよろしくね♪てへ♪