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Angel SOS  作者: カツオ
第2章 猫の国
36/91

第36話 折り紙

『Angel SOS』をお手に取って頂きありがとうございます。どうぞごゆりとお楽しみください。

 時はアドリエルが召喚される7年前の春。場所は猫の国。クジャク9歳の物語。



--- イズの都のシノブ 視点 ---



 【猫の国】にそれはそれは可愛らしい青猫の女の子がいました。

 その女の子はとても内気でしたが、瞳がとても綺麗な男の子に恋焦がれていました。

 またその男の子もその女の子のことを大切にしてくれていました。

 心優しい男の子と内気な女の子、二人はとても仲良しでした。

 でも!! 男の子にはとても意地悪な妹がいました。

 その意地悪な妹は女の子のことをよく虐めるのでした。

 そして女の子は何時も虐められ泣いてばかりいました。

 あぁぁぁ天使様ぁぁぁ♪どうか痛い気な女の子をお救い下さい。

 

 うぅぅぅぅぅぅん、今日のお話しはこんな感じかなぁぁぁ?




※※※




 ご機嫌麗しゅう存じ上げます。

 【イズの都】のシノブでございます。

 クジャク様の乳母を務めさせて頂いております、シズクの娘でございます。

 あの夏の海水浴以来ですので、ほんとお懐かしゅうございます。

 ※注記:詳細は『第29話 チヅルちゃんの公園デビュー②』をご参照ください。


 時が経つのは早いものでございます。

 桜の季節も過ぎ少し物寂しい今日この頃。私も9歳になりました。

 そうそう私、クジャク様より約一ヶ月お姉さんなんですよ。


 あぁぁぁぁぁぁクジャク様の事を思う度に・・・・・・沸々と湧き上がって来るこ・の・お・も・いぃぃぃッ!!

 チヅルゥゥゥッ!!おんどりゃぁぁぁッ!!

 いつもいつもッ!!クジャク様とのあいだ邪魔しくさってこのぉぉぉッ!!

 姫様だか何だか知らんけど、ええ気になるなよぉぉぉッ!!

 どつきまわしたるぞぉッ!!

 

 あっ!!

 おほほほほ~シ・ノ・ブ・ちゃ・ん・分かんなぁぁぁい♪うふふふふ~♪


 ええか!?今、見た事はクジャク様には内緒やで!!

 もぉぉぉシ・ノ・ブ・ちゃ・ん・の・お・バ・カ・さ・ん!!♪♪キャハ~♪

 



※※※




 うららかな春の日差しが差し込む午後のひと時、あのお方が会いに来てくださった。

 シノブちゃん、うれぴぃ~♪キャハ~♪


 クジャク:「シノブちゃん♪遊びに来たよ♪」


 大好きな男の子が遊びに来てくれた。

 嬉しい・・・・・・『ぽっ』


 チヅル:「兄上ぇぇぇ、また折り紙するの?折り紙、嫌!!」


 大っ嫌いな意地悪な妹も付いて来た。

 嫌だな・・・・・・ちぇッ!!


 シノブ:「クジャク様、チヅル様、ようこそおいで下さいました」


 クジャク:「ねぇぇぇねぇぇぇ見て見てこの折り紙・・・・・・綺麗でしょ?」


 シノブ:「わぁぁぁ綺麗ぇぇぇ『ぽっ』」


 それは高級和紙の折り紙でした。

 細やかな柄と、淡い色合いがとても優美で、折るのがもったいないほどです。

 こうなってくると凝り性のクジャク様のことまたあれかしら?


 クジャク:「大きいの作ろうよ。僕、折り紙60枚のくす玉に挑戦したいな」


 チヅル:「えぇぇぇぇぇぇ!!兄上ぇぇぇそれだと時間かかちゃうっよぉぉぉ!!」


 シノブ:「・・・・・・3時間は掛かるかと」


 クジャク:「うん♪頑張ろ~!♪」


 この笑顔には逆らえませんわ。

 惚れた弱みなの?

 キャァァァ~♪シノブちゃん健気~♪

 女て愛に生きるものなのよ!!シノブちゃん幸せぇぇぇ♪


 でも~せっかく新しい折り紙の折り方覚えたのだから、色々試してみたかったかも。

 猫ちゃんや、ワンちゃんや、キリンさん、ぞうさんなんかを折りたかったなぁ~。

 そうそう、お花シリーズにも挑戦したいし・・・はぁぁぁぁぁぁ、後で一人で折ろうと。




※※※




 半時ほど後。


 折り紙の小さな固まりが出来てきました。

 色どりを見ながら組み立て行きます。

 クジャク様は手先が器用だから、こうして二人でせせっと折って行ける。

 これなら予想よりも早く完成できるかも?


 チヅル:「兄上!!つまんない!!」


 クジャク:「チヅルも折り紙折ってみなよ。おもしろいよ」


 退屈なら帰れよ。

 ずっとクジャク様の背にもたれやがって。

 見せつけてんじゃねえよ。

 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ・・・ムカつくッ!! 


 チヅル:「嫌!!うふふふ~♪

 『カプ、チュ~ウ、ペロペロ、ペロペロ、ハムハム、ハムハム』」


 クジャク:「もぉぉぉくすぐったいよぉぉぉ」


 あぁぁぁぁぁぁッ!!こんちきしょぉぉぉぉぉぉッ!!始めやがったよこいつ!!

 クジャク様の猫耳を美味しそうに甘嚙みしおってからにぃぃぃ!!

 うっきっぃぃぃ!!う・う・うらやましいッ!!

 

 それにしてもチヅルのやつめ、いつもながら所かまわずおっぱじめやがる。

 このド・変態野郎が!!

 しまいにはへこますぞわれ!!


 チヅル:「あ・に・う・え♪こっち向いて」


 クジャク:「チヅル?」


 あぁぁぁクジャク様ぁぁぁ、兄妹でそんなに見つめ合わないでぇぇぇ?

 チヅルのやつ、そんな見せつけんでもええやんか。

 なんでやねん!?

 二人の世界に入ってしもうた。

 う・う・うらまやじぃぃぃよぉぉぉ!!

 クジャク様・・・私にはちっともお手付きしてくれへん。

 マジ凹むわぁぁぁ、はぁぁぁぁぁぁ・・・。


 それにしてもクジャク様、嬉しそうやなぁぁぁぁぁぁえなぁぁぁぁぁぁ・・・。

 そうやぁぁぁッ!!

 クジャク様からして下さらないなら、さり気なく触らせればいいんや!!

 シノブちゃん、頭いい♪キャハ~♪


 ええぞええぞ、どんどん行ったる。

 オッパイとか、お尻とか、太ももとか、でも~どうやってさり気なく触らせたらいいんや??

 かぁぁぁ難題やぁぁぁ・・・でも考える価値は十分あるニャン♪ぐふふふふぅぅぅ~♪


 それにしても何時までイチャついておるんじゃ??チヅルのやつ??

 しまいにはガン垂れたるぞう、われ!!

 

 はぁぁぁぁぁぁ馬鹿らしゅうなってきた。

 せやけどいつ見てもクジャク様のオッドアイの瞳は綺麗やな。

 エメラルドのようにキラキラ輝とる。

 まぁぁぁチヅルのオッドアイの瞳も、サファイヤのようで綺麗ちゃぁ綺麗やけど、クジャク様ほどじゃないわな。


 チヅル:「何!!??言いたい事有るなら言いなさいよ!!」


 シノブ:「・・・いいえ・・・私べつに・・・そのようなこと・・・」


 こ・こ・怖い!!

 チヅルのやつ相変わらずえらい形相で睨みよる。


 クジャク:「チヅル、ダメだよ。シノブちゃん怖がっているでしょ。

 シノブちゃん、ごめんね。チヅルも怒っているわけじゃないから」


 悔しぃぃぃぃぃぃッ!!

 クジャク様はなぜ何時も何時もチヅルをかばうの!?

 そいつは見た目だけの性格ブスなのに。

 チヅルなんて、化け猫じゃ、化け猫じゃぁぁぁ!!


 チヅル:「シノブちゃんがイジイジしてるからよ。チヅル悪くないもん!!」


 クジャク:「そうかなぁぁぁ?シノブちゃんは何時でもおしとやかだよ」


 チヅル:「それはぁぁぁ、兄上の前でぶりっ子してるから!!

 シノブちゃんて相当なヤンデレなんだから。

 ねぇぇぇシ・ノ・ブ・ちゃ・ん!!『べぇぇぇ!!』」


 こ・こ・こんちきしょう!!

 クジャク様に何てこと言っとるんじゃ!!

 クジャク様ぁぁぁ、シノブは何時でもおしとやかなレディーですわよ。オホホホホ~♪


 シノブ:「チヅル様、けっしてそのようなことはないかたと存じ上げます」


 クジャク:「チヅル、シノブちゃん虐めたらメだよ」


 悔しぃぃぃぃぃぃッ!!

 クジャク様の肩から覗かせている、あの!!あのッ!!チヅルのドヤ顔が憎らしいわぁッ!!

 このぉぉぉッ!!あの勝ち誇ったお目目と、にやけた口元、くぅぅぅぅぅぅ!!

 うっぅぅぅぅぅぅ、悔しい悔しい・く・や・し・いぃぃぃッ!!

 あぁぁぁ悔しくて悔しくて涙が出てくる・・・。

 

 シノブ:「うっうっ・・・うぅぅぅぅぅぅ・・・うぅぅぅぅぅぅ・・・うぅぅぅぅぅぅ・・・」


 クジャク:「あっぁぁぁッ!!

 シノブちゃん『ヨシヨシ、ヨシヨシ』

 泣かないで『ヨシヨシ、ヨシヨシ』」


 駆け寄って来てくれたクジャク様が優しく頭を撫でてくれる。

 嬉しい、嬉しいよぉぉぉ!!

 シノブちゃん、し・あ・わ・せぇぇぇぇぇぇ!!


 あぁぁぁクジャク様ぁぁぁ、シノブねチヅルなんかに負けないから!!

 負けてたまるかドアホォォォッ!!


 

 

 チヅルのやつに虐められた可哀想な私がね、泣いていたら、母上シズクが様子を見に来てくれたみたい。

 縁側回りの廊下から母上がおいでになりました。


 シズク:「シノブちゃんどうしたの??」


 すすり泣く私に寄り添ってくださる、優しい母上。


 クジャク:「シズク・・・そのうシノブちゃん・・・泣かせちゃって・・・ごめんなさい」


 チヅル:「フン!!ほんと泣き虫なんだから」


 シノブ:「うぅぅぅぅぅぅ、母上ぇぇぇ、私じぃぃぃ・・・」


 気まずい雰囲気が満ちていく。

 あぁぁぁあ、嫌だな。


 シズク:「クジャク様、チヅル様、シノブが何か粗相でもしましたか?」


 クジャク:「いえいえ、そんな事全く無いですから。はい、まったく」


 チヅル:「何時も何も言えずにいじけてるシノブちゃんが悪いのよ。

 ほんと腹黒いくせに。フン!!」


 クジャク:「もうチヅルはぁぁぁ、そんなこといちゃダメだよ。

 シノブちゃんはねぇぇぇ・・・うぅぅぅん、そうだねぇぇぇ、僕達幼馴染なんだからもっともっと気楽にいきたいかなぁ~なんて?

 (シノブちゃんてさ、青猫さんで、ヤンデレで、もうオッパイが膨らんで来たんだよねぇ~。

 これって超レアキャラじゃん!!

 僕、もっとシノブちゃんと仲良くなりたいなぁ~♪『にゃにゃ♪』)」


 えっ!? 

 えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!??

 そんな事いきなり言われても、私・・・・・・どうしたらいいの~??


 シズク:「シノブちゃん、何でもシノブちゃんの好きなように話せばいいのよ。

 クジャク様はありのままのシノブちゃんを御所望なのだから、ね?そうでしょ?」


 シノブ:「・・・・・・クジャク様、私・・・・・・」


 言えるかボケェェェッ!!

 こっちとら根っからのヤンデレなんだよぉぉぉ!!


 でも??

 これってチャンスじゃない。

 チヅルにガツンとかましたれぇぇぇ。

 目にもの見せたるでぇぇぇ!!

 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ、緊張して来た。

 シノブゥゥゥガンバァァァ!!

 行くでぇぇぇッ!!


 シノブ:「私の全てをクジャク様にめちゃくちゃにして欲しいの・・・あっ!!??」


 クジャク:「・・・えっ・・・!!」


 シズク:「もぉぉぉこの子ったら、本音がダダ洩れよ。ほんとそそっかしいんだから」


 チヅル:「はぁぁぁぁぁぁ・・・バァァァカ」


 キャァァァッ!!恥ずかしいぃぃぃよぉぉぉぉぉぉ!!

 私何言ってるの!!??

 バカなの!!??

 痴女なの!!??

 ど・ど・どうしよう!!??

  

 そして私は逃亡するのです。

 向かうはおトイレです。

 1、2時間こもっていようと思います。

 はぁぁぁぁぁぁ・・・・・・どうしてこうなるの??ぐすん・・・・・・。

『Angel SOS』をお読み頂きありがとうございます。

さぁぁぁサクッとブックマークと評価もちょちょいのちょいといちゃいましょう♪

そうそう感想も一言でいいんです。良い、ダメ、分かんない、等々感じたことを書いてみてください。

今後とも『Angel SOS』をよろしくね♪てへ♪

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