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Angel SOS  作者: カツオ
第2章 猫の国
35/91

第35話 悪魔の伝承④

『Angel SOS』をお手に取って頂きありがとうございます。どうぞごゆりとお楽しみください。

 時はアドリエルが召喚される8年前の春。場所は猫の国。クジャク8歳の物語。



 前回のあらすじ。

 クジャクとチヅルちゃんが仲良く二人でトイレに入ったよ。

 前回のあらすじ終わり!

 



 クジャク達が共用の女子トイレに入ってから10分。

 あのお約束の変態兄妹が用を済ませ出てまいりました。

 それにしても10分て微妙な時間でありますなぁぁぁ・・・。

 

 そんでもって当のご本人達はというと?

 チヅルちゃんは、出すものを出したからでしょうスッキリとした表情です。

 先程まで悪魔に怯え泣きじゃくていたのが噓のようです。


 一方のクジャクは、あらあら、新しい世界に目覚めちゃったのでしょうか?

 お目目がいっちゃてますねぇ~。

 この子、どんどん変態さんに拍車が掛かっちゃてもぉ~トホホォォォイ♪

 主人公・・・鬼畜伝説・・・。

 ※注記:本作品ではそっち方面のお話しは無しです。


 そんな変態兄妹を共用の女子トイレの入り口の前で待ち構える人物がいた。

 そうマイヅルである。ジャジャーン♪


 マイヅル:「ク・ク・クジャク・・・!!貴方って子は・・・!!??

 どうして??どうしてこんなことを・・・!!??」


 女中さんの報告に半信半疑だったマイヅルは、現実を目の当たりにし動揺を隠せないでいた。

 そりゃぁ~そうですよね~8歳の男の子と5歳の女の子が仲良くお手てを繋いで女子トイレから出てきたら・・・ねぇぇぇ??

 マイヅル、ガンバ♪


 そうその時である。新たな登場人物が現れた。

 

 ケンビシ:「おぉぉぉクジャクどうした??

 マイズルにしかられておるのか?

 やんちゃな奴よのぉぉぉ、ハハハハハ~」


 マイヅルの声を聞き近づいて来たのは、そうケンビシである。

 元々このお話しは、チヅルちゃんが巫女に成りたくないと駄々をこねた事に端を発したいる。

 そして、ケンビシがこうしてチヅルちゃんに事情聴取する為、チヅルちゃんを探し回っていたのだ。


 マイヅル:「あ・貴方・・・!!」


 ケンビシ:「どうした?そんなに血相を変えて」


 マイヅルの沈んだ表情にただならぬ事態を感じ取るケンビシ。

 【猫の国】最強の猫武者とうたわれた強者。一瞬で状況を察知する。

 

 ケンビシ:「(チヅルがおるではないか。クジャクの陰に隠れて気付かなんだ。

 もぉ~パパ探しちゃったよぉ~やっぱりクジャクと一緒だったんだねぇ~。

 あぁぁぁあ、パパ心配したんだよぉ~『ぐすん』

 ということは、はっはぁぁぁん、この件、チヅル絡みじゃな?)

 マイヅル、何があった。説明せい」


 さすがは出来る男ケンビシ。的確な判断であります。


 マイヅル:「・・・はい、どうもクジャクがチヅルをトイレに連れ込んだようで・・・??

 私・・・うぅぅぅぅぅぅ」


 あぁぁぁ哀れ・・・変態兄妹の子を持つと大変であります。


 ケンビシ:「なっなんと!!クジャク、それは誠か!!??」


 これは当然親として問い質すべきことですよね?ねぇ?ねぇぇぇ??


 クジャク:「うぅぅぅぅぅぅ・・・」


 申し訳なさそうに俯いてしまうクジャク。

 クジャクとしても、いけない事をしたという自覚があるのです。 

 見ちゃたしぃぃぃ♪ 

 クンクンしちゃたしねぇぇぇ♪


 ケンビシ:「黙っていては分からぬぞ・・・!!

 (おいおいクジャク、いくら何でもトイレに連れ込むなんて不味いだろう。

 あのド変態のオリヅルでさえトイレについてきたことなどないぞ。

 こやつ業が深いのか?

 それって超不味くない?

 パパどうしよぉぉぉ??)

 どうしたクジャク・・・!!

 言い開きをしてみよ・・・!!」


 あくまでも冷静を装うケンビシ。

 だがしかぁぁぁしッ!!

 内心は泣きそうであります。

 そうこの男、はったりの達人である。トホホォォォイ♪


 チヅル:「兄上を虐めないで!!

 兄上はチヅルを守ってくれただけだもん!!」


 さぁぁぁ大好きなお兄ちゃんのピンチにチヅルちゃん参上だぁぁぁ!!

 お腕を大の字に広げてプンプンモード全開ですよ~♪プンプンと~♪


 ケンビシ:「(うむ、やはりチヅルが一枚噛んでおったか)

 ほぉぉぉ、何から守ってもらたのじゃ?

 (悪魔ならこの一見見えた)」


 チヅル:「チヅル、悪魔に連れ去られてたら大変だから。

 兄上に守ってもらっていたの!!

 だから兄上は悪くないの!!

 悪いのは悪魔なの!!

 分かった!!??」


 この子はなかなかの玉ですね。

 一様見た目は毅然としたケンビシにここまで言ってのけるのですから。

 末恐ろしい子です。


 ケンビシ:「ほぉぉぉ、悪魔がのぉぉぉ・・・?

 そうかそうか、だからチヅルは巫女に成りたくないのか?

 うん?どうじゃ??」


 チヅル:「うん、だって悪魔怖いもん。巫女、嫌!!」


 なかなか上手に聞き出せましたね。

 案の定の答えが返って来ました。


 そしてチヅルちゃんのこの態度に驚いたのがマイヅルです。


 マイヅル:「・・・チヅル、どうゆうこと・・・??

 巫女に成りたくないなんて・・・はぁぁぁぁぁぁ・・・」


 チヅルちゃんの『巫女、嫌!!』に衝撃を受けるマイヅル。

 激しい動揺から立ちくらみを起こし、もうフラフラです。 

 そうマイヅルは深く傷付いてしまったのです。

 だって巫女には、姉オリヅルとのかけがえのない思い出があるのですから。


 では説明しよう!

 今亡きマイヅルの姉オリヅルは白猫の姫君であったので、当然巫女でした。

 マイヅルが物心がついた頃、四つ年上のオリヅルは、既に民の為、巫女の務めを果たしていました。

 神楽舞を舞い、天使に祈願や、お供え物をしていました。

 そんな姉の姿にマイヅルは誇らしさを感じていたのです。

 ですからマイヅルは、娘であるチヅルちゃんが巫女として務めを果たす日を心待ちにして来ました。

 そして今、その夢が儚くも覆されそうなのです。

 以上。説明終わり!


 


 クジャク:「母上、大丈夫・・・??」


 大・大・大好きなママが苦しんでいる姿に居ても立っても居られないクジャク。

 マイヅルに駆け寄ると抱き付き、心配そうに見上げてきます。


 マイヅル:「あぁぁぁクジャクゥゥゥ、うぅぅぅぅぅぅ・・・クジャクゥゥゥゥゥゥ」


 心配そうに覗き込んでくる愛する我が子に、もう涙腺は崩壊するのであります。

 そんな可哀想なマイヅルは、抱き付いて来たクジャクに身を任せる形で何とか立ち続けるのでした。

 国母の意地でしょうか?

 いえいえ、母としての務めを果たすためです。

 マイズル、ガンバ♪


 ここに来てようやくクジャクは今回の件について色々と考え始めます。

 この子は存外賢い子なんですよ。

 勿論、【天使の加護】による能力値の底上げはいがめませんが、素のクジャク自身の能力もなかなかのものです。

 ただこの度は【天使の加護】の影響力で物事が運ばれるんですけどね。てへ♪


 クジャク:(あぁぁぁ母上が泣いている。

 母上ぇぇぇぇぇぇ・・・・・・

 どうにかしなくちゃ・・・!!

 うぅぅぅぅぅぅん・・・あれあれあれれぇぇぇ・・・????)


 


※※※



 クジャクの能力について確認しておきましょう。

 クジャクに与えられた【天使の加護】の力は絶大です。

 過去に【猫の国】に存在した勇者を軽く凌駕するスペックが与えられています。

 クジャクを出産した際のオリヅルの死は伊達ではありません。

 クジャクは特別な存在なのです。

 そんなクジャクの【天使の加護】の一つがマルチタスクです。

 そうクジャクの頭脳には人格を持たないクジャクが複数人存在します。

 その人格を持たないクジャク達が、チヅルちゃんと交信した際(イチャイチャ見つめ合った際)、情報の共有と処理を全自動でおこなっていたのです。

 そう即ち巫女教育を受けたことのないクジャクなのですが、先のチヅルちゃんとの交信により、勇者としての使命を理解してしまっているのです。

 あとはそう人格を持たないクジャク達は、状況に必要が生じれば本体となるクジャク本人に行動を促します。

 そしてそれがちょうど今だったということです。

 以上。確認終わり!



※※※




 クジャクの頭の中に突然パッと表れた勇者のイメージ。

 そして、これまたパッと閃いたこの問題の解決策とは?


 クジャクはゆっくりとした動作で大・大・大好きなママのもとを後にすると、

 これまたおもむろにチヅルちゃんに近づき、その両肩にお手てを置いた。

 皆の視線がクジャクに集まる。


 だがしかぁぁぁしッ!!

 何故かこんな時までも超熱々な眼差しで見つめ合うクジャクとチヅルちゃん。

 ほんとこの変態兄妹は少しは場をわきまえなさい。メッ!!


 なんちゃて♪

 なんと実は交信をしています。

 ここ大切なので繰り返しておきましょうね。

 今、クジャクとチヅルちゃんは交信をし、何かしらの処理をしているようですねぇぇぇ??どれどれ・・・。


 クジャク:「チヅル、僕がチヅルの勇者になるからさ。

 チヅルは僕の巫女になってよ」


 チヅル:「うん、分かった!!」


 えっえぇぇぇッ!!

 チヅルちゃん、あんなに巫女に成るの嫌がっていたのに?

 これまたあっさり承諾しちゃいましたね?

 どうして?どうしてなのぉぉぉ!!??

 これで問題解決?解決なのぉぉぉ!!??

 はい♪解決であります。てへ♪

 



※※※



 では説明しよう!

 チヅルちゃんの【天使の加護】はクジャクのサポートに特化した仕様です。

 よって今回のように勇者であるクジャクから、巫女であるチヅルちゃんへ【天使の加護】のシステムを介し、なおかつ正当な依頼が行われた際、個人の意志に関係無く【天使の加護】に組み込まれたプログラム通りの返答をします。

 よって今のチヅルちゃんは進んで承諾したのではありません。

 【天使の加護】の力により、ある意味強制的に承諾したのです。

 勿論、一連の因果関係をチヅルちゃん自身は認識していませんが、今はクジャクの巫女に成れたことを心から喜んでいます。

 以上。説明終わり!



※※※




 あっけに取られるケンビシとマイヅル。

 余りにもあっけなく、そう余りにも簡単にチヅルちゃんが巫女になることを承諾したものだから、

 えぇぇぇッ!!??となっている。

 うんうん、分かります。分かりますとも。

 チヅルちゃん、ちょっと調子良すぎて、普通なら思いますよね?ねぇ?ねぇぇぇ??


 ケンビシ:「なんだなんだチヅル?

 ずいぶんと簡単に引き受けてしまったが?

 そなた巫女に成るのじゃぞ?

 分かっておるのか?」


 ごもっともな質問です。

 マイヅルも余りにものどんでん返しに目をぱちくりさせています。


 チヅル:「うん、分かってる。

 チヅル、兄上の巫女になるの。

 だから巫女のお勉強もちゃんとするよ」


 ケンビシ:「ほぉぉぉ、チヅルは偉いのぉぉぉ。

 これからは巫女のお勉強をちゃんと行うなんて、偉いのぉぉぉ。

 どれ、父が頭を撫でてやろ。

 (あぁぁぁ良かった!!これで一件落着じゃな)」


 チヅル:「いい!!兄上に撫でてもらうから、いいの!!」


 ケンビシ:「チ・チ・チヅルゥゥゥゥゥゥ~??

 (えぇぇぇッ!!パパ嫌われる事した!!??しちゃったのぉぉぉ!!??)


 いえいえ、チヅルちゃんはちっとも怒っていませんよ。

 これが平常運転であります。

 だってぇ~天使達がちょっと危ない子て言っているチヅルちゃんでありますから、ねぇ~♪




 この時、チヅルちゃんに生じた事を知る者は、もはや天使達のみだったであろう。

 そうチヅルちゃんの【天使の加護】が誤動作を始めたのだ。

 本来有事の際に動作し始めるプログラムのスイッチが入ってしまった。

 よって今のチヅルちゃんは、もうクジャクしか見えていません。


 えっそれって??今迄と変わらなくない??

 あぁぁぁそう言われてみればそうかも・・・??

 チヅルちゃん・・・怖い子・・・。

『Angel SOS』をお読み頂きありがとうございます。

さぁぁぁサクッとブックマークと評価もちょちょいのちょいといちゃいましょう♪

そうそう感想も一言でいいんです。良い、ダメ、分かんない、等々感じたことを書いてみてください。

今後とも『Angel SOS』をよろしくね♪てへ♪

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