第32話 悪魔の伝承①
『Angel SOS』をお手に取って頂きありがとうございます。どうぞごゆりとお楽しみください。
時はアドリエルが召喚される8年前の春。場所は猫の国。クジャク8歳の物語。
うららかな春のとある日、【猫の国】のお城では何やら会議が行なわれているようです。
【猫の国】の君主でクジャクの父でもあるケンビシと、家臣である猫武者達が何やら話し合っているようですねぇ~どれどれ・・・。
ケンビシ:「クジャクはそんなに凄いのか?
(クジャクゥ~パパ嬉しいぃ~)」
マサムネ:「殿、若の身体能力には目を見張るものが有りますぞ!
柔道の受け身などもう達人の域ですな!」
ビドウ:「うん、うん、心強い限りですね、殿!!」
ケンビシ:「ほぉぉぉで、魔法の方も腕が立つようじゃが、どうじゃ?
(ワシの息子、凄くない!凄くない!)」
威厳を保つ為、あくまでもポーカーフェイスを貫くケンビシ。
こやつなかなか心得ておりますな。
ビドウ:「はい、それはもう凄いのなんの!!
火、水、風、雷、身体強化、回復と一通り使えます!!
8歳で全属性の基本を押さえるなど、人跡未踏ですぞ!!」
ケンビシ:「そうかそうか。
(えぇぇぇッ!!魔法も完璧なのぉぉぉ♪ワシの息子最強じゃん!!
パパ・・・うれぴぃぃぃ♪)」
あらあらケンビシたら、お口がピクピクとにやけていますよ。クスクス♪
マサムネ:「おぉぉぉ若は既にそこまでの使い手とは、恐れ入りましたわ!!
『わっはっはっはっはっぁぁぁッ!!』
安泰安泰!!
これは将来素晴らしい猫武者となりますぞ!!」
ビドウ:「同感ですッ!!
若は文武両道!!性格も温厚で言うことなしッ!!と、【猫の国】の将来は安泰です!!」
『『『わっはっはっはっはっぁぁぁッ!!』』』
皆で顔を合わせ高らかに笑う。
天下泰平の【猫の国】は今日も平和である。いいことです。
ビドウ:「時に殿、【モテモテ主人公大作戦】はどうなっておりますか??」
皆さん覚えておられますか?
【モテモテ主人公大作戦】?
クジャクを国一番のプレイボーイに育て上げる国家プロジェクトの事ですよ。
マイヅルの指導の下、数々の教育プログラムがクジャクに施されて来ました。
今のクジャクなら余裕で主人公いけちゃうかも♪てへ♪
※注記:詳細は『第27話 クジャク初めてのお出かけ④』をご参照ください。
ケンビシ:「おぉぉぉマイヅルが立ち上げたあれか?あれな??
『ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは・・・・・・』
(不味いぞ、不味いぞ、不味いぞぉぉぉ!
クジャクが女の子を席巻し国民的なアイドルになったあれじゃな。
マイズルよやり過ぎじゃぁぁぁ!!
その事で男の子達が凹んでいるなんて、どうして言える!!
あやつら町娘を篭絡しどうするつもりじゃ?
もっもっもしやぁッ!!??
マイヅルめ、クジャクのため、ハーレムを作る気ではあるまいな??
こ・こ・これは問いたださねばならぬな!!)
では説明しよう!
クジャクは、希少な白猫で、しかもオッドアイで、イケメンで、背も高く、家柄も最高。
よって悪女に唆されないため発足されたのが【モテモテ主人公大作戦】である。
クジャクを溺愛するマイヅルならではのアイディアでした。
そして、当初の目的はクリアーされたかに見えたのだが、が!!??
あっちゃ~♪むっつりスケベなクジャクがね、城下に繰り出しては町娘達と遊び歩くわけよ。
こやつむっつりスケベだけあって、女性へのサービス精神が極めて旺盛。
女性を喜ばせる事に大きな人生の意義を感じています。
まあ主人公だしぃぃぃ、一国の王子だしぃぃぃ、百歩譲って良いとしましょう。
だがしかぁぁぁしッ!!
そう、お約束の展開は避けては通れませぬ。
こやつ【イズの都】の女性に片っ端からいい顔するものだから、熱狂的なファン(女性)が出来るわ出来るわ。
今ではケンビシが言う通り『女の子を席巻し国民的なアイドルになった』のである。
そうなると問題は男の子達です。
思い人を取られ、嫉妬の炎を燃やしております・・・オーマイゴッド!
以上。説明終わり!
「「殿??」」
見るからに慌てふためくケンビシを心配する家臣達であった。
これっていわゆるあれですかねあれ?
主人公・・・凶悪説・・・。
クジャク、【猫の国】を分断へと誘うのか?
※注記:本作品はあくまでもコメディーです。バイオレンスではありません。
ケンビシ:「うむ、なんじゃ、今度マイズルに報告でもしてもらおうかのう・・・。
(クジャクも白猫、スケベはオリヅル譲りかぁぁぁ血は争えぬのう。
これは早急に手を打った方がよさそうじゃな。
許嫁を決め身を固めさせるかの)」
色々と熟考するケンビシであります。
一国の君主は大変なのであります。
でもでも、あれこれ考えてばかりもいられません。
目の前に居る家臣達が心配そうにケンビシを見詰めています。
今は会議中でしたよね、ねぇぇぇケンビシ?
ケンビシ:「おぉぉぉぉぉぉ、すまんすまん。つい考え込んでしまったわ。
『わははははぁぁぁ』
そうじゃな?チヅルはどうなっておるのじゃ?チヅルは?
(クジャクの件は後ほどマイヅルと相談じゃな)」
ビドウ:「殿、姫も非凡な才能を発揮しております!!」
ケンビシ:「えっ・・・おおおそうかそうか、続けてくれ。
(もうチ・ヅ・ルゥゥゥ、パパ、ビックリだよぉぉぉ。
チヅル、お兄ちゃんにべったりで、ちっともパパとお話ししてくれないから、知らなかったよ。
パパ・・・かなちぃぃぃ『ぐすん』)
あらあら、パパさん可哀想。
皆んさんのお家ではパパを敬ってあげましょうね、ねぇぇぇ♪
それにしてもチヅルちゃんてやればできる子だったんですね。見直しました。
ビドウ:「姫の回復魔法への造詣は目を見張るものがあります!!
とにかく知識の吸収が早い!!
応用も独学でどんどん発展させて行く能力があります!!
今は回復魔法にしか興味が無いようですが、まだ幼いですし、先が楽しみです!!」
マサムネ:「うむ、回復魔法か。
癒し手はいくらでも欲しい人材。
ゆくゆくは病院に勤めてもらえれば万々歳ですな」
ビドウ:「姫なら、日常生活で起きる程度の怪我や、流行り病位なら、もうじゅぶん治療できますよ!!」
マサムネ:「なんとそれはまことか!!??
なんとも心強い限りじゃな!!
殿!!若といい、姫といい、実にご立派!!
マサムネ、感服致しました!!
『わっはっはっはっはっぁぁぁッ!!』」
ケンビシ:「うむ・・・!!
(いやぁぁぁ聞いといて良かった・・・!!
知らぬ存ぜぬでは示しが付かないからな)」
ほっと胸を撫で下ろすケンビシ。
国の未来が明るいことに安堵するのでした。
だがしかぁぁぁしッ!!
そうは問屋がおろさないのが、この物語です。
コメディーの宿命であります。
ビドウ:「殿!!実は、お耳に入れて頂きたい事が!!」
ケンビシ:「うむ、申してみよ。
(えぇぇぇッ!!ビドウ、何?何?何?何か不味い事あった!?
あちゃ~聞きたくないなぁぁぁもぉぉぉ)」
ビドウ、社会人的に悪い報告は先に、それも速攻で報告すべきです。
もう駄目ですよ。メッ!!
まぁ~それはさておき、何があったのかなぁ~?どれどれ・・・。
ビドウ:「姫の事です!!」
来たぁぁぁッ!!??
来ちゃったぁぁぁッ!!??
これってお約束の展開?
もちのロンであります。お約束お約束♪
気になる展開はこの後すぐ。
『Angel SOS』をお読み頂きありがとうございます。
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