第27話 クジャク初めてのお出かけ④
来てくれてありがとぉ~♪
ゆっくりしていってね♪
時はアドリエルが召喚される13年前の夏。場所は猫の国。クジャク3歳の物語。
な・な・何とぉーーッ!!
【僕好き嫌い言いません。更生大作戦】はクジャクの一人勝ちで幕を閉じました。
そうなんです。クジャクもどうのこうの言って三歳の幼児だったということですね。
過度の期待もあっけなく裏切られることとなりました。
まあ健全な物語を目指しておりますので順当でしょう。
どの口が言うのか?です!
まぁ~それはさておき、クジャクは今どこにいるのでしょうか?
はい♪正味徒歩1分の帰路についていますよ。
大好きなママ(マイヅル)にお手てをつないでもらいながら、親子の語らいを楽しんでいます。
マイヅル:「楽しかった?」
クジャク:「うん、楽しかったぁ~!!
ねぇ~母上ぇ?またムツキちゃんのお家に遊びに行こうよぉ~?
ねぇ~ねぇ~母上ぇー!?」
マイヅル:「勿論よ、また連れて行ってあげるから、心配しないで」
クジャク:「わぁ~い!!嬉しいなぁ~!!明日も来ようよぉ~!!
またあの綺麗なお姉ちゃん達に会いたいなぁ~。
あっでも!?明日もあのオッパイの大きなお姉ちゃんいるのかな??
どうしよぉ~!?
母上ぇー!オッパイの大きなお姉ちゃんのお家知ってる!?」
あぁーーどうしよう、と目をぱちくりさせるクジャク。
この世の終わりと言わんばかりの慌てぶりです。
そりゃぁもぉ~大慌てさ♪ニャン・ニャン♪
もうお分かりですよね?
美味しかったスイーツの事には一切触れていません。
そりゃあマイヅルも薄々とは感づいちゃいましたよ。
でもねぇ~この子たら、完全に篭絡されているではありませんか。
では状況を整理しよう!
元々の目的は、なかなか乳離れしないクジャクに同年代の幼児と会食をさせ、食事に慣れさせることでした。
間違っても色気に翻弄される為ではないのですが、はい♪もう完全に陥落させられてますね。
幼児のくせに団子より色気にやられるとは、なんとも情けない。はぁーー・・・。
以上。状況を整理終わり!
こうなってくると一つの疑問が生まれます。
いったい誰に似てクジャクはこんなにもスケベなのでしょうか・・・と?
答えは風の中?
いえいえ♪クジャクは、生みの親であるオリヅルに似たのであります。
そうなんです。【猫の国】の白猫さんの娘は、ド・スケベで、ド・Mで、ド・変態と危ない子達ばかりなんですよ。てへ♪
なおマイヅルは、姉であるオリヅルの性癖については関知していません。
自分達の母親ならいざ知らず、四つ年上の姉の性癖ですからね。いくら仲良し姉妹とはいえこんなものでしょう。それに彼女達は良家の姫君なのですからなおさらです。
というわけで、マイヅルは今回の件で大変悩まされることになります。
ですから、綺麗なお姉ちゃんの事であたふたするクジャクを見みて思うのです。
この子をこのままにしておいてはいけない・・・と。
ここ大切なので繰り返しておきましょうか?
この子をこのままにしておいてはいけないんだよぉーー!!
このままだと国家転覆あり得るかも??です!!
ライトノーベルでよくあるあれです・・・あれ・あれ!!
そう・・・バカ王子!!
実はマイヅル、クジャクを連れて行ってあげたい処が沢山あるんですよね。
マイヅルは思うのです。
そう・・・。
魚屋さんで、イワシの刺身を食べさせてあげたい・・・と。
(小さな子に生ものはちょっとね。あぁ~でも猫ちゃんだから大丈夫なの?)
お好み焼き屋さんで、もんじゃ焼きを食べさせてあげたい・・・と。
(マイヅルの味付けだと少し濃い口かも?小さい子は薄口じゃないと・・・ねぇ~?)
ラーメン屋さんで、あっさり塩ラーメン・アサリ風味を食べさせてあげたい・・・と。
(最近のママさんは小さな子にラーメン食べさせちゃうだ?いいのかなぁ~?)
乾物屋さんで、ふ菓子を食べさせてあげたい・・・と。
(黒蜜がかかった甘いやつですよね?いいんじゃないですか)
お蕎麦屋さんで、とろろそばを食べさせてあげたい・・・と。
(小さい子が好んで食べるものじゃないでしょ?大人と幼児では味覚が違いますよ)
定食屋さんで、とろとろ親子丼を食べさせてあげたい・・・と。
(卵料理なのでOKですかね?猫ちゃんは猫舌だからフーフーしてから食べさせてあげてくださいね)
お菓子屋さんで、ニッキの水飴を食べさせてあげたい・・・と。
(ニッキ、シナモンのことですよね?小さい子には刺激が強過ぎるのではないでしょうか?)
お肉屋さんで、ほかほかコロッケパンを食べさせてあげたい・・・と。
(いいんじゃないですかコロッケパン、美味しいですよね)
ここに上げたものは全て・・・そう全てがマイヅルの好物である。
庶民的とは聞いていましたが、ほんと庶民的な方なんですね。
だがしかぁーーしッ!!
行く先々で待ち構える看板娘達にクジャクが陥落させられてはたまったものではありません!
そうなんです。【猫の国】は可愛い子ちゃんだらけなのであります。
そうここ【猫の国】は二次元の世界が実現する・・・まさにパラダイス!!
我ら皆が憧れた理想郷だぁーー!!
あぁ~猫耳万歳!!
ハイルロリ!!
ハイルロリ!!
ハイルロリ!!
うっおぉーー!!
だからマイヅルは考えるのです。
今のクジャクでは飛んで火にいる夏の虫。
大切な跡取り息子であるクジャクのもとへ嫁入りを希望する者は星の数ほどいることでしょう。
それにこの物語、ファンタジーで、コメディーで、猫ちゃんですからね、ある意味なんでもありかも?
よって対策を練らねばッ!!うっむぅーー!!??
マイヅル:「(これはもう特訓ね!!大演習作戦よ!!国家プロジェクト立ち上げるわよぉーーッ!!名付けて【モテモテ主人公大作戦】発動よぉーーッ!!
母が貴方を最高のプレイボーイに育ててあげる!!最高の将来を約束するわ!!)
うっふ、うふふふふ~♪クジャクゥ~愛してるわぁ~!!
あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは~!!」
城門の目の前で魂の雄叫びを上げるマイヅル。
母の愛情はどんな山よりも高く、どんな海よりも深いのであります。
クジャク:「・・・母上??」
マイヅル:「あっ!!オホホホホ~♪
おっほん、よいですかクジャク?母は決心しました。貴方を最高の跡取りに育て上げます。
だから明日から特訓よ・特訓♪」
クジャク:「えぇーーッ!!??何それぇーー!!??
ムツキちゃんの家に遊びに行かないのぉ??」
マイヅル:「オホホホホ~♪男の子はレベルアップが大切なのよ。母を信じて頑張りましょう」
クジャク:「えっ~でもう・・・??」
マイヅル:「大丈夫・大丈夫、母にまかせなさい♪」
こうして【モテモテ主人公大作戦】が発動されるのであります。
母は強し・・・合掌!!
読んでくれてありがとぉ~♪
また来てね♪