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学園生活から半年が経とうとしている。俺の当初の目的ではひたすらにモブに徹するはずだったが、急遽予定変更する必要があった。
「やぁ、フリーライトおはよう。」
「あぁ、ヤマトおはよう」
お分かりの通り、原作主人公とは友達になってしまったのだ。だって仕方ないじゃん!なんかあっちから絡んできたんだもん!
理由を聞いてもなんとなくって返ってくるし!もうわけわからんわ!
「にしてもフリーライトの魔法はすごいね。よく、あんなに早く習得出来るよ」
「まぁ、想像力なら誰にも負けない自信があるからな。俺の想像力を使えば女性の裸まで容易に想像出来るぜ!」
この世界でも魔法の類は存在するが俺が魔法を楽に使えるのは、まぁ強いて言えば年季の差かな。
お前らとは過ごしてた時間も時代も違うし、何しろ魔法は魔術の下位互換っぽいからな…
「ねぇ、フリーライト。なんであんたはそう変態的なことをよく簡単に言えるわよねぇ。ねぇ?」
「あの、頭が痛い!痛いんで離してもらってもよろしいでしょうか?潰れる!潰れちゃうから!ごめんなさい!本当にごめんなさい!アキラ様!」
俺を今アイアンクローしているのは幼馴染?であるあのアキラである。こいつは言葉遣いや容姿が幼少期とはまったくもってかけ離れて女性っぽくなってしまったが、力だけはゴリラっぽくっていでででで!
「なんで余計に強くしたんですか!痛い痛い!ミシミシいっておりますから離して!」
「なんかあんた私に失礼なこと考えなかった?ねぇ?」
ふざけんな!エスパーかよお前は!
「いつも通りだねぇ。」
お前は傍観してねぇで助けろよヤマト!
「まぁまぁ、アキラちゃんその辺にしておいてあげて。もしもフリーライトがソンナコトしてるとしたら私がお仕置きしとくからさ。」
「ミナカがそういうんならわかったわよ。」
俺はやっと痛みから解放された!ありがとうございます、ミナカ様!感謝永遠に!
お詫びにあんたの裸でもそうぞ……う
「ねぇ、フリーライト。私は別にいいけど、他の人にはやっちゃダメだからね。」
だからなんでわかんだよ!あんたら変態かよ!怖いわ!
この半年でなんだかんだ疎遠になっていたはずのミナカとさえも絡むことが多くなってしまった。なんか時々こっちが恐々としそうな目を向けてくることがあるし、怖いんだけど……
あれもこれも全てヤマトがこっちに関わってきたからだな。許すべしヤマトめ!
「なんか急に寒気がするんだけど…」
「気にすんなって。なんかあってもお前が後ろから刺されるだけだろ。」
「それが一番怖いんですけど!」
大丈夫だよ、刺すとしても俺だし。手加減しといてやるからさ。