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クソ神に転生させられて7年が経ち、今の俺は8歳になった。今のところクソ神からの干渉もなく、日常を送っているが、何かされるかもしれないため、何があってもいいようにこの体の親に隠れて鍛錬はつんでいる。
転生させられてから今日までに学んだ大きな収穫としては、今回の転生は完全に地雷であった。
なぜかというと………
「フリーライト、もうすぐご飯よ。」
「んー、分かったー!ママ」
このフリーライトというのはなんの変哲のない俺の名前であるが、俺の中では非常に違った意味を持つ。
なんと、俺がハマっていたギャルゲー通称「ゆるあい」での親友役と同じ名前であるのだ。
ギャルゲーの内容は最初は戦闘が少なめの日常パートであるが途中からはごりっごりの戦闘パートへと変更する。
太鼓の昔に封印されていた邪神が復活するのだ。その予兆として魔物が急に統率が取れるようになっていたり、四天王と言われる存在が主人公とその攻略対象に襲いかかってくるというおまけ付き。
しかも邪神の対処法としては再び封印をしないといけないが攻略対象全員と主人公でやらなければできないという鬼畜っぷり。つまり誰かが死んだり、仲が悪くて協力してくれなかったりしたら即game overなのである。
なんで邪神の封印をそいつらがやらなければいけないのかというと、封印を施した人たちの先祖返りが彼女たちだからである。だからこそ邪神に狙われる原因なのではあるのだが…………
な?ご都合主義だろ?
まぁそんなことはどうでもいいのだ。問題はフリーライトである。
ただの親友役であればまだ気にはしなかったが、原作フリーライトは途中で四天王に甘い言葉で誘われて魔物となり、主人公に襲いかかるのだ。しかも元に戻すことは不可能で、殺すしかない。
……親友役とは?
そしてメインキャラ以外の扱いの酷さよ……
だからこそ俺はどんな逆境も跳ね返す力を身につけなければいけないのだ。
フリーライトが死ぬ場面を逃れたとしても邪神にも勝てるような力を。
幸いにも俺には前世の知識とさまざまな経験、神に見逃されて継承されている能力などがある。強くなることはそれほど難しくは無いと思う。
そして今でも問題になる親友役の役割についてはもっと簡単である。役目を果たさなければいい。
……だってそうだろ?どの道親友役の主な仕事といえばただ好感度をわかりやすくメーターで表すだけだったし……
ここはゲームであってゲームでは無いのである。分かりにくいが、親友役は別にいなくてもやっていけるのである。つまりはそういうことである。
俺は、俺のやりたいようにできるのである。
「ママ、今日のそぼろご飯もとても美味しいよ!」
「そう?そう言ってもらえてママも嬉しい!」
自由って最っ高!!