5話 混血達の邂逅 Ⅴ ~凍てつく貴女に口付けを~
序章の5話です。
これで序章はエンドです。
どうぞ、お楽しみに!
氷のキバと書いて【氷牙】。
鋭い氷柱が発射され3人に襲い掛かってきた。
「ウワウワウワァァァァ!なんかミサイルみたいなの来てるんだけどぉ!?」
「くっちゃべるんじゃねぇぞ?黙ってろ!」
「アレ位なら…造作もないっ!」
ルナは風を纏いながら半径3メートル以内に入ってきた氷柱を粉砕していった。速度落とさず目的地まで直行している。
かく言う真来はお得意の左目に宿る《未来視》によって致命傷を避けている。この“氷牙”と呼ばれる投擲攻撃、先端の鋭さと高速で打ち出される事から人体を貫くことなど訳ない。だから、一発でも当たれば即致命傷になる。
だからこそ彼は避ける事が出来る。
(自分の命に関わる事が起こる事前に自動的に発動…突発的で起こった出来事を客観的に視て取れるけど…あんまり気分が良くないけどなぁ。それに俺の力は扱い難い制御系じゃないけどそれはそれで面倒臭いもんなぁ~そもそも俺の目は視るだけ。運命操作とか出来たら良かったけど、それは十分チートだし…それに―――)
彼の左目が怪しく光り未来の自分の姿のビジョンを見る。それから自分の殺られ具合、傷痕から逆算し推測して氷牙の軌道からギリギリ避けている。
(未来は…自分の手で変えなきゃ意味はないっ!)
そして彼らは致命傷を受ける事なく【氷牙】の魔の手から逃れられた。そして人気のない廃品置き場で彼らは着地した。
その間、悠太は騒がしかった。
「さてと、来てはみたけれど…対処法とかないの?」
「手っ取り早いのはアイツから“呪具”取り上げるか破壊して力の供給を止めてから当て身?でも―――」
そこで真来は言葉を区切ってから戦闘態勢に入った。同じくルナも嫌な寒気を感じて真来と同じ方向を向いた瞬間に風を纏い戦闘態勢に入る。だが、未だに空のデンジャラスなフライトのせいで目が回っている悠太は情けなく経垂れ込んでいる。
この廃品置き場でもじめじめとした強い雨が降り注ぎ、そして前方からは周囲のものが悉く凍りついてしまう程の冷気を放ちながら連羅が歩いてきた。それも…もの凄い殺気を放ちながら。
「アレに近付けたらの話しだがなっ!」
予備動作なしで真来の右手から勢い良く放たれた魔力弾は連羅に近付く前に霧散してしまった。
「チィ!魔力も対象内かよ…ぶっちゃけ魔術適性皆無の俺が唯一使える魔力攻撃手段なんだけど…」
「ハァ?アンタ悪魔の癖に魔術の適性無いの?」
「ウッセーナァ!悪魔だって人と同じで向き不向きがあんだよっ!中には空を上手く飛べない悪魔だっていんだよ!テメェもさっさと攻撃しろっ!」
「―っ!分かってるってのっ!【旋風閃】!」
彼女が右手を振り翳すとそこから放たれた衝撃波が風を帯びて勢いを増して連羅に襲い掛かる。だが、連羅は一瞥もせずに【旋風閃】の前に氷の壁を生み出して相殺させた。
諦めずにルナは両手を振りかざして【旋風閃】を連続で放ったが結果は同じ、氷の壁が複数展開して連羅を守る強固な盾としての役割を果たしている。
「うわぁ!思った以上に氷って便利過ぎ…」
「マンガにも、ドエスな氷の能力使いの女キャラがいたよな。てか仕舞いには時を止めてなかったっけ?次いでに、どっかのやたらとテンション高い人をモンキー扱いしてる吸血鬼も何チャラ冷凍砲とか使って人を瞬く間に凍らせてたし…てかソイツも敵の体借りて復活した際に時止め能力開花したよね?何?何なのっ!ラスボスって時止めとか氷使うの大好きなのっ!?ザッケンジャナイワヨッ!」
「気持ちは分かるがホドホドにな…」
現に、今の真来は不敵な笑みを浮かべる処か口を歪ませている。目が笑っていないのだ。ガチなのだ!
(てかさぁ~氷使いにはロクなヤツがいないってのが相場なんだよ!すぐ半裸になったりすぐキレたりドエスだったり果てはブラコンだったり…とことんクレイジーなのが多い気がするのは俺の気のせいじゃないよね!現に、クレイジーな女が冷気放ちながら襲い掛かって―――イヤ…悠太とルナに…か?じゃあ俺、逃げてもいいんじゃね?)
そしたら口角も上がるに上がって―――
行くほど真来も考えなしじゃなかったのだ。
(まっ…それが出来たらここには居ないか。一歩ずつだが確実に、俺らの周囲を氷で囲んでいる。人気がない所なら暴れ易かったんだが…それはどうやら相手の方だけらしい。俺らの背後には廃品の山、前方には怖い怖い連羅のお嬢ちゃん。多分…今逃げたら間違いなく標的にされる…アイツはその気になれば俺らを氷で即拘束出来る筈。それをしないってのは可能性として…)
無駄だと分かってても魔力弾を打ち続けて連羅との距離を取る真来。それが悪足掻きだと知ったとしても。ルナも同じく続いて【旋風閃】を放つ。だがやはり氷の壁によって防がれてしまう。
(あえてしなかった?それはない。そんなのしない理由が思い付かない。アイツだったら邪魔者である俺らを直ぐにでも氷付けにしてから悠太を拘束する筈だ。余裕ぶってる…訳でもないしなぁそんな色は見受けられない)
悉く魔力弾は彼女に被弾する前に凍り付き霧散してしまう。その手際の良さを称賛したい所だが、今はそんな余裕がない。だから、次の可能性を考える。
(やっぱ範囲の問題か…アイツは空気中の水分を瞬間的に凍らせて氷を形成してやがるな。幸い彼女の周囲には雨が降り注いでいやがる、水分には事掻かない。そして自分で形成した氷は自在に操作出来る。そして彼女の周囲には自身を守るように冷気が解き放たれている。その効果範囲は半径十五メートル辺りか…そこは妖力が増幅された事で範囲が通常より倍増したと見られるなぁ。今の俺らと奴の距離はざっと三十メートル其処ら、足止めしてるが無意味だし、ゆっくり来てるとしても五分もしない内に俺らは彼女の効果範囲の中に足を踏み入れちまう。今の俺らは雨に濡れてビショビショだ。アイツにとっても凍らせるには好都合だろう。乾かすにしてもルナの風じゃ無理がある、このままアイツに氷付けにされるのを黙って待つのかよっ!)
流石の真来もこんな状況でポジティブシンキングが発動する程、神経は図太くない。それなのに未だに状況が解らずアタフタして命の危機っていう実感が湧いてない悠太の様子を見ていると無性に腹を立ててしまう。
「オマッ―悠太っ!…………ッ!?」
(元はと言えばお前が…いや?待てよ………)
だが、そう。
それだっ!
(なんだよぉ~~~っ!この作戦なら舐めプだ舐めプッ!後は…悠太次第だな)
「おいルナ、ちょっと作戦あんだけど…乗るか?」
「えっ?アンタ…真来―――」
イキナリの名前呼びで少しビックリとしたルナだが、真来の顔を見た時に彼女は目を見開いたのだ。
(なんて…悪い顔!?これって…何か企んでる顔よね。信用出来るかしら?うぅん!でもでもでもっ!このままやられっぱなしは嫌だわ…)
「チッ!癪だけど…乗ってやるわ!聞かせなさいっ!」
その返事を聞き、真来はいつもの様にニタリと笑ってから元気よくこう返した。
「へっ!そうこなきゃなぁ!」
*
「じゃあ、作戦通りに…悠太は魔力を溜めとけ!溜めとくだけでいい。それ以外、難しい事は考えるなっ!」
「わ、分かった。それで…委員長の暴走が止まるならっ!」
「じゃっ…手筈通りに」
「はいはい…しくじらないでよね!」
悠太は両手を胸に当てながらゆっくりと深呼吸をして魔力を少しずつ解き放っている。彼の魔力制御は他の悪魔と比べると目劣りする程下手くそで、真来でも使える魔力弾も上手く生成出来ない程だ。だが、彼のペースでゆっくりとなら大きな魔力を要する力も使えなくはない。
だが、ゆっくりなのだ。ホントに…結構ゆっくりなのだ。今回のこの場面打破の為には悠太の力が不可欠だが、如何せん悠太の慎重さ故の他の人ならイライラする程に…魔力を溜めるのが遅いっ!
「ゆっくり…ゆっくり…慎重に…ふぅ~」
ざっと“10分”
悠太が、魔力を最大限放出するまでに掛かる時間が10分もいるのだ。それに対して連羅が放つ冷気の効果範囲に入って3人が氷付けになるまで約5分弱。
真来は悠太の力に賭けて残りの5分を命懸けで作ろうと画策したのだ。
「道は私が作るっ!【神風・螺旋】っ!」
ルナはもう残り少ない聖力を使い渦状の風を両手から生み出し連羅に真っ直ぐ向かって放った。風の力を一点集中した甲斐があり連羅の周囲の冷気を取り払う事には成功し、少しだけだが風の余波が連羅の態勢を崩した。
「はぁ~後ざっと二~三分っ!しゃーねぇから俺が稼いでやりますよ。…まぁ難しいけどさ!」
よろめきながらも立ち上り冷気を再展開しようとしている連羅だが、畳み掛ける様に真来は魔力の全てを自身を包む装甲の様にして纏い余剰魔力で翼を展開し、一気に距離を詰める。
魔力の層で守られているから少しばかり冷気に触れても平気で行動していられる。そうして連羅の前まで迫った真来は焦りを隠せてない連羅の一瞬の隙を付き背後を取った。
「―――っな!?」
「ハイハァ~イ♪羽交い締めぇ!」
「―――っく!?離してっ!この、穢らわしいっ!?」
「まぁ好きでもない男に羽交い締めは、嬉しくもないのは理解出来るさぁ…俺もお前なんかを抱きたくもないよ。でもさぁ~たまに命懸けてみるのも案外面白い訳なんでさぁ~だ・か・らぁ~後一分だけ、大人しくしてやがれぇ!」
容赦無く首に決めてくる真来。もう既に彼の体が凍り付き始めようとしていた。耐寒機能は働かせているが、寒いものは寒い。それでも彼は離れない。
そして…遂に―――
「全魔力…解放ッ!!」
そう一言。
彼が口にした瞬間に、周囲が揺れた。
これは比喩ではあるが、悠太が放出した魔力の圧力が周囲に影響を及ぼして周囲が揺れている様な錯覚を生み出したのだ。そして魔力が解放されていくのと同時に、悠太の頭にも悪魔の証でもあるツノが生えてくる。
そのツノは対をなす2本の小さなツノだった。
小指程度の長さしか生えてこないツノではあるが、彼が放つオーラは普通の悪魔とは少し毛色が違ったものだった。
そして…彼の目付きも―――
*
久しぶりだ。
とても久しぶりに力を解放した気がする。
良く覚えていないがもう顔も覚えていない母の声が、僕の脳裏に木霊した。
『悠太、お前は“悪魔”だ。それも他の悪い悪い悪魔とはちょっと違う特別な悪魔だ。それは何も混血の悪魔だからじゃないよ。お前には…母さんも、私の両親、ご先祖様達でさえ抗えなかった〈大罪〉が…私達の始祖が犯した“罪”がお前を蝕むだろう。だけど安心しなさい。それでも貴方は乗り越えられるわ。だって…貴方は優しい子だもの。決して力に呑まれないわ…だから―――』
『「優しさを持った良い悪魔でいなさい」』
ホントに…そこだけしか覚えていない。
けど…それだけで十分だった。
だって僕は、良い悪魔になって人を助けるんだから。
眼前には“呪具”に見入られた可哀想な委員長。天津 連羅さんが涅黎によって拘束されていた。その表情はとても悲しそうに見えた。ただ、涅黎の過度な羽交い締めのせいだけではない。
僕は知っている。天津さんはとても良い人なんだと。こんな僕でもあの人の前だったらきちんと話せるし彼女も真摯に答えてくれる。あんなにも良い人を僕は、他に知らない。
それでも今も昔も彼女の顔には変わらず悲しみが見て取れた。過去に何が起きたのか、それは彼女の口から聞くまで僕には知る由がない。それ故に、彼女を悲しませたのかも知れないり
あの人だって、僕らと同じヒトなんだ。化け物なんかじゃなくてヒトだ。だから1人じゃ寂しいに決まってる。だから、僕は助けなきゃいけない。
彼女を孤独から助けよう。
僕は彼女の目の前まで歩いた。例え体が氷の様に冷たくなろうとも歩みを止めなかった。周囲の温度が冷蔵庫よりも冷たくひんやりとしていても…口から白い吐息が出てきても…手足の感覚が消えかけても…歩いた歩いた歩いた歩いた歩いた歩いた歩いた歩いた歩いた。一歩ずつ、一歩ずつ、一歩ずつ、一歩ずつ―――
そしてたどり着いた。彼女と目が合った瞬間に…情けない事に僕は…この後どうすればいいか分からなくなってしまった。
涅黎から僕の力さえあれば委員長を無力化出来るぞと言われ、それには全魔力で挑めって言われたから、言われた通りにここまで来たけど…肝心な事を聞かされていないっ!
「ね…ねぇ涅黎、どうすれば―――」
「チィ、俺が背中押さなきゃダメか?はぁ~後はガァ~~~ンバッ!」
「ちょっ!?きゃ―――」「えっ?―――ンッ!?」
涅黎はいつもの様にニヤニヤしながら、拘束していた委員長からさっと離れたかと思うと今度は委員長の背中をどんっ!と押してから離脱した。そして、呆気に取られた委員長はバランスを崩して僕の方へ倒れ込むように―――
「―――ッンン?」「―――ッン!?」
唇を重ねてしまった。
これは悪意ある事故だった。
史上最低最悪の悪魔により最悪なやり方だ。後で覚悟していろよぉ!
…………なんて思える筈も無かった。
僕も委員長も突然の事で暫くフリーズしていた。
だって………
(初めて…だった!?)(初めて…なのに!?)
お互いにファーストなキスだったんだ。
僕は急に正気を取り戻して彼女から唇を離して委員長の顔を見てみた。すると、お互いの唇から離れた時に彼女の口から透明な糸がつるーんと伸びていた。それは明らかに2人の唇から出来てた唾液の糸。そして、顔を話したら際に見た委員長の顔が妙に色気があって…艶めかしかった。
なんだかイケナイ気分に―――
「ん?あれ、連羅のヤツ…気絶してね?」
「あっ?ホントだっ!い、委員長ぉぉぉ!」
そんな気分はなんのその!
良く良く見てみると…もうこの世に未練が無くなかったかの様な幸せな表情をウカバセナガラ気を失っていたのだった。
「僕、委員長を家に帰してくるね!じゃっ!」
僕は後の事を涅黎達に任して委員長を肩に抱き帰る事にした。委員長の家には何度か勉強会を行った時にお邪魔したことがあったから覚えている。その為僕は真っ先に帰ったのだ。
「ルナさん涅黎っ!また明日ねぇ!」
この後、無事に委員長の家にはたどり着いたが彼女の保護者達に情を上手く説明出来ず赤面したままになって、また彼女が寝言の様に悠太の事を口にした為、有らぬ誤解を生んだかと思えば、『おぉ連羅にも遂に春がぁ!』と狂喜したかと思ったら彼女の看病を悠太がやらされる事になり朝まで委員長と同じ部屋に居る事になるのは別のお話。
*
悠太と別れた後。
「悠太、帰っちゃったか…一応任務終了ね。私はもう帰るけど、アンタは“呪具”ってヤツの回収があるのよね?」
「あぁ!それならホラッ!」
彼は懐から連羅がカバンに仕舞って持っていた水晶玉を取り出してルナに見せ付けた。
「離脱した時にこっそり拝借した。欠伸が出る位に簡単に手に入ったぜぇ~」
「ふぅ~~ん、じゃあさよなら!」
彼女はさして興味なさそうに翼を展開して空へと飛び立っていった。1人取り残された真来は鼻歌歌いながらスマホを取り出している。
(あの子ったら!悠太と連羅のキスでドギマギしてやんのっ!顔に出てやがるぜ。今頃は、ベットの中でモヤモヤと悶々としてるんだろーなぁ)
そんな事を思いながら彼はある人物に電話をする。
「もしもし旦那ぁ!依頼の品はゲッツしましまぜぇ!」
『そうか…なら出来るだけ早く私の元へ“呪具”を送ってくれ。もう報酬は口座に振り込んである。早く浄化しなければ…』
「ヘイヘイ、こっちも色々と報告あるんですよ。それに日付変わっちまったけど、幸い今日は日曜ですから早朝には必ず行きますねぇ~」
『分かった。それじゃあまた早朝に会おう』
そこで通話は終わった。すると次に真来は別の所の電話番号を打ち始めまた別の人物と連絡をする。
「もしもし番長さん。例のクソガキどもには教育してあげましまたよ。『“辺流是火已斗”舐めてると痛い目見るぞ』って!五臓六腑に叩き込んだんで…」
『済まんな。いつもこんなゴミみたいな雑務押し付けちまってよぉ』
「まぁやり甲斐がないのは否定出来ませんが…」
『それじゃあ続け様で悪いが次の仕事だ』
「畳み掛けますねぇ~もう眠たい時間なのに」
真来は思わず苦笑しながら欠伸を我慢し、電話の厳つい声の主と真剣に話している。
『俺が番張ってる暴走集団“辺流是火已斗”の活動を全面的に協力してくれてる俺の兄貴分がさぁ、頼んできたんだよ。あるガキ捕まえてこいってよ』
「へぇ~どんな奴?」
『後で情報は送るぜ、報酬も兄貴の方からたんまりと出してくれるからさぁ、一ヶ月以内に頼むわ!』
「…まっ!リョーカイ!」
真来はそこで通話を切り1人眠たげに帰っていった。
「はぁ~大変大変…」
*
へぇ~
式沢 悠太君かぁ♪
彼があの【色欲】の悪魔の子?
視ていたけどキスだけでヒトを魅了し意識さえ飛ばすだなんて…
もし“覚醒”でもしたら厄介だね♪
天使兵団長に報告しなさい。
天使兵団見習いのルナ=イクフィリアに正式な任務だ。
式沢 悠太を監視せよ。
次回予告っ!
全知全能の神は悠太の存在を面白がりながら神はルナに悠太の監視の任務を任せる。神の思惑によりまたも再開を果たす2人。
やっぱり鈍感な悠太。
ウブにも程があるルナ。
未だに気不味い思いをする委員長。
そして別の所で色々と暗躍する真来。
彼らの思惑もまた交差し複雑に絡み合う。だが、彼らはまた集まるのだ。
〈第1章:“辺流是火已斗”篇/転校ッ!またまた邂逅ッ!そして闘争ッ!挙げ句の果てには変ッ身ッ!〉