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 1キロの道。たぶん歩いて10分ほどを移動してマチルダさんの家に戻る。

 現代日本人の体力だと、赤ちゃん抱っこして両手に荷物持って1キロ歩くのはかなりしんどい。ヨリトは揺れるのが気持ちよかったのか途中で寝てしまった。

 ……寝ると、赤ちゃんは重たくなるんだよね。しかも、現代抱っこ紐とちがってただの布だ。クッションとかついてなくて次第に方に食い込む感じが……こう、痛い。ちょっと使いやすいように改良しないと厳しい。タオルかなにか肩に当たるところにハサミ込むだけでも違うと思うんだ。

「ただいま」

 と、声をかけるけれど返事はない。申し訳ないとは思いつつ勝手にドアを開いて中に入る。

「ああ……寝てる」

 赤ちゃんもマチルダさんも寝ていた。

 そうだよね。病み上がりっていうだけじゃなくて、毎日夜中に何度か起きて授乳していると考えれば……。眠いよね。

 それで、毎日洗濯して食事作って掃除してって……。すごいなぁ。みんな。

 洗濯場の女性たちを思い出す。自然に手助けしあうのは、一番大変な時に周りの人が助けてくれた記憶があるからだろうか。自分が助ける側に回ったら自然に助けると……。

 ママたちのたすけあいが自然なんて……ちょっと胸がほっこりする。

 日本にいた時には「私のときはこうだった」となぜか苦労話でマウントを取ろうとするけれど、一切手伝わないどころか赤ちゃんを見て迷惑そうな顔をする人も少なからずいたのに……。

 洗濯はどこに干せばいいのかな?

 マーサちゃんの隣を借りてヨリトを寝かせる。寝返りはするか分からないけれど、生後半年であれば寝返りする可能性があるので、ちゃんと柵があるところに寝かせないと危ないので。

「マーサちゃんちょこっとだけお兄ちゃんにスペースかしてね」

 雨の日は部屋干しもするだろうけれど、晴天だ。外に干したい。

 道を歩いていても洗濯が干してある家を見なかった。人様の家を勝手にうろうろするのは本当に心苦しいんだけど、奥に扉を見つけて開ける。

 あった!

 裏庭というか、中庭というか。建物は道沿いに見えるようにぴたりと立てられ、その奥に庭があるつくりにどこもなっているようだ。光が十分当たるようにある程度家と家の間隔もある。

 そこに洗濯干場もあった。木にロープが渡してあるだけだけど。洗濯バサミのようなものはないけれど、ロープが2重になってわたっているので、挟むようにして干して飛ばないように工夫されているのかな。交互に干せば重さでのたわみも似たようになるか。

 ふむふむなるほど。

 と、思いながらおむつを干していく。

 爽快。

 庭の隅から隅まで、おむつがはためいている。運動会の旗を思い出すなぁ。白いおむつだけじゃないんだよね。着古した服をほどいておむつにしたものとかもあるので、カラフル。

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