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 そう、死も覚悟して逆らってみたんだよねぇ。

 はー。死ななくてよかった。

 白ちゃんに城の出口に案内されながら、召喚された直後のことを思い出していた。

 白ちゃんのおかげで、生き残れたといっても過言じゃないかも。あの時、ステータス確認しておいてよかった。

 ……というか、まぁ、ステータスは自分で見つけたんだけど。この世界の能力確認以上の情報が載っている……。

 そう、HPとかMPも。

 はったりが通じたのも、この世界の人間にはMPやもしかするとレベルの概念もないのかもしれない。

 ……鞭を打たれて、私につくはずの傷が移転するたびに、病傷移転魔法が発動していた。

 私の目に映っているステータス画面のMPが減っていた。

 きっと、MPが0になったら使えなくなっていたと思う。

 つまり、もし、牢屋とかに入れられ、ずっと鞭を振られ続けていたら、MPなくなって、鞭で傷つくようになって……死ぬこともある。

 私は不死身みたいなはったりが通じて良かった……。

 しかし、いつか不死身じゃないとばれないこともないから……。ここで安心して暮らすためには……。

 やっぱりあれだよね。

 レベルを上げる。なんか、レベルって項目があったんだから、上がるはずだ。

 ゲームや小説の世界のようであれば、レベルが上がればMPやHPも上昇するはずだ。

 ……しかし、どうすればレベルって上がるのかなぁ?魔法を使いまくる?モンスターをやっつける?そもそもモンスターなんているの?

 うーん。わからないことだらけだよ。

「ねぇ、白ちゃん」

「え?あ、はい。あれ?なぜ、あの時の僕だとわかったんですか?白魔導士は皆同じ服装をしているのに……」

 白ちゃんが慌てた様子を見せる。

「もしかして、あの、おいしかったの知らないうちにこぼしてシミにでも……」

 と、白装束を確認してる。

 ぷっ。

「これ、入れる鞄か何か欲しいんだけど。あと、目立たない服もあれば……」

 と、お金の入った巾着を見せる。黒装束から受け取ったお金だ。どうもこの世界の財布は巾着らしいので、巾着を手に持ってたら金持ってますってバレバレだよね。さすがに無謀だと分かる。

 それから、お城の中だけを見た感じ、黒いズボンに白いシャツに茶色のエプロンっていう私の姿は、どうも浮いている。

 街に出たら間違いなく目立つ。

 というわけで、城を出る!ことばかり考えていたけど、出てからのことも考えないと。

「あ、はい。用意します、えっと、こちらでお待ちください」

 バタバタと走り去る白ちゃん。あ、ころんだ。

 あれだね。どうにもあの足元まである白装束。裾を踏んじゃうよね、気を付けないと。

「痛いの痛いの半分だけAとBに分かれて飛んでけ~」

 と、手をそっとかざす。立ち上がった白ちゃんがちょっとびっくりしたようにきょろきょろとしたので、成功かな。


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