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「えーっと、あと、赤魔導士……という、身体能力強化系の魔法を使う者は、主に騎士になりますので、赤魔導士とは呼ばれません」
ふーん。なんかよくわかんないけど、魔導士がなんでも魔法を使えるわけじゃないのかな?何でも使える万能タイプとかいないのかな?
「魔法が使えるとか、どうしてわかるの?」
100人に1人で、しかも魔導士レベルになるともっと少ないわけだよね?
「えっと、能力を見る力が人にはみんなあって、5歳か6歳くらいになると、能力を確認するんです」
ん?能力を見る力?ステータスを表示して見る例のあれ?
ステータスオープン……と、心の中でつぶやいてみる。
あ、出た。
空中に半透明のPC画面みたいなのが出た。
「能力を確認するには、額に手を当てて【能力を表示】っていうと、なんか頭にぼんやりと浮かぶんです」
白ちゃん、頭にぼんやりっていうか、しっかり空中にステータス画面浮かんでるんだけど。しかも、能力を表示じゃなくて、ステータスオープンで表示されるんですけど……。
「やってみてください」
えーっと。
「【能力を表示】」
せっかくなので、言われた通り額に手を当ててやってみた。
ああ、頭の中に確かにぼんやりと文字が浮かんでる。
「えっと、上から順に、名前、出身地、それから適正職業、使える魔法の種類が出るんです」
吉田頼子、日本、聖女、特殊魔法……ってぼんやり浮かんでます。
……。
えーっと。
一方ステータスの方は……。
吉田頼子 30歳。年齢も表示されてるよ。余計なお世話だ!
HPとかMPとかの表示もある。
レベルの表示もある。
それから、魔法の種類が2つあって、どうやら詳細も表示できそうだ。
あと……。
聖女なんて書いてない。
『反逆の聖女』になってます……。何これ。
「僕の場合、名前はr……あ、秘密です。出身地が、この国、ハメディ王国で、適正職業に白魔導士と出ていて、使える魔法は水と風です」
名前は秘密かよ。まあ聞いても覚えるつもりないけど。
「水と風?召喚魔法が使えるんじゃないの?」
「ああ、風魔法の一つで、声や人を風に乗せて運ぶことができるんです。ただ、膨大な魔力と魔法陣が必要になりますが」
……。なるほど。属性だけが頭にぼんやり浮かんで、細かい魔法の種類までは表示されないのか。
「じゃぁ、浄化魔法や、鑑定魔法、敵索魔法とか、そういうのは何かの属性があれば使えるっていうこと?」
白ちゃんが首を傾げた。
おや?
もしかして、ステータスに表示されるほどはっきりとした情報がないから、魔法の分類というか、種類もあいまいというか、少なかったりする?現代日本人がファンタジー小説やゲームなどで、あらゆる創造された魔法を知りすぎてるだけで、現実の魔法なんてそんな便利な物じゃないみたいな?
……。うーむ。って、そんなことはおいおい知ればいいとして。まずは自分の情報だ。




