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勇者を助ける!?最強システムさん〜素数の真実〜

作者: 伊藤山愛

いま王道ファンタジーが幕を開ける!?

 ▷勇者旅立ちの日


「今から勇者【あおおあおあおあああおあおあああおあおあああおあああああおあおあああああおあああおあおあああおあああああおあああああおあおあああおあおあああおあおあああああおあああおあああああおあああああああおあああ………あおあああああおあああああああああああああああおあああああおあおあああああああああおあああああああおあああああああああああああああああおあああああおあああああああああああああああああああああああああああ】には旅立ってもらう」


「はい。必ずやこの地に平和をもたらせます」


「では勇者【あおおあおあおあああおあおあああおあおあああおあああああおあおあああああおあああおあおあああおあああああおあああああおあおあああおあおあああおあおあああああおあああおあああああおあああああああおあああ………あおあああああおあああああああああああああああおあああああおあおあああああああああおあああああああおあああああああああああああああああおあああああおあああああああああああああああああああああああああああ】よ、そなたには1000Gを支度金として渡す」


「ありがとうございます」


「本来なら勇者【あおおあおあおあああおあおあああおあおあああおあああああおあおあああああおあああおあおあああおあああああおあああああおあおあああおあおあああおあおあああああおあああおあああああおあああああああおあああ………あおあああああおあああああああああああああああおあああああおあおあああああああああおあああああああおあああああああああああああああああおあああああおあああああああああああああああああああああああああああ】にはもっと支援をしてあげたいところだが魔王軍による攻撃の損害が大きく、わが国ではあまり支援できない。誠にすまない」


「国が厳しいのはわたしも知っております。一刻も平和になるようがんばります」


「そうか。勇者【あおおあおあおあああおあおあああおあおあああおあああああおあおあああああおあああおあおあああおあああああおあああああおあおあああおあおあああおあおあああああおあああおあああああおあああああああおあああ………あおあああああおあああああああああああああああおあああああおあおあああああああああおあああああああおあああああああああああああああああおあああああおあああああああああああああああああああああああああああ】お前一人に託すのは王として無責任と言われても仕方がない。でも人類の希望として頑張ってくれ」


「ところで勇者よ、そなたの名前ながすぎないか?」


「あっ…王様」


 ピコン システム作動

『勇者の名前を正確に言わなかったので王様は罰として1日プルプルになります』


「ぎゃー」


  ざわざわざわざわ


「おい王様が…」


「どうなっているんだ…」


「おい貴様、王様をどうしてプルプルにしたのだ」


「近衛隊長のばか、僕の名前はちゃんと言わないと」


 ピコン システム作動

『勇者の名前を正確に言わなかったので近衛隊長は罰として1日プルプルになります』


「ぎゃー」


「近衛隊長までプルプルになってしまったぞ」


「どうすればいいんだ」


「皆さんもう喋らないでください。僕に話しかけるとき、僕の名前を正確に言わないとプルプルになってしまうんです。僕はこのまま旅に出ます。システムが言った通り、王様と近衛隊長は1日経てば元に戻るのでそれまではそっとしておいてください。形が変われば取り返しがつかなくなります」





 ▷始まりの草原


「あーあ、王都が大混乱になってたな。システムさんには自重ってやつを覚えてもらいたいよ」


 ガサガサガサ


「ん、魔物か?」


「ピキィ」


「なんだただのスライムか」


「ピキィーピッピキィー」


「何言ってるかわからないな」


 ピコン システム作動

『勇者の名前を正確に言わなかったのでスライムは罰として1日プルプルになります』


「スライムは元からプルプルだから意味ないだろー」


「ピキィ?」




 ▷最初の町


「宿を取りたいんだが」


「ではこちらに記入してください」


「ああ」


  かきかきかき


「勇者【あおあお】さんですね」


「おい勝手に略して…」


 ピコン システム作動

『勇者の名前を正確に言わなかったので宿屋看板娘は罰として1日プルプルになります』


「きゃー」


「なぜこうなった…」




 ▷旅立って一ヶ月後


「魔族軍四天王αやっと見つけたぞ」


「貴様が勇者【あああ……】か」


「僕の名前は全部で1万文字で、基本'あ'だけど素数番目のときだけ'お'になっているよ。だから全部'あ'じゃないんだけど」


「そんなことはどうでもいい。いまから貴様は俺にたお…」


 ピコン システム作動

『勇者の名前を正確に言わなかったので魔王軍四天王αは罰として1日プルプルになります』


「ぎゃー」


「わぁ魔王軍四天王αのプルプルが出来上がったよ。プルプルだから剣でよく切れるなぁ」


「こんな簡単に負けるとは…」




 ▷旅立って二ヶ月後


「魔族軍四天王βやっと見つけたぞ」


「貴様が勇者【あああ……】か」


「僕の名前は全部で1万文字で、基本'あ'だけど素数番目のときだけ'お'になっているよ。だから全部'あ'じゃないんだけど」


「そんなことはどうでもいい。いまから貴様は俺にたお…」


 ピコン システム作動

『勇者の名前を正確に言わなかったので魔王軍四天王βは罰として1日プルプルになります』


「ぎゃー」


「わぁ魔王軍四天王βのプルプルが出来上がったよ。プルプルだから剣でよく切れるなぁ(棒読み)」


「こんな負け方になるなんて…」




 ▷旅立って三ヶ月後


「魔族軍四天王γやっと見つけたぞ」


「貴様が勇者【あああ……】か」


「もはやデジャブ」


「あーなんだって」


 ピコン システム作動

『勇者の名前を正確に言わなかったので魔王軍四天王γは罰として1日プルプルになります』


「ぎゃー」


「わぁ魔王軍四天王γのプルプルが出来上がったよ。プルプルだから剣でよく切れるなぁ(棒読み)」


「こんな負け方はイヤー」




 ▷魔王の間


「よくぞ我の部下を倒してくれたな」


「いやほとんどプルプルになって自滅したんだけど…てかなんで魔王軍四天王なのにαβγの三人しかいないの!?」


「δが転職したいって軍をやめたからだ。唯一頭のいいδがいなくなったが、部下があんなにアホばっかだとは…。だが我はプルプルにはならないぞ、勇者【おおおあおあおあああおあおあああおあおあああおあああああおあおあああああおあああおあおあああおあああああおあああああおあおあああおあおあああおあおあああああおあああおあああああおあああああああおあああ………あおあああああおあああああああああああああああおあああああおあおあああああああああおあああああああおあああああああああああああああああおあああああおあああああああああああああああああああああああああああ】よ。ちゃんと名前を言えばプルプルにはならないんだろ。基本は'あ'で素数番目のとき'お'なんだってな」


「たしかにそうだが…ん?」


 ピコン システム作動

『勇者の名前を正確に言わなかったので魔王は罰として1日プルプルになります』


「ぎゃー」


「なぜちゃんと名前を言ったのにプルプルになるのだ。こんなのはインチキだ。勇者よどんなトリックを使った。」


「いやトリックなんてないよ。僕の名前は勇者【()おおあおあおあああおあおあああおあおあああおあああああおあおあああああおあああおあおあああおあああああおあああああおあおあああおあおあああおあおあああああおあああおあああああおあああああああおあああ………あおあああああおあああああああああああああああおあああああおあおあああああああああおあああああああおあああああああああああああああああおあああああおあああああああああああああああああああああああああああ】だ。」


「我は何にも間違ってないぞ」


「いや魔王、お前はたった一つミスをした。お前は1を素数だと思っていたんだろ。だからこう言ったんだ。勇者【()おおあおあおあああおあおあああおあおあああおあああああおあおあああああおあああおあおあああおあああああおあああああおあおあああおあおあああおあおあああああおあああおあああああおあああああああおあああ………あおあああああおあああああああああああああああおあああああおあおあああああああああおあああああああおあああああああああああああああああおあああああおあああああああああああああああああああああああああああ】とね」


「そんなバカな1は素数ではなかったのか…」


「ではトドメをささしてもらうよ魔王」


「くっ、無念だ」


 ピコン システム作動

『勇者の名前を正確に言わなかったので勇者は罰として1日プルプルになります』


「ぎゃー」


 こうしてプルプル勇者対プルプル魔王の戦いは始まった。

システムさんは永遠に不滅です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ゲームというていではなく、そういう世界観なのだと思いますが、システムさんの融通の効かなさに振り回される人々が大変そうでしたし、最後勇者が魔王のミスを復唱したところであっ!と思ったら、案の定…
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