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妹が人類を滅ぼしかけていて、ヤバい。  作者: 束冴噺 -つかさしん-
第2章 ようこそ、妹が人類を滅ぼす世界へ
23/74

過度なスキンシップはやめてください

兄:ヨリ(主人公)

妹:ハヅキ

「するわけないだろ! 俺たちは兄妹だ」

「そんなの、関係ないよ!」


 そう言った直後だった。

 妹は俺に飛び掛ってきた。

 まるで獲物を仕留める肉食動物のように。

 それで俺は捕食された獲物のように、妹に抱きつかれたまま床に押し倒される。

 妹が、俺の上にのしかかる。

 そして妹は俺の鼻と鼻とが触れそうな距離にまで顔を迫らせ、


「きっとお兄ちゃんのことだから、私とキスをしたら目を覚ます、とか考えたでしょ?」


 そんなことを言った。


「まさか……」俺は妹から目をそらす。「そんなこと、考えるわけねーだろ」

「うっそだー! だってお兄ちゃん、エッチだもん!」


 妹は至近距離で笑う。

 それから背中に回していた片方の腕を解き、その手で俺の胸の辺りから(ヘソ)にかけて、そっと、ゆっくりと撫でる。そしてその手はさらに俺の下半身へと滑っていき――


「お、おい! 止めろ!」


 俺は叫ぶ。

 だって妹は、俺のベルトを外そうとしているんだから。


「止めろ! ハヅキ!」

「ヤダ。止めない」


 俺は妹を引き剥がそうとするも、できない。

 どういうわけか、こんなに華奢な体つきだというのに、妹は片手だけで俺を押さえ込み、もう片方の手で俺のベルトを外そうとしている。

 そうこうしているうちに、俺のベルトが外れてしまった。

 ベルトは俺のズボンからスルリと蛇のように抜け、妹はそれを放り投げる。


「知ってるよ。お兄ちゃん。本当はこういうこと、すっごくしたいんでしょ?」

「ああ、そうだ。しかしそれは、妹以外のナイスバディーな女とが希望だ」

「私だって、脱いだら結構スゴいよ。あとで見せてあげるから」


 妹は俺のズボンのフックを外し、ファスナーもあける。

 俺は脱がされまいと必死で抵抗を試みる。

 だが、無駄だった。

 妹は足を使って、実に器用に、俺のズボンをスルリと脱がしてしまう。

 まるで皮むき器だ。

 そして最終防衛ラインである――つまりパンツに妹の手がかかる。


 ――それだけは死守しなければならない!


 でなければ、




 いろんな意味で、




 終わる。




 俺はとにかく足をバタつかせ、腰をくねらせる。

 なんとしても、パンツだけは……このパンツだけは守らなければ!


「脱がされてたまるか!」


 俺は抵抗を続ける。

 さっきよりも体を激しくうねらせる。


 しかし!


 俺の抵抗も虚しく、ついに最終防衛ラインが突破される。

 妹がパンツを強引に引っ張り、ゴムの部分が大きく伸びる。

 俺はパンツを掴む妹の手を握り、その手を止めようとする。

 だが既に、俺のアレは外気に触れ、爽やかな清涼感に……いや違う! 羞恥心に包まれる。

 妹は俺のアレをロックオン。

 鋭い眼差しが俺のパンツの中に注がれるのがわかる。

 気持ち、俺の下半身が熱くなってきている気がする。

 それから妹は、「(とど)めだ」と言わんばかりに、掴んだ俺のパンツを思いっきり下に向かって引っ張った。

 そして――


「うわわわわわわわー!」


 玄関に、悲鳴が木霊した。

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