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【五、白い雨】

 毎年七月七日の七夕にSF短編を投稿するという『七夕一人企画』を実行しています。今年もなんとか「星に願いを・2016」をお届けできそうです。七夕の「織姫と彦星の物語」に因んだSF短編をご堪能くださいませ。【七夕一人企画・2016】

 翌日は雨だった。私とルキァは、作業をまったくしないでベースキャンプ機からは一歩も出なかった。惑星ケケモモは開発不許可惑星に指定されていて、ルキァは特別に許可が出されているだけで、惑星の大部分は未調査のままのために未知の危険が多く、また雨の成分に多少の有害性が認められることも、作業をしない一因だ。

 私はつまらなさそうに窓から降りしきる雨を眺めていた。灰色の空から白い雨粒が降り落ち、地面に落ちると乳白色がまたたく間に透明になって地面に染みこむのを見届けた。その灰色の空の一点がキラリと輝いたと思うと、それはみるみると大きくなり、銀色の船体を乳白色に染めながら、私たちのベースキャンプ機に近づいて来た。

「やっと来たわね」

 後ろからルキァの声がして、私は振り向いた。ルキァは腕を組んでニヤリと笑った。

「今晩はネペンドンをここに誘い込んで、明日の夜に狩るわよ」

 銀色の船は、私たちのベースキャンプ機の間近に着陸して、こちらのエアロックにボーディングチューブを接続した。

「あれはスペースカウ・テクノロジー社のコンテナ船よ。ネペンドンを狩るための『疑似餌』を持ってきたの」

 ルキァはそう言いながら私の腕を引っ張った。

「さぁ、一緒に見に行きましょう」

 私はうなずき、窓枠から手を離してルキァの後に続いた。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。


【七夕一人企画の宣伝】

 毎年七月七日に個人で勝手に騒いでいる『七夕一人企画』です。

 今年で十年の節目を迎えるこの企画、一人で勝手に七夕SF企画なのですが、自分の小説が毎年一つずつ積み重なっていく楽しい企画です。

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