【一、手紙】
毎年七月七日の七夕にSF短編を投稿するという『七夕一人企画』を実行しています。今年もなんとか「星に願いを・2016」をお届けできそうです。七夕の「織姫と彦星の物語」に因んだSF短編をご堪能くださいませ。【七夕一人企画・2016】
愛しのケーン 様
私は『そのこと』をすっかり忘れているつもりでした。
忙しかったわけではありません。
忘れるほどなにかに夢中だったわけでもありません。
全く忘れていることにしたかったのです。
ホントにごめんなさい。
謝っても謝り切れないはずなのだけれども。
あなたはいつも軽い調子で私を許してしまいます。
でも、私は自分を甘やかしません。
私はあなたから離れる心積もりはできているのです。
なのに、あなたは私を優しく抱き締めてしまうのです。
だから、私はあなたのことを嫌いになれない。
そして、私はあなたから離れられない。
大好きです。
お慕いしております。
あなたのオーリヒ より
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
【七夕一人企画の宣伝】
毎年七月七日に個人で勝手に騒いでいる『七夕一人企画』です。今年で十年の節目を迎えるこの企画、一人で勝手に七夕SF企画なのですが、自分の小説が毎年一つずつ積み重なっていく楽しい企画です。