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生徒会のお仕事!  作者: 娯楽作品の虜
2/22

仕事仕事仕事

目指せ1日一話更新!

コンコン。

「空いてますよー」

「おお、荒川!しっかり仕事してるかー?」

「ああ、先生ですか、してますよそれはもうしっかりと……」

「なんだその嫌味っぽい言い方は、まあ確かにお前1人だけにしてしまったのは悪いと思ってるけど……」

「思ってるなら少しで良いので仕事減らしてくださいよ……」

ふと机の上に目をやるとつもりに積もった仕事仕事仕事。

三四人いれば充分間に合う量なんだろうが、なにせ俺は初心者かつ、たった一人。

このせいで最近は放課後どころか、休み時間まで生徒会室に篭りきり。

クラスの皆に忘れ去られてるんじゃなかろうか……。

遠のいていく普通の学校生活……。

「いやー、スマンなその件については職員会議で、お前の好きなヤツを生徒会に入れても良いってことになったから」

「マジっすか、ありがとうございます」

「ただその代わり……はい、これもよろしく」

「なんですかこれ?」

「問題のある生徒リストだ、最近は世間の目が厳しくて先生達も迂闊には手を出せないんだ。だから同じ生徒同士の生徒会のメンバーが、その生徒達を更生させるのも生徒会の仕事なんだ、というわけでよろしくな!」

「え?」

「じゃあ頑張れよー」

そう言うと先生はさっさとドアを閉めて行ってしまった。

ただでさえ手一杯なのに問題児の更生だと?

そもそも学校でさえ手が出せない問題児ってどんな奴なんだ……?

「えーと、さっきの紙は……これか」

どうやらご丁寧なことに顔写真までついているようだ。

「こんな紙に書かれるなんて一体どんな奴なんだ……?」

ザーっと目を通してみてもやはり知らない人ばかり。

「知らない人を更生させるとか無理難題を押し付けてくれるよなー、っと……ん?」

知らない顔の中に見覚えのある顔が一つ……。

「なんでこいつがこんなのに書かれてるんだ?まあ、知らない人よりはやりやすいかな……始めはこいつからにするか……」







というわけで。

「な、なあ、如月さん、今日の放課後って空いてたりする?」

ザワザワ……「お、おいあいつ真実(しんじつ)さんに話しかけてるぞ……」「なんだ?告白でもするのか……?」「いや、いくら何でもそこまで趣味悪くないだろ」

あたりがざわめく……、てか如月さん周りからの評価めっちゃ低いな!

こいつは如月真実(きさらぎまみ)顔だけならクラス内でも、トップを争う美少女だ、ただ身長がどう見ても高校生じゃないだろってぐらい低い、それ以外は普通の長い黒髪の女だ。

入学当初は確か静かな大人しめなキャラぐらいな評価だったと思うのに……。

「なに?貴方も私をからかいに来たの?」

貴方も?なんだ?もしかしていじめられてたりするのか?

どっちにしろ「お前は教師陣に目を付けられてる」なんて言えないしな。

とりあえずこの場は適当にごまかしとくか。

「いや、そんな事しないよ」

「じゃあなに?」

「いや、それはほら、後で話すよ!とにかく悪いようにはしないからさ!」

ヤバイ……悪いようにはしないからとか明らかに不審者のセリフにしか聞こえないんだが……。

まあでも俺は素性も割れてるし、こんな注目されながらこんな行動してる時点でそうゆう奴じゃないってことぐらいわかるだろ。

とにかくこれで話が出来そう……

「いや、今言って、真実を教えて」

真実がその言葉を言った瞬間にまた教室中がざわめく。

「出たーしんじつさんの真実狩り」「マジであれなんなの?」「私も前やられたわー」「つーかうざくない?」「それな」

……なるほど、これがあだ名の原因か……。

確かにずっとこんな事してたら周りからバカにされるのも当然だ。

その事も考えなきゃな……それにしても……

どうしよう、なんて言おう……?

ほんとに真実を言うわけにもいかないし、かと言ってあんまりにもかけ離れてる答えだと見破られてしまう。


「え、えーっと君に大切な話があるんだ。二人だけの君にしか言えない話が」


あれ?なんかおかしいな、明らかに俺が伝えたい意図と違う伝わり方しちゃわない?

ほら、なんか周りもさっきまでと比べ物にならないざわつきかたしてるし。

なんか真実も顔赤らめてるし……!

いや、違うから!違くないけど何か勘違いしてるから!

「わ、わかった……話聞くわ……」

ザワ……ザワ……。

「おいマジかよ!」「ほんとに告白だったぞあいつ!」「趣味わりーな、確かに見た目はこの学校でも最高クラスなんだけどあの性格に告白はねーだろ」「俺、あいつと関わるのやめようかな……」

うおおぉぉ!

何か知らないけど俺の評価もガタ落ちしたー!?

「じゃ、じゃあどこで集合なの?」

「え?あぁ、うーんと、じゃあ駅の近くのサイゼに五時くらいで大丈夫?」

今は周りのことより仕事だ!とにかく話が出来るならそれに越した事はない。

「わ、わかったわじゃあまたその時間に」

「ああ、じゃあまた……」

それだけ言うと俺は後ろのざわついた空気から逃げるように教室から出た。

「もう俺の変人設定直すの無理かもな……」

せっかくの高校生ライフが……

1人で生徒会とか景さん過労死寸前www

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