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生徒会のお仕事!  作者: 娯楽作品の虜
1/22

学校なう

めちゃくちゃ更新が遅くなりました。

1日1話投稿できる人は神だと個人的に思ってます

「私は一年五組のです荒川景です。……」


なぜ俺がこんな自己紹介をしているのかというと、それは振り返ること二三ヵ月前。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

高校入学時すぐから、周りの人に話しかけまくって、小さい頃とった杵柄で人の顔色を伺いながら、空気を読んで行動してきた。


その結果、俺はすっかりクラス内でもかなり上位のカーストに入ることに成功していた。


男子高校生ならではの馬鹿なネタもしたし、友達の無茶ぶりにも応え続けた。

そのおかげ(せい)で、クラス内の皆からは空気が読めて、面白い奴と思われている。

そしてそんな、普通のありがちな高校生活を送っている時に突然それはやって来た。



「はーい、じゃあそろそろ時期も時期なんで学級委員を、決めたいと思います。 えーと、この学校の学級委員は、生徒会に加入し、その中から毎年生徒会長などの役職も選ばれます。…………では、誰かやりたい人いますか?」


……シーン……。



まあ、だろうな。


ただでさえ面倒臭い学級委員という肩書きに加えて、更に生徒会に強制加入の上、 役員に選ばれるかもしれないなんて、やる人なんているはずがない。


この、役員決め恒例の待ち時間を、配られたプリントで、鶴を折って誤魔化していると、

ふと、視線がこちらに集まってくる気配がしてきた。


気になって顔を向けると、友人が俺と先生の顔を交互に見ている。


どうやら先生の方を見ろということらしい。

友人に従って見てみると……うわぁ、明らか

にイラついてらっしゃるよ……。


うちの教師は新任の先生で、まだ教師という職業になれておらず、よくミスをしている。

教師になってまだ浅いからこの時間を教師の立場で体感したことがなかったのだろう。


……不味いな。

このままだときっと俺は自分の中にある空気を読む能力が暴走して、立候補してしまう。


てかもうキツイ、最初の我感せぬの状態ならいざ知らずこの空気の中に放り込まれてしまうと、空気を読む事を何よりも優先してきた俺にはキツすぎる……。


ほら、先生もなんかこっち見てるし……。


やめろこっち見るな!俺以外にもいいやつなんていっぱいいるだろ!!


例えばクラスで一番美人の田中さんとか!

一番勉強出来る鈴木とか!


まあ確かに二人ともそういうのやりそうなキャラじゃなさそうだけど……。


どうやらクラスの皆も同じ結論に達したらしく、こちらに視線を送ってくる。

バカっ!そんな事したら……


「お?荒川やってみるか?」


……ほら。みんなの視線に先生が気づいてこっち振ってきたし……。


流石にイラつきを隠せず目を細くして周りを見渡すと、視線をそらしたり、手を合わせてきたり……。


……まあ、何事も経験ってことでやってみるか。


どうやら雰囲気的にこのままゴリ押されそうだし、それならこっちから行ったほうが得策だ。


「そうですね、他にやる人もい無さそうなのでせっかくだしやってみます」


中学の時から毎日練習してきた爽やかスマイル☆で応える。


「おいおい、そんな心持ちじゃダメだ!そんなにやる気ないならやるな!」


!?いやいや、こいつマジでか、?状況わかってる?流石に俺もいらっときたぞ。


だがこんなのは慣れっこだ。


「すいませんでした。 調子に乗ってました、しっかりやりきるのでやらせてください」


ごめんなさい、すいません、、反省してます、この三種の神器にかかれば大体の事は受け流せる。


ポイントは何はともあれ謝罪から入ること、悪くなくても謝るし、相手が悪くても謝る。

これが鉄則だ。


「まあ、そこまで言うなら良いだろう。他にやりたいものはいるか?」


「シーン」


「……居ないようだな、全く……やる気がないクラスだな、まあいい、とにかくうちのクラスから出す学級委員は荒川に決まった。 これで今日のホームルームは終わりだ各自あまり遅くならないように帰る事。では、さようなら」


最後に一言嫌味を残して行くあたり流石だ……。


それにしても学級委員か……。


一体何するんだ?


あ、そういえば生徒手帳に書いてあったような……「全校生徒の模範となるような行動をすること」うん、まあこんなもんだよね、別に期待してなかったし。

まあ、他クラスにも他学年にもいるだろうし、大丈夫だろ。



「失礼しまーす」

俺は今生徒会室の前にいる、どうやら今度の部活動予算の事で会議があるらしい。

しかし、おかしい……、俺は週番だったから少し遅れてきたんだが……、中から人の気配が全くしない。


「あのー、どなたかいらっしゃいませんか?」


「……」




「マジでか……」


なんと恐るべき事が発覚してしまった。


担任に聞いた所、この生徒会……、役員が俺だけらしい……。


まずこの生徒会とかいうものは、別にクラスから必ずしも選出しなければならないというものではないらしく。


仕事も大体は雑用や生徒の悩み解決など、面倒臭い仕事ばかり、だから今年度の生徒会役員の内訳はこうなる。


生徒会長……荒川景

副会長……荒川景

事務処理……荒川景

会計……荒川景

書記……荒川景


というわけで俺は今生徒会長になったので、全校生徒の前でスピーチをしてるというわけだ。

スピーチの内容は二つ。

生徒会メンバーの募集と、生徒会長としての抱負などを言うことだ。


ただでさえ、3000人以上のの生徒の指すような視線がキツいのにこんなネタみたいなスピーチだ、つまり何が言いたいのかというと……。


«変なヤツだと思われてしまう!!»



普通の高校生活を送ることを目標にしてきた俺にとってこれはなかなかキツイ……。

そうだ! ここは何かしら面白い話でもして、場を和まる所から入ろう。


「じゃあ、皆も疲れてると思うので一つ面白い話でも………………ってことがこの前あったんですよー」




よし、いい感じにウケも取れたし、この良い空気のまま終わろう。


スピーチを終え、自分のクラスの座っている列に戻る。


「いやー緊張したー」


やっぱり、自分の知ってる人がいる所に戻ってくると、落ち着くなー。


「いやー、面白かったよ!ナイススピーチ!」


「いやーそれほどでも……あるかな!?」


「ハッハッハ、ところで……何のスピーチだったの?」


「え?」


「だって、お前自己紹介して面白い話して、降りてきただけだろ?何のために壇上に上がってたの?」

「あ……、生徒会のメンバー募集するの忘れてた!」

「これは酷い……」


結局あのスピーチでの俺はなかなか面白い人だけど何のために壇上に上がってたの?

という、「変人」認定を努力むなしくされてしまった。


どうしてこうなった……。

荒川景

あらかわけい

です。


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