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 剣を振りかざし喚く騎士達を素手の村人がボコって押さえ込む。

6人の騎士は全員押さえ込まれ関節技を掛けられて絶叫しています。


うん、これは戦闘と云うより捕縛だな。

そんな事を考えながらワタクシはこの状況を理解する事が出来ませんでした。

解らない事は素直に聞く!ワタクシは素直な中年魔術師として、捕縛の指揮をしている村長に聞いて見ました。


おはよう村長、これは一体どうなってるのですか?

オォォォォ〜ベール様がお目覚めになられたぞ〜!

へっ?


ウオォォォォ〜皆に知らせよ!

クロ様にも使いを出せ!

我等の主が復活したと!

ウオォォォォ〜


えっと、あの、皆して一体どうしちゃったの?


ワタクシがまったく状況に付いていけずオタオタしていると、押さえ込まれ縄で縛りあげられていた騎士がワタクシに話し掛けてきました。


貴方様は真にベール様なのですか?

しかしそのお姿は?


あか〜ん!

魔術師が急に若返ったりしたら、死の壁を乗り超えたと思われる。実際超えちゃったし、それも負の魔術師(リッチ)として。


あぁ王国の危難を知って復活なされたのですね!

ましてやそのお姿は、長命者ハイエルフとして復活!


はい、ハズレ!

正解はリッチ改です・・・言えないけど、取りあえず誤魔化そう。

ワタクシは魔術師長時代に身に付けたスキル、分かってる振りで乗り切るを発動、黙って頷いた。


あぁこれで王国は救われる。

騎士達は涙を流しながらワタクシに訴えて来ました。

当初は関節技を掛けられ押さえ込まれて泣いてるのかと思いましたがどうやら違う様ですね。


何よりこの騎士達は明らかに若い、若すぎます。


騎士と云う者は通常従者から始まり騎士見習いを経て騎士になるはず、それがここにいるのは隊長からして10代、まだ少年と言った方が良い年齢です。

それにそこで腕関節を極められ口をパクパクさせてるのは少女じゃ無いですか!

いつから王国騎士団に女性が入れるようになったのですか。


ダメです。ワタクシの灰色の脳細胞はまったく動きません。

朝御飯をとって無いからと思いたい。


ワタクシがビービー泣いている子供達からどうやって情報を引き出そうかと悩んでいると辺りを切り裂く様な雄叫びが聞こえました。


"アンギャ〜"


ワタクシが、その叫びの方を見るとそこには真ん丸いそれは大きなドラゴンが大粒の涙を流しながらワタクシに突進して来ました。

一瞬の事でした、丸いドラゴンに突っ込まれたワタクシは撥ね飛ばされ50メートル程、吹き飛ばされました・・・こうしてワタクシは最後を・・・アレ?痛くない?

泥まみれにはなったもののケガの類いはしてない模様ですね。

ワタクシのニューボディは丈夫な様ですね。そんな事を思っていると先程の丸いドラゴンは泣きながらワタクシに体を擦り付けてくるではないですか。

この仕草は・・・まさかクロちゃん!

でも何でこんなに太って、じゃなくて大きくなってるのです。

もしかして、ワタクシはクロちゃんをナデナデしながら村長を呼び、尋ねました。

ワタクシが、隠れてから幾日たった。


はい、ベール様がお隠れになられ50年になります。

・・・寝すぎか〜それか〜状況がさっぱり解らなかった訳だ!


つまり今はワタクシの知ってる時から50年後の世界なのね、分かりました取りあえず寝すぎた事は分かりました。

しかし何で騎士団から攻められたのかがさっぱり分かりません。

ここは勇気を出して聞いて見るしかありませんね。

ワタクシは村人に命じて押さえ込んでいる騎士達を解放させました。


貴方が騎士隊長ですね。

ワタクシの問に先程の少年が答えました。


はい、ライス王国近衛騎士隊長エッグと申します。

そうですか、その名前を付けた親に1度会ってみたいものです。グレなかっただけでワタクシはこの少年を高く評価しました。ワタクシだったらグレちゃうかも、

さて、エッグ隊長、ワタクシは今だ深き眠りから覚めたばかりなのです。王国に危機が訪れたのは分かりましたが具体的に何が会ったのか貴方の口から説明して下さい。


ワタクシはさも王国の危機を助ける為に起っきしたかのように見せかけました。

中年魔術師の見栄です。


はい、エッグ隊長は背筋を伸ばし話始めました。


我等がベール様がお隠れになったのを知ったのは魔の森に大規模な結界が張られた時でした。

当時の魔術師長がこの村に来て村長に尋ねた所ベール様は最後の力を使い結界を張ったとの事でした。

オォ後ろの方で村長がダブルピースをしてます。

融通脳効くリビングデッド最高!


王国はベール様に大魔導師の称号を贈り国葬を行いました。

マジか〜本当すいません。


しかし当時の国王陛下はベールが余を残して死ぬはずが無いアレは王国に危難が差し迫った時は必ず駆けつけると余に言ったのだとおっしゃり大変取り乱したと聞いております。

陛下はワタクシ以上に気の弱い方でしたから神経がやられちゃったのでしょうね、申し訳ない事をしました。


それから月日は経ち王国も代替わりをし、失礼ながらベール様の事は歴史の彼方に消え去っておりました。

当然です、何時までも覚えていられてはワタクシが迷惑です。


ベール様はご存じでしょうか、神聖王国の事を。

神聖王国?

あぁ確かえらく西の方にある国の名前ですね。それがどうしたのですか?

今は隣国になっております。神聖王国は聖戦と称し20年前から東への軍事進行を始めました。

最初は遠い国の出来事と皆無関心でした。しかしかの国は隣国を滅ぼしただけでは飽きたらず次の国、そしてまた次の国と滅ぼして行きました。

かの国が東進を始めて10年後、我が国と近隣の国々で同盟を結びあの狂信者どもに戦いを挑みました。

しかし同盟軍は奴等の前に敗北をきっしました。今あの狂信者どもは我が国を滅ぼそうと大軍を王都に進撃を開始しました。


エッグ君は半べそをかきながらワタクシに話してくれました。

そうですか、それでワタクシを召集するために来たのですか。ワタクシはエッグ君に尋ねました。


いいえ違います。失礼ながらベール様が復活られているとはまったく知りませんでした。

ただ近隣の村々から魔の森の結界が無くなった様だとの報国が入り我々が調査に派遣されたのです。

あ〜なるほど続けて続けて、


幾つかの村を周りこの村に来て見ると屈強な緑色した顔のオーガの群がいると思い村人を助けねばと・・・

うん、分かる分かるよ〜エッグ君、やらかしたのだね、勘違いでカッコつけちゃったんだね分かる、分かるよ〜もうどうしていいか判んない感じ、オジサンも勤め人してた時何回も味わいました。お陰で思い出しただけで胃がイタタタタ


エッグ君をこれ以上見てたら他人事ながら胃壁が薄くなります。

エッグ隊長、今は後悔している時ではありませんね。もし敵が迫っているなら急ぎ王都に行かねばなりません。分かりますね。

ワタクシは得意のスキル話のすり替えを使いその場を誤魔化しました。


先ずは王都に行きましょう。

こうしてワタクシは久しぶりに王都に帰る事になりました。






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