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 退屈とか言って御免なさい。

波乱万丈ナニソレ美味しいの?

気の弱いワタクシが何を調子っくれてたのでしょう。

いや本当に・・・今回の事で人間はいつ死んでもおかしく無いと云うことが、骨身に沁みました。

"ギャ〜ギャ〜"

「おやおやご飯の時間ですか?クロは本当に良く食べますね。大部大きくなりました。」

そろそろ膝の上で抱っこするのが大変になって来ました。

ワタクシはペットのクロの餌をやりながらしみじみと考えました。

ワタクシこのままこの村でこうして引きこもっていて良いんでしょうか?

何をするわけでも無く、食っちゃ寝食っちゃ寝を繰り返す日々、お陰でぽっちゃりさんは加速して、それに伴い髪の毛は頭皮から去って行く。

たまに訪ねて来る友人は貫禄が出て来た何て慰めてくれるけど様はハゲデブと言いたいんでしょ。

分かってるんです、このままじゃ駄目な事ぐらい。

"ギャ〜ギャ〜"

「はいはい抱っこですね」

ワタクシはじゃれて来るクロさんを膝の上に乗せてナデナデしながら考えました。

結局の所、あの本が全ての元凶なのだと、あれをどうにかしないとワタクシは前に進めないのだと。



私は夜5年振りにあの本を屋敷の地下に作った金庫から取り出しました。

マールン君には申し訳ないが、処分させて貰おう。

ワタクシは本を燃やそうと部屋に戻り暖炉の前にしゃがみ込みました。

そうワタクシはここで躊躇わず燃やすべきだったのです。

それなのにワタクシは本を開いてしまったのです。

出来心としか言いようが在りません。

ただ燃やす前にせめてどの様な内容が書かれているのか見てみたくなってしまったのです。

その後の私と云えばペットのクロちゃんの晩ご飯を忘れる程、夢中になって読み耽ってしまいました。


マールン君は本当に天才です。

本来ならばワタクシごとき凡人には読み解く事など不可能な文章を理解出来る所まで噛み砕いて説明してあるのです。

しかしワタクシには違う意味で理解出来ませんでした。

最初ワタクシはこの本をマールン君の研究資料をただ纏めただけの物だと思っていました。それだって死の壁に挑んでいる者にとっては喉から手が出る程、欲しい本です。

しかしこれは違う、ここまで噛み砕いて説明されていれば権力者や力ある魔術師ならば成功してしまう、正に死の壁を乗り超える為のマニュアルじゃないですか!

彼は一体何を考えてこんな物を世に残したんだろう。

私は夜の更けるのも忘れる暖炉の前でしゃがみこんでいました。


朝まで悩み考えては見たものの、答はまったく出て来ませんでした。

当然です!ワタクシは所詮2流の魔術師です。

天才の深き考えを読み解く何て芸当出来るはずが無いのです。

考え過ぎて枕元にいつもの倍の髪の毛が落ちていたのを見て、考えるのを放棄しました。駄目魔術師と貶なさば貶せ、私は自分の毛のほうが大事です。


それでも1つだけ前進した事が在ります。

ワタクシもこの本に書いてある方法を実験して見ようと思ったのです。

モチロン死の壁を乗り超えようなんて積りはさらさらゴザイマセン!

ただここで悶々と悩んでるよりは何かに打ち込んでる方が余程健全なんじゃないかな〜と思った次第なのです。

まぁ一応魔術師の端くれですので多少の好奇心が無いと云えば嘘になります。


こうしてワタクシは死の壁を乗り超える、実験に挑む事となったのでした。


まず持って必要な物が幾つかあります。これ等をどうにかせねばなりません。


何より最大の問題は魔昌石です。

魔昌石、魔術師にとってはお馴染みのアイテム、しかしこれは・・・材料直径50㎝以上の魔昌石・・・5㎝じゃなくて50㎝なの?

はいっ!終了〜!

うん、大きさが最低でも直径50㎝の魔昌石何てどこにあるのよ?

まったく手つかずの鉱山か誰も荒らしてない迷宮でもあれば別だけど、そんなもんどうやって探せって言うのよ!

あ〜馬鹿らしい真面目に読んで損したわ!

そりゃそうだ、魔方陣書いてちょちょいのちょいで死の壁超えてた日には世界中不死者だらけになっちまう。

さて、クロちゃんにご飯でもやって、たまには散歩でもするか?

ワタクシはペットに餌をやった後、村の中を散策に出た。


しかし改めて見てみると村人の体格や雰囲気が大部変わってる。

最初は緑色以外は普通の村人だったのに今じゃ歴戦の戦士に見えちゃう。手に持ってるのは相変わらず鍬だけど。

村長なんか貫禄が凄まじくなっちゃってあきらかにワタクシの方が部下みたい。

ワタクシは村長に近づき最近合った事をたずねてみた。

村長曰くドラゴンを殺した洞窟の奥に極端な魔力溜まりがありその洞窟が迷宮に変化しようとしてる、もしくはすでに変化を終え迷宮になっているかも・・・マジで・・・駄目元で行って見る?




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