靴箱→階段→廊下
『死にたい。』
4月。上旬。始業式。靴箱前。
私は呟いた。
と、いっても某ツイッターでナウなことを言っているのではなく、
ただ単にそう思ったから口に出したのだ。
だいたいうちの学校はSNS関連が一切禁止されているからそんなこと呟けないのだけれど。
だから私は人とコミュニケーション取るのが苦手なんだ。
とか、変なことを勝手に思っている。
きっと正論じゃないな。これ。
とぼとぼと、てくてくと、ぜーぜーと、
階段を上がるとそこは…
廊下だった。
まだ教室には着かない。
というかそもそも高校1年の時は1階から2階までのたった1段だけだった。
のに。
のぉぉぉに!!
高校2年になるとこの有様だ。
1階分階段が増えた。(キリッ
文化部にこんなことを毎朝やらせるとか鬼畜か、この学校は。
さっき靴箱前にクラス分けのプリントが張り出されていた。
それによると私は8組。1組から8組まであるなかの8組。
ちなみにこの学校、1組から順に教室が並んでおり、階段に最も近い教室は1組という、
不親切設計なのである。
まぁ、こんなに教室までの距離が遠くても、
仲の良い友達とか、彼氏さんとかがいたら、
「8組って遠いね~。ほんとやだ~。」
「でもその分、○○と長く話せるから私(僕)は嬉しいよ。」
なんてことになるんでしょうけど、生憎私にはそんな人はいない。
私の側を通り過ぎていく女子と男子の声がとても鮮やかに聞こえる。
別に羨ましくもなんともない。
教室までの道のりが余計に長く感じるだけだ。
そんなことも小学生の時にかくれんぼして最期まで誰にも見つけてもらえなかったことに
比べればなあんてことはない。