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カオスクロス(学園超能力シリアスバトル小説)  作者: なりあき0079
第1部 混沌の始まり
3/62

3.神風とパンチラ三昧






 君島葉月が転入してから一週間が過ぎた。現状君島は完全に孤立している。部活にも入る様子はない。とにかくまったく人間関係を作ろうという行動を取らない。むしろ、人を自分から遠ざけてゆく言動を取りまくっていた。

 俺はただ黙って授業中の君島の横顔を見つめるだけであった。時折視線が合う時もあった。そんなとき何時だって君島は口元だけ笑う。時にはわざと眉間に皺を寄せてみたりもするが、そのあと必ず口元に笑みを作ってくる。まだ視線が合うと心臓の鼓動は高まるが、初めのころよりも落ち着いてきた。

 独りよがりな感想かもしれないけれども、君島はもしかして俺にだけは気があったりするのではないだろうか。


 今日は部活の日。サッカー部の練習の日だ。日頃の言動があまりよくない俺はリーダーの資質なしということでキャプテンに選出されなかった。確かに練習もサボリガチだし、仕方ないと言えば仕方のないことだけれども、キャプテンに選出されるかどうかなんて一生に一度くらいなものなのだからやはり残念だ。

 俺らサッカー部員は校舎と体育館を繋ぐスロープで着替えをしている。すぐ傍には校舎と校庭を繋ぐ階段がある。ちなみに今体育館は男女バスケ部員が練習をしている。


「お、片瀬の胸揺らいだぞ」

 サッカー部員Aが興奮気味に呟く。


「馬鹿野郎。あんな巨乳よりもむしろ沢のスレンダーな足に注目だ。あれだけでご飯三杯お代りできるぞ」


「お、階段に北村さん来た。くそ。ここからじゃスカートの中身覗けないな」

 サッカー部員Bに呼応して、全員階段から降りてくる北村さんに注目がいった。北村さんは三年生で髪の毛も長く出るところも出て綺麗な女の子だ。学内のマドンナ的存在だ。


(久しぶりに、俺の本領を発揮するか)


 俺は北村さんのスカートに意識を集中し始めた。スカートが揺らめき始める。ターゲット設定完了。あとは……


 一瞬の出来事だった。北村さんのスカートは見事舞った。そしてその中身に隠された純白のパンティがご披露目された。


「うぉぉぉぉぉ!」

 サッカー部員一同の怒声が響き渡った。


 北村さんは無理やりスカートを両手で押し込み、顔を真っ赤にして小走りで去っていった。


「風だ、神風が俺たちに味方したんだ……」

「奇跡は起きる」

「これで俺たちは三日戦える!」


 勝手なこと言っているが、俺の〝力〟なんだって……


「お、君島葉月だ」

「性格悪いけど、いいスタイルしてるよな」

「神風よ! 再び!」

 サッカー部員Cは祈り始めた。


 もし、ここで俺が部員たちの期待に添えて神風を呼び起こしたらどうなるのだろう。俺だと知られることはない。さっきの北村さんのように照れ隠ししながら去っていくだろうか。この手合いはそんな玉じゃないような気がする。

 しかし、もう今更、火がついた悪戯心を止めることはできない。

 俺は君島の短いスカートに意識を集中させる。君島のスカートが揺らぎ始める。しかし、君島はそのことについては動揺もせず、ただそのスカートが捲れる様子をじっと見つめていた。


 俺はそのまま力を解放させた。そして見事君島のスカートは舞った。これまた純白。


「うひょぉぉぉぉぉ!」

 サッカー部員一同のどよめきが再び起きる。


 しかし、君島は何事もなかったかのように、俺のほうを一瞬見て、口元に笑みを浮かべ、通り過ぎて行った。


「俺、当分おかず要りません」

「盟主様!盟主様!盟主様!」

「神風は本物だ!」

 何遍も言うが、これは俺の〝力〟だ。それ以上でもそれ以下でもない。


 刹那、強烈な衝撃が俺の後頭部に起きた。

パンパンパンとスロープを降りてゆくバスケットボール。どうやらバスケットボールが俺の後頭部を直撃したようだ。

その先には、美晴、片瀬美晴が仁王立ちしていた。


「ごめんねぇ。そっちまで飛んで行っちゃった。あ、今ボール拾ったわ。戻るねぇ」

 そのまま体育館に戻っていく美晴。


 今日の〝練習〟は、ハードになりそうだ……


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