三男坊、子供たちと戯れる
オーガを村まで運んだあと、エドヴィージュにベッドを貸してもらい、泥のように眠った。
展開こそ一方的だったものの、オーガとの死闘は俺の精神力を疲弊させるには十分なワードワークだったようだ。
目が覚めると、窓から入る光は夕焼け色にかわっていた。
なんてこった、昼飯を食べ忘れた。
いやまて、中世は朝夕の二食だったか、昼飯の代わりにおやつを食べていたんだったか、はっきりさせないといけない、大切なことだ。
がたり、と扉が開く音がする
「おきた?」
ウィリアムの七歳になる娘、ジェミーだったか、が扉を開けて寝室に入ってくる。
「おはよう、には遅すぎるか、おそようジェミー」
「おそよう、えっと……」
「一回しか名乗ってないし、覚えていないのも当然か。タダノブだ、数日の間しか居ないが、改めて宜しく頼む」
ジェミーは幾度かタダノブと口の中で唱えた後、何故か満足げな顔で。
「覚えたよ、タダノブね、もう忘れないから!」
と元気よく答える、元気一杯なのは結構だが寝起きに大きな声は少し堪える。
「それで、どうしたんだ。何か仕事か?」
オーガによって負傷した男手を補う必要あるのかもしれない
「お仕事じゃ無くてね、遊んで欲しいの、お父さんもタダノブと遊んで貰いなさいって!」
どうやら子守りという仕事を任されたらしい。
兄弟の中では三男と下の方に位置する俺だが、それでも年下の子供たちを引き連れて遊んだ事もある。
子守りの一つや二つ、俺にできない事ではない
「よし、任せろ。おままごとでもヒーローゴッコでも何でも来い」
ドン、と胸を叩き、自信のほどをアピールしてやる。
取り合えず皆と合流する、とジェミーに連れられて広場にやってきた。
広場にはジェミーと年の近そうな子ども達が6人待っていた。
「旅人のタダノブだ、短い間だが宜しく頼む、それでいつもは何をして遊んでるんだ?」
おにごっこ、木登り、川遊びなど続々と遊びの案が上がっていく、だが一人の
「旅人って初めて見たから、お話を聞きたいな」
という意見から俺は自分語りを始める事になったのだ
すごく間が空きましたね。
特に理由は無いのですが…
コンスタントに投稿されてる方って尊敬しちゃいます!