文学賞の場合、題名は短いほうがいい
題名は、小説の「顔」であり、最初に読者の注意を引く部分である。
だからこそ、簡潔であることが重要だ。
長い題名は、一見すると作品の内容を詳しく伝えてくれるように思える。
しかし実際には、読者に物語の結末や展開のヒントを与えすぎてしまうことがある。
読み始める前から筋が透けて見える題名では、読者は自らの好奇心を働かせる余地を失う。
小説は読む行為そのものに楽しさがあるのだから、最初の段階で情報を与えすぎることは、物語の緊張感を削ぐことにもなる。
この点で、ネット小説の長い題名とは逆の発想だと言える。
ネット小説では、検索やクリックされることを意識して、作品内容を過不足なく並べた長い題名が好まれることが多い。
しかし出版小説の世界では、簡潔な題名が読者の想像力を刺激し、物語の扉を開く。
簡潔で力強い題名は、作品の核心に読者を引き込む。
それはまるで、短い呼びかけに反応して心が跳ねる瞬間のようだ。
小説の題名は、あくまで入口であり、内容の全てを語る必要はない。
むしろ語りすぎないことが、読者を物語の中へ深く誘う鍵になるのである。
新潮新人賞「クロスフェーダーの曖昧な光」は、題名が長く説明的だという講評があった。
なぜ兄が光恐怖症になったのか、書かれてないのが欠点だが、新人賞なので甘かったので受賞に至った。




