漫画と小説の視点の違い
1. 小説の視点
小説は文章で読者に情報を伝える媒体です。
視点は「誰の目を通して物語を見るか」を文章で表現します。
一人称:主人公や登場人物の視点で描く。
三人称:特定の登場人物の心や行動だけに焦点を当てる。
小説では内面描写が自由に書ける分、視点混乱が起こりやすい。
特に章や段落をまたぐときに、誰の心の中なのか不明瞭になる場合があります。
視点が変わる場合は章・段落・番号などで明示的に区切るのが原則です。
2. 漫画の視点
漫画は絵とセリフで物語を伝える媒体です。
視点は画面構成(コマ割り、カメラアングル、フキダシの位置)で示されます。
「誰の目で見ているか」はコマの構図で表現されることが多い。
セリフやモノローグで補足される場合もある。
漫画では絵が直接情報を伝えるため、読者は視点を比較的直感的に理解できる。
3.
最近の傾向は少し変わっているようです。
福本伸行さんの「カイジ」シリーズは、漫画でありながら視点を混乱させないように書いています。
あるときは「カイジ」あるときは「和也」あるときは「ヤクザ」と視点を固定しています。
漫画に小説の視点の考えを取り入れています。
古い漫画「巨人の星」で、花形の(アルトマンが一度も素振りしないで・・)という内面描写は、完全に自由だったからです。
ただし、日高美奈の心理描写が一回しかありません。
「やさぐれ雀士」でもチャッピーの内面のセリフは一回しかありません。
古い少年向け漫画、青年向け漫画でも、女性の心理描写はしないほうがいいという考えはあったようです。




