表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

02.燃えたモノ

「行けー!」


そう叫ぶ声が響き渡った瞬間、大量の液体を持った者や松明を持った者が教会内に押し入る。

何かを考える暇もなく突然辺りが燃えだし、一瞬で炎に包まれ、肌に突き刺すような熱さを感じて初めて放火だと気が付いて一斉に逃げ出す。


しかし、扉の前では大きな火柱が聳え立つ。

身長を超えるほどに大きく進路を塞ぐ光景に狼狽え、足が止まる。


そうしている内に喉が焼けるように熱くなり、黒煙に覆われ視界も奪われていく。

「熱い熱い熱い!!助けてっ!!!」と大きな火だるまが辺りを駆け巡り、次第に動きが鈍くなる。

言葉にならない悲鳴を上げながらドサッと崩れち、そのまま動かなくなる。


地獄とも言えるような状況の中、やっとの思いで教会の出口にたどり着くも、そこで待ち構えていた人間によって行く手を阻まれる。

這いながら姿を現し、新鮮な空気を吸い込みホッとした表情を見せるも、眼前に現れた人間にヒュッと顔が青ざめ、言葉を発することもできず容赦なく背中を突き刺す。

背中を貫かれコロンと赤い結晶が転がるも、視界に入らず踏みつぶされ粉々に散った。


その近くでは赤子を抱え、炎をまといながら駆ける女性を切り捨てる。

燃え盛る教会の中から現れる悪魔へ次々と人間が襲い掛かり、あたり一面が真っ赤に染まっていく。


「逃げろ!!!」


そう一層大きな声が聞こえ、逃げ遅れている悪魔たちも決死の思いで力を振り絞って走る。

外では先に脱出をした軽症の悪魔が応戦し、甚大な被害の中でも剣を握って立ち続けている。

協会の入り口付近にいた一人の若い悪魔が地面が揺れるほどの低い雄たけびを上げ、掴み掛ろうと走り出す。


キーーーーーーーーッ


耳を劈くような異音が突き抜けた。

踏み出した足が止まり皆が顔をしかめていたその時、先ほどの異音とは比べ物にならないほど大きな爆発音が響き渡る。


教会が爆破されて熱風とともに体が浮き、瓦礫が体を殴り、刺し、切り付ける。

そして、少しずつ消えていく悲鳴に逆らうように、指揮を執る勇ましい声が一層力強くなる。




-------------





崩れ落ちた教会と消えない炎。

ガラガラと瓦礫が転がり、黒い煙を上げながらパチパチと燃え続けている様子をジッと見つめる。

しばらく待つが何も起こらない。


その瞬間、「うおおおおお!!」と歓声が上がった。


「教会を制圧したぞ!」


「人間が勝った!!」


「これが人間の力だ!!」


憎き悪魔を討つ事に成功し、固い握手を交わし抱き合う。

すべての悪魔を討つ事は出来ていないと分かってはいるものの、今何十人とも言える悪魔を自分たちの手で倒す事が出来た喜びに笑顔が広がる。

そして、しばらく喜びをかみしめたかと思うと、次は憎しみをぶつける。


親の仇、妻の仇、子どもの仇と、近しい者が悪魔によって殺された悔しさに涙を流す。

膝をつき、嬉しさも憎しみも混ざった複雑な感情にグッと拳を握りしめる。




キーーーーーーーーッ




また先ほどと同じ耳を劈くような異音が突き抜けた。

1度目は爆破の合図、2回目は撤退の合図だ。

生き残りの悪魔がいない事を確認し、号令が行われた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ