表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【TS転生異世界格闘バトル小説】転生美少女(元♂格闘家)はその拳で無双する ~魔法? スキル? 知るか! 鋼鉄の肉体とMMA技術で、理不尽も陰謀も全部ブッ飛ばす!~  作者: 霧崎薫
第3章:都市の洗礼と魔法の壁

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/33

パート4: 旅立ちの準備

 レンブラントへの出発は、三日後と決まった。

 俺自身の体力回復と、旅の準備に必要な時間だ。その間、俺は小屋で休息を取りつつ、バルガス村長や他の村人たちから、レンブラントや道中の情報、そしてこの世界の基本的な知識について聞き取りを行った。


 やはり、魔法はこの世界の根幹をなす力らしい。生活の隅々にまで浸透しており、魔法を使えるかどうかで、社会的地位や生き方が大きく変わる。魔法使いは尊敬されると同時に、畏怖される存在でもあるようだ。


 スキルやステータスは、やはり神殿での洗礼か、冒険者ギルドでの登録によって「可視化」されるとのこと。自分の能力を数値で把握できるというのは、ある意味合理的だが、それに頼りすぎる弊害もあるのではないか、と俺は感じた。


 冒険者ギルドは、実力主義の組織であり、様々な依頼クエストをこなすことで報酬と名声を得られる場所らしい。国に属さず、自由な立場だが、それゆえに危険も多い。俺のような、身元の不確かな人間が活動するには、都合の良い場所かもしれない。


 一方、リリアーナは、村の女性たちに教わりながら、旅に必要な知識――野営の方法、簡単な応急手当、食料の保存方法などを必死で学んでいた。貴族令嬢とは思えないほどの熱心さで、時折失敗しながらも、健気に努力している姿は、少しだけ感心させられた。


「フローネ様、見てください! 火起こし、できるようになりました!」


 得意げに火打石を打ち鳴らすリリアーナ。その顔は煤で少し汚れていた。


「…ああ、そうか。火傷するなよ」


 俺は相変わらず素っ気なく返すが、内心では(少しは役に立つようになったか)と思っていた。


 村人たちも、俺たちの旅立ちのために協力してくれた。

 バルガス村長は、古びてはいるが丈夫な革鎧と、旅用のマントを用意してくれた。俺の身体に合わせて、村の女性がサイズを調整してくれたらしい。


「フローネ様には武器がないようじゃったからな。まあ、あんたにゃ不要かもしれんが、気休めにはなるじゃろ」


 とのことだ。鎧など着るのは初めてだが、防御力は上がるだろう。ありがたく受け取ることにした。


 食料も、干し肉や保存の効くパン、木の実などを、村でできる限り分けてくれた。リリアーナも、自分で作った(らしい)携帯食を準備している。


 そして、拘束した騎士たちだが、結局、出発の前日に解放することにした。武器は返さず、食料と水を少しだけ与え、「二度とこの村に近づくな」と警告して追い払った。いつまでも村に置いておくわけにはいかないし、殺すわけにもいかない。これが最善の判断だろう。ゲルハルト隊長は、屈辱に顔を歪ませながらも、何も言わずに部下を連れて去っていった。嵐の前の静けさ、でなければいいが。


 三日後。旅立ちの朝。

 俺はバルガス村長から借りた革鎧とマントを身に着け、背中に荷物を背負った。見た目は、少しだけ冒険者らしくなったかもしれない。相変わらず、銀髪碧眼の美少女だが。

 リリアーナも、動きやすい旅装に着替え、決意を秘めた顔で隣に立っている。


 村人たちが見送りに集まっていた。恐怖と畏怖だけでなく、今は感謝と、そしてわずかな親しみがその目に浮かんでいるように見えた。


「フローネ様、リリアーナ様、どうかお気をつけて!」

「レンブラントに着いたら、俺たちのこと、たまには思い出してくだされよ!」


 口々に、別れの言葉をかけてくれる。


 バルガス村長が、俺たちの前に進み出た。

「フローネ様、リリアーナ様。短い間じゃったが、世話になった。これは餞別じゃ」

 そう言って、小さな革袋を差し出す。中には、さらにいくらかの金銭が入っているようだった。


「…世話になったのはこっちだ。村長、達者でな」


 俺は革袋を受け取り、短く礼を言う。


 リリアーナも、深々と頭を下げた。


「バルガス様、村の皆様、本当にありがとうございました。このご恩は、決して忘れません」


 俺たちは、リルカ村の住人たちに見送られながら、東へと続く街道へと歩き出した。

 目指すは、都市レンブラント。

 新たな出会いと、新たな戦いが、そこには待っているだろう。俺は、少しだけ引き締まる思いで、前を見据えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ