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【TS転生異世界格闘バトル小説】転生美少女(元♂格闘家)はその拳で無双する ~魔法? スキル? 知るか! 鋼鉄の肉体とMMA技術で、理不尽も陰謀も全部ブッ飛ばす!~  作者: 霧崎薫
第3章:都市の洗礼と魔法の壁

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パート1: 戦いの後

 リルカ村の入り口は、凄惨な光景が広がっていた。


 地に伏せる王国騎士団の兵士たち。飛び散った武具。そして、その中心に、銀髪の少女――俺が一人、静かに立っている。


 村人たちは、遠巻きにその光景を眺め、声も出せずにいた。先程までの恐怖と、目の前で繰り広げられた信じられない戦い、そしてその結果に、ただただ圧倒されている。


 (…クソ、身体が重い…)


 俺は内心で悪態をつく。全身の筋肉が悲鳴を上げ、呼吸もまだ整わない。騎士団長との最後の攻防は、想像以上に体力を消耗していた。立っているのがやっと、というのが正直なところだ。


「フローネ様!」


 そんな俺に、リリアーナが駆け寄ってきた。その瞳は潤み、心配そうに俺の顔を覗き込む。


「お怪我は!? 大丈夫なのですか!?」


「…問題ない」


 俺はいつものように、ぶっきらぼうに答える。心配されるのは慣れていないし、弱みを見せたくないという意地もある。


「それより、こいつらをどうするかだ」


 俺は顎で、転がっている騎士たちを示す。


 その言葉で、村人たちも我に返ったようだった。村長のバルガスが、覚悟を決めた顔で俺に近づいてくる。


「フローネ…さん。すまなかったな、あんた一人に任せるような形になっちまって…」


 バルガスは深々と頭を下げた。その額には脂汗が滲んでいる。


「礼はいい。それより、今後のことだ」


 俺は疲労を押し殺し、バルガスに話を促す。


「騎士団を退けたが、これで終わりじゃないだろう。奴らは必ず戻ってくる。あるいは、もっと大軍でな。この村はどうするつもりだ?」


 俺の問いに、バルガスは難しい顔で唸った。


「それは…これから皆で相談せねばなるまい。騎士団を敵に回してしまったのだからな…」


 バルガスは村の男たちを集め、緊急の寄り合いを始めた。皆、顔は青ざめ、不安と恐怖の色を隠せない。騎士団からの報復を恐れる声、フローネへの感謝と畏怖の声、リリアーナをどうすべきかという声が入り混じる。


 俺はその議論の輪には加わらず、少し離れた場所で壁に寄りかかり、体力の回復に努めた。リリアーナが心配そうに傍らに立っている。


 やがて、議論は一応の結論を見たようだった。バルガスが、再び俺の元へやってくる。その顔には、疲労と、そしてある種の覚悟が浮かんでいた。


「フローネさん…いや、フローネ様と呼ばせてもらう」


 バルガスは改まった口調で言った。


「村としての意見がまとまった。まず、倒れた騎士たちじゃが…武器を取り上げ、村の倉庫に一時的に拘束させてもらう。殺すわけにはいかんからな」


「…妥当な判断だ」


 俺は頷く。殺せば、言い訳の余地がなくなる。


「そして、リリアーナ様のことじゃが…我々は、リリアーナ様を見捨てることはせん。あんたがあれだけの戦いをして守ってくれた方を、騎士団が怖いからといって突き出すような真似はできん」


 バルガスの言葉に、リリアーナがはっと顔を上げた。


「ただし、この村に長居はさせられん。騎士団の目が光っている以上、ここにいてはリリアーナ様も、村も危険じゃ。頃合いを見て、村から送り出すことになるだろう」


 それが、村としてのギリギリの選択なのだろう。


「最後に、フローネ様。あんたには、感謝してもしきれん。あんたがいなければ、今頃、村は…」


 バルガスは言葉を詰まらせた。


「あんたの処遇についてじゃが…俺たちがあんたをどうこうできる立場ではない。ただ、もしあんたさえ良ければ、少しの間、この村で傷と疲れを癒してはくれんだろうか? ささやかだが、礼もさせてもらいたい」


 俺はバルガスの目を見た。そこには打算だけでなく、純粋な感謝と、俺という存在への畏敬の念が見て取れた。

 ちょうどいい。俺も休息が必要だ。そして、情報も。


「…分かった。世話になる」


 俺は短く答えた。

 こうして、戦いの後の、束の間の休息が始まることになった。


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