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【TS転生異世界格闘バトル小説】転生美少女(元♂格闘家)はその拳で無双する ~魔法? スキル? 知るか! 鋼鉄の肉体とMMA技術で、理不尽も陰謀も全部ブッ飛ばす!~  作者: 霧崎薫
第2部:拳と理不尽

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パート8: 騎士団との衝突


「うおおおお!」


 先陣を切って、三人の騎士が同時に襲いかかってきた。それぞれが剣を構え、連携を取りながら俺を包囲しようとする。森で戦った傭兵崩れとは、練度が違う。


 (…速い! 重い!)


 繰り出される剣撃は鋭く、重い。鎧を身に着けているため、動きは若干鈍いが、それを補うだけのパワーと技術がある。

 俺はステップワークを駆使し、紙一重で剣線を躱し続ける。防御に徹し、相手の動きと癖を観察する。


「チィッ! 素早いガキだ!」


 騎士の一人が舌打ちする。


 ただ避けるだけではジリ貧だ。相手の攻撃のリズム、連携の隙間を見極め、カウンターを叩き込む必要がある。


 一人の騎士が、大きく踏み込んで胴を薙いできた。その動きに合わせて、別の騎士が背後から突きを繰り出す。見事な連携だ。


 (…ここだ!)


 俺は薙ぎ払いを潜り抜けるように低く沈み込み、背後からの突きを、身体を捻って半身で受け流す。

 そのまま、突きを繰り出した騎士の腕を掴み、軸足を払う。


「なっ!?」


 騎士はバランスを崩して体勢を乱す。そこへ、すかさず掌底を顎に打ち込み、脳を揺らす。騎士はぐらりとよろめいた。


 その隙に、もう一人の騎士が横から斬りかかってくる。

 俺は体勢を崩した騎士の身体を盾にするように使い、剣撃を受け止める。


 (…森での戦いの再現だな。芸がない)


 だが、相手は騎士だ。それで怯むようなヤワではない。

 盾にした騎士を突き飛ばし、斬りかかってきた騎士に肉薄する。相手は咄嗟に防御しようとするが、遅い。

 俺は相手の剣を持つ腕を取り、肘関節へ下からアッパーのように肘を叩き込んだ。


「ぐああああっ!!」


 騎士は悲鳴を上げ、剣を取り落とした。肘が、ありえない方向に曲がっている。完全に折れている。


 三人目の騎士が、仲間の惨状を見て一瞬怯む。

 俺はその隙を見逃さず、一気に距離を詰め、がら空きになったボディへ強烈な掌底を叩き込んだ。鎧の上からだが、内臓に響く一撃だ。


「ぐ…ふっ…!」


 騎士は呻き声を上げ、その場に崩れ落ちた。


 わずか数十秒の攻防。しかし、その間に三人の騎士を戦闘不能にした俺の戦いぶりに、残りの騎士たちも、そしてゲルハルト隊長も、驚愕の色を隠せないでいた。


「ば、馬鹿な…魔法も使わずに、素手で騎士を…!?」


 ゲルハルトが信じられないものを見る目で呟く。


「…次」


 俺は短く告げ、再び構えを取る。息は上がっている。体力は確実に削られている。

 だが、闘志は衰えていない。


 村人たちは、ただ呆然と俺の戦いを見守っている。恐怖と、そしてわずかな期待が入り混じったような目で。リリアーナも、唇を噛み締め、祈るように俺を見つめていた。


 (…まだだ。まだ終われない)


 俺は残りの騎士たちを睨みつけた。

 この理不尽な要求を、力で捩じ伏せるまで。


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