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運命の出会い、運命の別れ

作者: 柚子ポン酢

初投稿の小説です。少しだけ長めですしストーリー製作も下手なので違和感を感じるかもしれませんが頑張ってかいてみました。

冬が去り始めたがまだ冷える2月の終わり。この日は雨が降っていた。終わりの見えない雨と風。今日はなんだか...


??「嫌な予感がするな...」


学校の帰り道。俺は何となくそう感じた。


??「えー?そうかなぁ?」


??「っ!?」


不意に後ろからの声に反射的に大きく距離を取る。


??「なんだ鈴か...まじで心臓に悪いから後ろから話しかけんなよなぁ...」


柚郗「それは君がビビりすぎなのだよ。悠くん?」


彼女は柚郗鈴音。いわゆる俺の幼馴染だ。そして俺の彼女でもある。さらに言えば許嫁だ。俺は鈴と呼んでいる。俺は悠と呼ばれている。鈴は学生としてはかなり背が小さい。彼女は基本的には大人しく、優しい...のだが、たまに少しオタク気質の片鱗が見え隠れする。まぁ...そういうところも嫌いじゃない。


鈴音「それにしてもさぁ...確かに天気は悪いよ?けどそんな嫌な感じは無いんじゃない?第一悠くんは心配性すぎだよ?」


悠「いや。こういうときの嫌な予感ってのは意外と当たるんだぜ?」


鈴音「まぁそうだねぇ...警戒するに越したことはないからね!」


悠「あぁ。そうだな」


鈴音「......」


鈴音「はぁ...」


悠「どうした?」


鈴音「いや...なんでもない」


悠「いや。そんなわけ無いだろ?」


鈴音「実はさ...」


鈴音「今日ね。朝親と進路のことで揉めちゃったの...それでなかなかギスギスしちゃって...」


悠「家に帰りづらい...と」


鈴音「そうなの...」


悠「んじゃどうする?うち一人暮らしでなんにもないけど泊まってく?」


鈴音「…いや。ありがたいけど迷惑そうだしやめとくよ」


悠「...そか。何かあったらちゃんと相談しろよ?」


鈴音「ありがと!」


そして2人は家に帰った。そしてその一日は何事もなく終わる...はずだった


その日の夜10時半。それは起こった


悠「ふぅ...風呂も入ったし歯も磨いた。後は寝るだけだな。...っと明日の弁当の仕込み忘れてた。やんないt...」


ドタドタドタ...!


悠「ん?なんだ?こんな時間だからあんま騒がしくしてほしくないんだけど...」


ドンドンドン!(扉を叩く音)タスケテ...


悠凪「うちかよ...ったく誰だよ?...はーい」


悠「...っ!おい鈴!どうした?!」


夜の来訪者は鈴音だった。雨のなかを走ってきたのかずぶ濡れで、酸欠なのか意識も鈍かった。


鈴音「お願...い。少し匿...って」


悠「...わかった。後でちゃんと事情話せよ?」


鈴音「ちょっと待って...来てる」


急いで扉を閉める


??「おい鈴音!ここいいるのは分かってるんや!はよ出てこい!」


悠「...あの人は誰なんだ?」


鈴音「私の...お父さん」


悠「ああなってるのってやっぱさっきの...」


鈴音「...うん」


悠「わかった。話を付けてくる」


鈴音「ちょっと...待って」


悠「大丈夫。死にに行く訳じゃないんだから。それにここにいれば鈴も安全なはずだよ...」


鈴音「大丈夫。私が話せば済むからさ。こんなとこまで悠に迷惑をかけるわけには...」


悠「いや大丈夫。彼女が困ってるときに助けるのは彼氏の仕事だぜ?」


鈴音「...」


悠「んじゃ、行ってくる。」


扉を開ける


悠「こんな夜遅くにうちに何の用ですか?」


父「ここにうちの娘がいるだろう!?返してもらおうか!」


悠「確かにいますね。ですが、返すわけにはいきませんね。」


父「なんだと?何のつもりだ?」


悠「彼女は帰りたくないと言っています。

その状態で返すわけにはいきません。」


父「冗談は顔だけにしろ...さっさと返せ。」


悠は耳元で囁く


悠「ボソッ...」


途端に父の顔が青ざめる


父「なぜそれを...それは一部の人間しかしらないはず...」


悠「互いの立場がわかりましたか?これ以上五月蝿く騒ぐならネットにばらまくぞ?」


父「クソが...」


扉が閉まる。鍵をかける。静寂が訪れる。


悠「終わったよ。」


恐る恐る鈴が顔を出す。


鈴「...ホント?」


悠「ホントだよ」


鈴「よ...良かった...」


鈴の目に涙が浮かぶ。高校二年生になったといってもまだか弱い女の子だ。父から逃げてきた体験の恐怖は想像を絶するものだろう。


悠「ほら、びしょ濡れなんだから。風呂使っていいから風邪引かないようにな。」


鈴「うん...」


今度こそ今日が終わった。悠はひどい倦怠感に襲われた。


翌日、鈴に合鍵を渡して学校に行った。鈴は部活に所属していない。バイトも、父が現れることを恐れ、止めた。だが、悠は飲食店でバイトをしていた。故に帰りは鈴の方が早かった


鈴「ただいま...」


ふと気になり、鈴は悠の部屋を覗いた。

いたって普通の、一人部屋。本棚があった。どんな本を読んでるんだろう...辞書など色々な本があった。そのなかに一つプラスチック製の背表紙。

ファイルだ。

なんだろう

鈴は開いた

そして、そこに書かれていた言葉は、鈴にとってはあまりに残酷で、理解しがたい内容だった。



        [柚郗鈴音の人体実験]

           及び

     [それに伴う暴走を抑える人造AI]


        開発コードHNR165F

           別名:悠



鈴「そんな...悠が...AI?」


ファイルの目次に目が行った。

その最後に書かれていた



   [もしこのファイルが悠以外に開かれた場合]


      *自動制御により自壊する*




鈴「そんな...嘘でしょ?私のせいで...悠が死ぬ?止めないと!...」


そして鈴は悠のバイト先へ向かった。


鈴「すみません!彼s...悠はいませんか?!」


バ先の先輩「あ、いえ。先ほど帰りましたよ?用事ができたって言って」


鈴「そうですか...ありがとうございます。」


そして探しにいくが...


鈴「どこに行ったのよ...。結婚しようって...言ってくれたじゃん...。なんで今更いなくなるのよ」


これ以上思い当たる場所なんて鈴は知らない。

そんな気持ちを嘲笑うかのように雨が降り始める。頬を濡らしたのは雨か、涙か。


鈴「誰でもいいから助けてよぉ...」


鈴はその場に踞る。この雨は、鈴音の涙が乾くことを許さないかのように強く、降り続けた。

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