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「今、何かが、走っていかなかった? すごく小さい……」

「画像分析、お願い」

『とりあえず、さっきの映像をコマ落としで再生してみる』

 その無線通信と共に、モバイルPCの画面にカクカクした映像が表示される。

「ネズミ?」

「映像が不鮮明だから何とも言えないけど……変じゃない? 血塗れに見えるのに……普通に走ってる。この血……このネズミのモノじゃなくて返り血?」

「このネズミの推定速度は?」

『映像が不鮮明だから、かなり不正確な値しか出せない。最低でも時速二五㎞、時速五〇㎞超えてる可能性も有る』

「それって、ホントにネズミが走る速さ?」

『推定下限ぐらいなら……瞬間的にそれ位の速度は……出せるかも知れないけど……』

「このネズミが病気の媒介なら……どうする?」

『問題は、ネズミだけじゃない。中世ヨーロッパで流行ったペストを媒介したのは、ネズミに付いてたノミだった筈。謎の病気の媒介がネズミなら……ネズミの寄生虫や排泄物や死体からも病気が広まる可能性が有る』

 「正義の味方」の後方支援要員が解説してくれた。

「サンプル分析回収班は……単なる(放射能)(微生物)(化学物質)用の防護服じゃなくて、ネズミに噛まれても大丈夫なモノを着用する必要あり……か……。用意有る?」

 後方支援要員に問い合わせるピンガラーラ。

「最悪、あたし達が回収する。回収時の注意点を、あたし達の拠点宛に連絡しといて」

 続いて、あたしは、そう言った。

「それと……アカリちゃん……えっと……」

「ネズミは、人間に比べて『気』が小さい。『気』の量が体重に比例するなら、多分、ネズミ1匹で、人間1人分の気の一〇〇分の一以下ぐらいだと思う」

「それで見落しちゃったか……」

 失敗と言えば失敗だけど……情報が少ない状況では仕方ない。

「畜生……やりにくい……。町1つ一瞬で滅ぼせる怪獣か何かの方が……まだ、打てる手はいくらでも有りそう……」

 ピンガーラが、そうボヤいた。

 それは、あたし達「異能レスキュー隊」も同じ……。

 この世界には……ほんのわずか……通常の「異能力者」や「魔法使い」に比べてさえ、超レアものだけど、でも、確かに「1人で町1つ滅ぼせる」ほどの超弩級の「異能力者」が存在している。

 そんなのが暴れ出した場合に、せめて、一般人だけでも逃し助ける。

 その為に設立されたのが、あたし達「異能レスキュー隊」だ。

 でも……。

 今回の件は、その逆。

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