表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幸福の花は静かに笑う  作者: 武尾 さぬき
第4章 意思疎通≪コミュニケーション≫
185/214

◇ 間奏4 ◇

××日目




 この世界に来た日から電源を切っていたスマートフォンを付けた。長期間放っていたので電池が切れているかと思っていたが、奇跡的に電源は入った。画面が点いた瞬間にバッテリーを抑えるモードに切り替わった。操作はわずかな時間しかできないだろう。




 当たり前だが、圏外の表示で電話もインターネットも使えない。ただ、今使いたい機能はそれではなかった。このスマホを持ってから一度も使ったことのない機能で、急に思い出したものがある。




 それはオフラインの辞書機能だ。




 電子書籍のダウンロードで、過去に入れた記憶があった。もっとも現代の日本にいたとき、その機能は一度も使っていない。


 電池の残量が頼りないので、素早く操作して辞書でとある単語を調べた。





 『ラナンキュラス』





 花について、それほど興味があるわけではなかったが、これだけは調べておきたかった。花言葉は、色によっていくつか種類があるようだ。私はラナさんを想像して、彼女の紫に輝く髪を思い浮かべた。




 紫色のラナンキュラス。





 ――花言葉は「幸福」。





 これを目にした瞬間、スマホの画面は真っ暗になった。もう画面を付けることはできないだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ