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修行再開①(ステータス公開)

 フェンリルさんの所での修行? レベリング? を終え、私達はステンノーさん達の元へ帰って来ました。行きが転移の魔法だったのだから帰りも同じだと思うじゃないですか? 私もそうかと思いきや、まさかの帰りはメドゥーサ号でした。揺られながら私がナニをしたかは言うまでもありませんよね。その対処として、メドゥーサちゃんは私が吐きそうになる度に、石化の魔眼をチラつかせて、無理やりにでも私に自己抑制させるのですから、まるで鬼の様でした。


 ……結局吐いちゃいましたけど。



 既にステンノーさんと再会の挨拶を交わした私は、蛇の祠の入り口辺りで、エウリュアレさんとばったり会って、声を掛けられました。


「久しぶりね、ありすん。大分長い事向こうにいたみたいだけど、詳しい話は後で聞くわ。先ずは、そのだらしない身なりを整える所からだな」


 そう言われて、私は自分の格好を顧みる。


 至る所が破けたボロボロのメイドシャツ。大事な部分は辛うじて隠せているものの、へその部分が破けて見えていたりと、酷い恰好だった。

 勿論、私に露出狂の趣味は無い。だけど、このメイド服は一着しかない戦闘着で、毎日の様に洗ったり、どの属性でもない無属性の魔法である『洗浄キュア』を使って、綺麗に保っては使いまわしていた。

 だが、此度のダンジョン攻略によって、魔物達(主に、黒狼とリッチ・キング)によって切り裂かれ、見るに堪えない悲惨な破け具合を見せていた。


 あとは、髪が伸びたでしょうか。ショートに切り揃えていた髪は解かれ、肩の少ししたぐらいまで淡い金髪が伸びていました。一か月間ちゃんとした手入れが出来ていなかったので、荒れています。


「……でも、この服はお嬢様から貰った大事な服でして……」


「馬鹿だな。別に奪おうなんて言ってねえよ。ちょっと貸して貰うだけだ。大丈夫、ちゃんと綺麗に縫い直して戻してやるから」


「……エウリュアレさん、裁縫の心得が?」


「ああ。昔、人間界に降りていた時に少しな……」


 一瞬、物悲しそうな表情を浮かべるエウリュアレさんでしたが、すぐに戻し、まるでちらかこぶを作るかのように、胸を張って自慢し、私に付いてこいと一言、言って歩き出しました。


 他にこの身なりをどうにかする宛てが無かった私は、取り敢えず盲目的にエウリュアレさんの後を追っかけていきました。そして、人間が使うサイズとは思えない自棄に大きな裁縫道具が散らかる一室に連れてこられた私は、その場で服を脱がされ、臨時に新しい服を着せられます。


 ――人間のサイズの服があるなんて……もしかして、前にも私以外に人間の女性が着た事が会ったのでしょうか?



 翌日

 宣言通りエウリュアレさんは一晩で私のメイド服を縫い直し、まるで新品の様に新しくなったメイド服が私の手元に渡されました。


「あ、ありがとうございます!!」


「これぐらいお安い御用だぜ。人間の着る物は不思議だ。様々な工夫が施されていて、精巧だ。何より可愛いらしい」


 感慨深そうにいうエウリュアレさんを不思議に思っていると、彼女は恥ずかしがるように身を翻して言いました。

 

「い、いいから!! 早く、それを着たお前の姿を見せてくれ」


 何はともあれ。エウリュアレさんのお陰で、今日の特訓も頑張れる気がします。私は、再度感謝の念を伝えると、自室に戻ってメイド服に着替えた後、今日の訓練場でるあの、広い庭へと出ました。


 そこには、師匠でもあるメドゥーサちゃんの姿が……


「さぁ。修行を再開するわよ。今のアナタなら、ワタシの肩の凝りを癒すぐらいは出来るかしらねえ?」


 修行が始まって二か月と四日が経過。


 メドゥーサちゃんから一本を取るという試練のリミットまで残り30日を切りました。


「ええ。勿論ですよ!! 今日こそ一本取らせて頂きますので覚悟してください!!」



――現在のステータス


アリス level 81   ↑(35)

種族:人間

職業:tsメイド

特技 黒魔法(影魔法)

スキル 女誑し

パッシブ 持続回復、持続MP回復(NEW)、黒の召使い(NEW)

称号:骸骨王を打ちし者(NEW)、【導者】に認められし者(NEW)



 最終目標

未完の魔神より強くなる。『レベル121以上』


 次の試練

三ヶ月以内に、メドゥーサから模擬戦で一本を取る。


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