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⑥「憲法9条改正」も大事だが、政府は安全保障に対して「今できること」をやっていない!

質問者:憲法9条改正の問題点についても大まかには分かりました。

 ですが「アメリカに隷属している」と言う状況はやはり国益に反するということにはならないのですか?



筆者:周辺国に対する弱腰に関しては確かに米軍に対する軍事的依存もありますけど、

9条が改正されても日本の対応が変わらない可能性は十分にあり得るからです。



質問者:例えばどういうことですか?



筆者:日本はアメリカに防衛を依存しているとはいえ、

世界の軍事力を数値でランキングするサイト『Global Firepower』が発表している

最新の軍事ランキングで日本はアメリカ、ロシア、中国、インドの上位4か国とは大きく離されているも5位。


最近増額が検討されていますけど今の時点でも日本の防衛費の年間金額は世界9位と言われているんです。


※参考までに北朝鮮は30位。

軍事ランキング2位のロシアと核も無く4カ月以上戦い続けているウクライナも25位とかです。



質問者:日本がそんなに上位の軍事力を持っているだなんて知りませんでした……。



筆者:そうなると、日本が外交的に舐められているのは軍事力というより政治力だと思うんですよね。



質問者:ですが、憲法9条が足枷になっているから軍事的行動が出来ないだけなのでは無いですか? 規模だけ5位でもまともに動けないのでは……。



筆者:一側面的にはそう言う面もあるでしょう。ですが、「軍隊を使わなくていい局面」においても弱腰なんですよ。


例えば、「尖閣諸島は日本固有の領土だ」と言う割には「漁船」と呼ばれている一団や、勝手に共同で行う筈のガスの開発を行っている中国に対して「遺憾の意」を述べるだけで事実上何もできていません。



2022年5月21日 共同通信『中国、新たなガス田試掘か 東シナ海、首相「遺憾だ」』より

『外務省は20日、東シナ海の日中中間線の中国側海域で、中国が新たな構造物1基の設置を進めていることを確認したと発表した。ガス田の試掘とみられる。岸田文雄首相は21日、「中国が一方的に開発を進めることは極めて遺憾で、日本としては認めることができない」と述べた。』


 それに対して数日後の中国の反応では、

『中国、ガス田開発正当化 「日本はあれこれ言うな」』より

『【北京共同】中国外務省の汪文斌副報道局長は21日の記者会見で、中国が東シナ海の日中中間線の中国側海域でガス田の掘削施設を完成させたことに関し「全く争いのない中国の管轄海域での活動だ」と述べて正当化した。日本が批判したことについては「日本はあれこれ言うべきではない」と反発した。

 汪氏は、中国が進めるガス田開発は「完全に中国の主権と管轄の範囲内だ」と主張した。』


 元々共同で経済開発をすることになっていた区域なので日本にも採掘する権利、勝手に採掘をしないように言う権利もあるんです。

しかしそれに関しては「自衛隊が軍隊であるか」どうかは関係ないと思うんですよ。


 でも、“日本の領土に限りなく近いところ”でやっていることに関しても全く強く言えない。そう言う現実があると思うんです。



質問者:確かに、これが「自衛隊が軍隊」になったところで何も変わりそうにないですね……。



筆者:事なかれ主義で「遺憾の意砲」を打つのみというのは明らかに国益に反します。


 この区域にある天然ガスの埋蔵状況について詳しくは分かりませんが、常識的に見たら、「同じ区域から取る」と言うことです。

 その前提なら、日本の天然ガスを採取するという権利は時間とともに失われていくことを意味します。


この様に完全になめられている状況を打開するためには、

日本が「傍観しない」姿勢を示していくことが対中国や対韓国における姿勢として重要だと思います。

 このまま日本側も採掘を始めないと東シナ海域周辺にあるすべての資源は奪われつくされるでしょうね。



質問者:なるほど……今のままの政府の姿勢ですと例え9条を改正したとしてもアメリカに対して「モノを申す」ことが出来るかと言うとそうでは無いとおっしゃりたいわけですね?



筆者:そういうことです。憲法9条は間違いなく日本を蝕む癌細胞の一つであることは間違いないとは思います。


ですが、それにしても自衛隊とは関係ない領域である、

現時点の尖閣諸島への中国への対応、北朝鮮のミサイルへの対応などを見ていますと、

とてもその点は期待できるものでは無いように思えます。



質問者:国防費の増額など最近は威勢のいいことを言っているように聞こえますけどどうなんでしょうか?



筆者:まぁ、防衛費予算を増額することについては反対しませんけど、

ですがほとんどはアメリカ産の武器を買うことがメインになると思いますからね……。

結局のところ他国に軍事を握られているという事実には変わりないです。


 自国の軍需産業を強化・推進、新たな国内企業参入を支援していく方向ならいいと思うんですけどね。

三菱重工業ぐらいしか日本のまともな軍需企業は無いです。


9条を改正しました。でも武器はアメリカ依存です――これじゃ何も根本の問題は解決しません。


9条に関する問題の本質は軍事的な事をアメリカへ依存していることによる“言いなりの状態”だと僕は思っていますから、状況としては何も変わっていないわけです



質問者:確かに……。



筆者:また核兵器についても「シェアする」話が上がっていましたが、

これも結局アメリカとシェアすることになりますからね。


 ただ勝手に核武装を自力ですることもアメリカから許可を取らないとイランや北朝鮮のように経済制裁の恐れがありますからね。


 依存度を高めるという意味では一緒なので「シェアする」ことも次のステップへの過程なので独自開発のためのロードマップを作る必要があると思いますね。


 核保有については国民の理解が足りないと思うのですが、

戦争をしないための軍事力保有の優位性についてもっと主張していくべきだと思いますね。


 本来あるべき議論としては核シェアリングをするなら、するとこういうメリットがあります。時期にこういう風に自力で持って行くようにします。


 しないのなら、その代わりこうやって国を守りますと。

 万が一の時にどうやって国を守るのか、道筋を明確にしてくれることによって不満もなくなるんじゃないかなと思いますね。


 それにしても今のK田首相は議論する気も無さそうなので論外なのですが……。



質問者:ですが、核兵器があるというのは何だか怖いような気もしますけど……。



筆者:その気持ちは分かります。

 ですが、「不戦の誓い」や「核を持たない誓い」は決して平和とイコールではないんですね。

攻め込んでくる相手はむしろ「弱い」と見たら容赦なく攻撃してきます。


 核保有国が近隣に3か国もあるという現状と、日本の弱腰外交の一端を担っているのは核兵器を持っていないことも一つあるように思うんです。

 ですが、これについては「自衛隊が軍隊であるか」と言うこととはまた別問題です。


 やはり憲法改正以外のことが出来ていないということの一つの証明であるように思えます。



質問者:「抑止力のための軍拡」と言うのも何だか嫌な感じがしますけどね……。



筆者:まぁ、実際のところは核兵器は日本以外には使用されていない状況ですから、核兵器を含む軍拡と言うのはある程度の戦争抑止には繋がっているのでしょう。


 ロシアとウクライナ問題も核による地政学上のパワーバランスが崩れたことも原因の一端を担っているように思えますからね。

 日本国内で核開発などを独自でやれる技術は今でもあると思うんですけど、

 実際に核開発を行うことはアメリカが許さないでしょうね。



〇情報戦の防衛について


筆者:また、物理上の国防だけでなく、情報戦・経済上の防衛についても全く足りないです。


 スパイ防止法を制定するなどの対策を早く取らなければいけません。

 特に中国の脅威に対して軽視している政策が多すぎます。


日本に来ている外国人留学生について日本学生支援機構の2021年度調査によりますと、

日本への外国人留学生総数は242,444人そのうち5割弱の114,255人が中国人だということです。


 今、欧米の大学などでは「孔子学院」が次々と閉鎖に追い込まれてます。

「留学生が日本の宝」などとほざいて給付金を与え、

日本人学生は奨学金の返済に苦慮しているんですから本当に笑えません。



質問者:ですが、学生さんなのですから国家とはあんまり関係ないのではないですか?



筆者:非常に甘い考えですねそれは。


 中国には国防動員法という中国共産党よりから指令されたら、

一般国民が中国内、外国を問わず一兵士(民兵みたいな)となることが義務付けられてます。


 

 2022年7月4日 の47NEWSの『成績トップだった中国人留学生は、母国の“依頼”を断れずスパイ活動の「末端」に転落した 夢を持つ若者を引き込む中国軍の情報活動 日本へのサイバー攻撃関与の疑いで国際手配へ』によりますと、


『公安関係者によると、中国の情報活動は、ロシアや北朝鮮とは異なる点がある。両国では、特殊訓練を受けたスパイが主な活動を担う。


 一方、中国は民間人を巻き込んだ「人海戦術」が特徴とされる。

特に2017年6月施行の国家情報法は、自国民や中国企業に対し、国家機関の情報活動への協力を義務付けており、こうした傾向はさらに強まっているとみられる。


 公安部幹部は「日本が好きで普通に生活している中国人が、

ある日突然、中国当局の指示でスパイ行為を働かざるを得なくなるという状況がある」と明かす。』


と言うことでこのスパイ活動は学生さんであってもそれは問いません。


これにより、日本の機密情報、学術研究、技術研究などがいとも容易く盗まれて行ってしまっています。


 それに対して非常に警戒感が無いのが日本の行政の実情です。

 しかも、本件の容疑者は恐らくは仮に逮捕されても軽い罪で終わり、祖国でもほとんどお咎めなしでしょう。

 これはスパイ防止法が無いからです。



質問者:これは確かに問題ですね……。



筆者:もちろん、12万人いる中国人留学生の全員がスパイになるとは思いませんし、

 中には本当に日本が好きな方もいらっしゃるでしょう。

 しかし、そう言う「リスクが非常に高い国」であるということを理解していかなければなりません。



質問者:しかし、スパイ防止法と言うのは中々評判が良くないようですが……。



筆者:戦前の印象があるからでしょうね。


 このスパイ防止法も「スパイ活動」を明確に定義しなければ、

「緊急事態条項」に並ぶほどの行政権の拡大に繋がり「悪い化学反応」を生みかねないですけどね……。


 これも簡単な話ではありません。

 しかしそれだけ日本は簡単では解決できない問題が山積みなのを長い間放置し続けているのです。

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