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故郷を追われた元王女は宇宙艦隊の夢を見るか?  作者: 伊藤 詩雪
episode 1 銀河の汚点がまた一ページ
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エピローグ

 このベガⅡ星系での仕事は終わった。

 アシュリーズは星系を離れ、次の仕事のために亜空間移動している。

 所謂ワープというやつだ。


「で、結局どうなったんですか?」

「さあ? お偉いさんに聞かないとわからないわ」

「えぇぇぇ、イシュタルは技術部門の副部長さんじゃないですかぁ。十分偉い人ですよぉ」

「私なんてしがない中間管理職なんだから、イリアとそうそう変わらないわよ」


 仕事が結局どうなったのかがよくわからなかったので、イシュタルに尋ねたのだが教えてくれない。


「何、話してるの?」

「あっ! サブリナ艦長。この前の仕事がどうなったのか聞いてるんですけど教えてくれないんですよぉ」

「うーん、どうなったと思う?」

「結構儲かったんじゃないですか? あの小惑星帯の坑夫の救助だけでも相当な貢献ポイントだって聞きましたから」


 この間の作戦は成功だったと思う。

 あの病院船の衣装もすごく役に立ってたし、ただのコスプレじゃなかったんだなあ。

 救助の貢献ポイントは大きいそうだから儲けも出たと思う。


 

 その話をしている間になぜかイシュタルが、そぉーーと、遠ざかろうとしてる?


「待ちなさい! イシュタル! キャリーから聞いたわよ。あの病院船のアイデアの一部ともう一つのコスチュームのこと」

「なっ、なんの事でしょーかねー」


 サブリナ艦長、笑ってるけどなんか怖い!

 イシュタルは顔引き攣ってるし!


「今回の仕事は赤字よ! それもかなりのね! 趣味に走って艦隊全体の借金増やしてどうするつもり?」

「ええぇぇ! あれ、作戦用じゃなくて本当にただの趣味だったんですかあぁぁぁ!」

「イリア、覚えておいて。ジルとキャシー、イシュタルが何か企んでいたら絶対ロクでもない事だってこと!」


 あー、イシュタルの顔が冷や汗で凄いことになってる!


「いや……確かに。でも……病院船の装備はそれなり役だったんじゃあ……」

「確かにそうね。でも、何? あの海賊の装備は? 特にあなたの仕込んだ鉤爪の『装甲車も一刀両断できるパワーアシスト』だけで、小型宇宙艇が一隻買えるほどの経費がかかってるんだけど」

「マジですか!」

「それだけじゃないのよ。実は、もう1バージョンあるらしいの。そして、その発案者はイシュタル。あなただと聞いてるわ。どうなの」

「いゃ、それは。何と言うか、気の迷いというか唆されたというか……………すいません。その通りです」


 そして、この話にはさらにおまけがついていた。

 病院船でやってたことが銀河連邦にバレちゃったらしい。

 秘密裡に救出するのはいいけれど、銀河連邦の別仕事の依頼であると偽ったのは、完全にアウト。

 

 大目玉を食って報酬を減額されちゃったのも大きいけれど、そのことはギルドを通して公開されてしまいアシュリーズの汚点として銀河に轟いてしまったらしい。


「今回の仕事の反省会をするから、イシュタル。あなたも出席すること!」

「はい…………」


 通常は仕事が終わった後に依頼についての振り返りをやるのだが、通常は主要艦である3戦艦の艦長と技術部長キャサリンさんが出席することになっている。

 そこにイシュタルが呼ばれるとなるとこれは振り返りと言うより…………

 艦長も『振り返り』と言わずにはっきり『反省会』と言ったしねぇ。


 その話を聞いていて、確かにまずいなあ、とは思ったけど。

 まあ、私には直接関係ないかな。


 そんなことより!

 私はもう一つの上陸隊の装備バージョンがあると言うのが気になって仕方がなかった。


 サブリナ艦長は言いたくなかったらしいけど、後で聞いたら渋々教えてくれた。

 海賊でも病院でもないもう一つの装備のバージョン! 何だと思う?


 なんと、メイドと執事だったんだって!


 艦長は怒ってその装備一式を銀河ネットのオークションに流してしまった。

 出来がいいから、どれもこれもかなりの高値で落札されたけれど、もちろんヤバい装備については全て封印したから赤字の補填ができるほどじゃあなかった。

 そのまんま売ったら赤字も回収できるけど、アシュリーズは艦隊丸ごとお縄になっちゃうからしょうがない。


 でもね。

 全部じゃなかったの。


 実は、男女一着ずつだけ内緒で取っておいてもらった。

 サブリナ艦長にお願いして。


 お披露目も他のみんなには秘密で、艦長の自室に私とその他数人だけが集った。


 男は執事服。

 着たのは、旗艦スリップで一番ハンサムな機関長ジョアン・コルトレーンさん

 最初嫌がってたのに最後はノリノリでポーズを取ってくれた。

 腰を折って挨拶する姿がとてもグッド。


 それで女の子はメイド服。

 着たのはペチコート艦長ケリーちゃん。

 可愛かったなあ。

「お帰りなさいませ、旦那様」って言って欲しかったけど、結局やってくれなかった。


 それでその服をどうしたかというと一応、着た本人預かりということに。

 でも、ケリーちゃんは恥ずかしがってこの服は封印するって!


 残念!

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