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うちの仲間おかしい人ばっか! ~首狩りホラーゲーマーは変人だらけの仲間たちと気楽に楽しくゲームを遊ぶ!~  作者: 川里モノ
第一章:無課金勢は宿敵の金ピカ脳筋女騎士にお金をかけずとも勝てますか?
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一人目 金ピカ脳筋女騎士 アカツキ が なかまになった!

『ボクがおいてけぼりなんですけど』



 耳の通信機から、不満げなエニグマの声が突き刺さってくる。


 俺はフレンドに何度目かの説明をした。



「仲直りしました、アカツキと」


『そこに至るまでの過程がわからないって話ですぅー!』


「だから、まあ……色々とあったんだよ! 察して!」



 仲直りに至るまでのある種の暴露合戦を事細かに説明するのもこっ恥ずかしいので、エニグマにはどうにか「殴り合った結果、友情が芽生えました」で納得して頂きたい今日この頃。


 さて、そんなわけでアカツキを加えた俺たち三人は、再びカサイBSLの攻略に挑戦している。


 先ほどは最深部っぽい扉の前まで辿り着いたものの、そこでアカツキとの戦闘に突入、相打ちとなってリスポーン地点まで戻されてしまった。


 なので今度こそ攻略を成功させ、ストーリーを先へと進めたい。


 ……アカツキの先を行くが原動力だった俺としては、彼女と仲直りした今ではのんびり攻略でも良いのだが、しかし負けず嫌いなアカツキさん、どうせやるなら頂点を目指したいらしい。


 本当に勝てるかは別として最速攻略レースに手を抜くつもりはなく、そのためまともな休憩もなしで二連続でのダンジョン突入でございます。


 まあ一度は最深部まで行けたのだ、しかも今度は俺とアカツキで戦力が二倍。


 二度目は楽に行けるだろうさ。



『ところで、えっと、アカツキさん?』


「何かしら、エニグマさん」


『色々とお話したいんだけど、いいかな? ほら、ボクはそっちのことよく知らないし』


「そうね、これから組む機会も多くなるでしょうし、構わないわ」



 アカツキはドローンアイの方を見ながら、通信機越しにエニグマと話し始める。


 よかった、喧嘩とかにならなくて。


 まあ二人には喧嘩するような理由もないのだけれど。



『それじゃあさ、気になってたんだけどアカツキさんのギルドは放っておいていいの? カネツグから話を聞いた感じ、自分のギルドがあるんでしょ? 昔、カネツグも所属してたとこ』


「ああ、それなら解散しました」


「えっ!? あれ解散したの!?」



 何気なく語られた衝撃の事実にビックリして、俺は声をあげてしまう。



「ええ、二年前に解散したわよ? 廃課金勢の課金競争について来られなくなったり、リアルの事情で引退したり、あと引き抜かれたりでギルドのメンバーが減って、最後は私一人になったから」


「知らんかった……」


「以降はずっとソロ。他のギルドに勧誘されたりもしたけど、自分一人で腕を磨いておきたかったから断ったわ」



 そりゃあ課金装備同士で性能差がつかない廃課金勢同士の戦いを二年間もソロでやってりゃ強くもなるよな……。



『それじゃあ、アカツキさんの人脈を利用して攻略レースを有利に進めたり、とかは難しそうだねえ』


「そうね、申し訳ないけれど」


『じゃあ次の質問。アカツキさんってホラーゲーマー?』


「違います!!」


『うわビックリした急におっきな声を出さないで!?』


「あ、ごめんなさい。でも私もカネツグみたいのだと勘違いされたくないから」


「人を変人みたいに言いやがって」


「FDVRのホラーゲームを楽しめる人間なんて変人以外の何者でもありません。……だから、私にホラー耐性を期待しないで」


『えー? そのわりにはさっき、カネツグに追いついてたじゃーん?』



 言われてみればと、エニグマの言葉に同意して頷く。


 アカツキが俺に襲いかかってきたのは、カサイBSLの奥深く。


 このダンジョンのホラー系演出の多さと、アカツキのホラー耐性を考えると、ありえないことだ。


 間違いなく途中で逃げ帰ると思っていたのに。


 もしやこの三年でホラーが大丈夫に? とも思ったのだが、



「…………あっちこっちでホラー演出に遭遇して、必死に逃げ回っていたら帰り道がわからなくなって、どっちに行けば良いかもわからず彷徨っていたら、いつの間にかグロテスクなフロアに辿り着いていたの」



 そういえば方向音痴でしたねこの子……。



「そうしたらカネツグの背中が見えて、このままだと先を越されると思って慌てて攻撃したわ」


「お前にしては変なところで攻撃を仕掛けてきたと思ったらそういうことか! ダンジョンの最深部でパニック状態の脳筋アバターに襲撃されるこっちの身にもなれ!」


「仕方ないでしょう!? 怖くて頭が回ってなかったんだから!」


「こっちはお互いもっと装備とかが整ってから戦うつもりでいたっていうのに」


「わ、私だってスキルとか装備とかもう少し揃えてから万全の状態で勝負を挑むつもりだったの! 大剣マスタリーのレベルもまだ上がってないし! STR強化や防御貫通のスキルも取ってなくてまだぜんぜんいつもの調子が出せないし!」


「攻撃性能強化系ばっかじゃねえかお前の習得予定スキル!」


「いいでしょ強いんだから! ……だ、だからそのうち、もう一度、私と戦って。今度はお互い、万全の状態で」


「……いずれな」



 課金による差がつかないR0なら、アバター性能に関しては平等な状態で戦えるだろう。


 仲直りとは別に、今ではどちらが強いのか、ハッキリさせておきたい気持ちはある


 ちょっとした、ケジメみたいなものだ。


 R0の攻略も進んでおらず、アバターのレベルも低い今の時期に考えておくような話でもないが。


 と、俺たちのやり取りを聞いていたエニグマが、呆れたような声を出す



『……仲がよろしいですねぇ、お二人さん? つきあってんの?』


「それはない」


「それはないわね」


『想定外の即答』


「アカツキは妹みたいなもんだし……」


「ちょっと待って、兄弟姉妹のようなものという点には同意するけれど、私の方が姉でしょう? こっちは誕生日が1週間も早いのよ?」


「1週間差でお姉ちゃんヅラするんじゃあありませんッ! 俺の方が背が高いし!」


「小学生の頃は私の方が高身長だったわ! そもそも今の身長差だってたった3センチじゃない!」


『急に子供の喧嘩を始めないで? ……ところで仲良く喧嘩しているところ悪いんだけど、そろそろ触手ちゃんフロアで――』



 突如、俺たちの背後で天井の通気孔カバーが落下し、ガァンとけたたましい音を響かせた。


 俺は普通に、アカツキは恐る恐ると振り返る。


 触手をずるずる蠢かせ、通気孔から無敵のエネミー・触手ちゃんが降りてきた。


 全身の目がこっちをぎょろりと見つめている。



「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――ッ!?」



 アカツキが全速力で逃げ出した。



「あいつ本当にホラー苦手だな……」



 俺は触手ちゃんの攻撃を軽々と回避し、屈伸と反復横跳びで煽り倒した後、急いで相棒を追いかける。

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