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うちの仲間おかしい人ばっか! ~首狩りホラーゲーマーは変人だらけの仲間たちと気楽に楽しくゲームを遊ぶ!~  作者: 川里モノ
第一章:無課金勢は宿敵の金ピカ脳筋女騎士にお金をかけずとも勝てますか?
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キューソネコカミ。

「……こ、れで終わると」



 俺は声を紡ぎ出す。


 HPが限りなく0に近づいており、一時的に体の動きが鈍っている。


 そう、HPは限りなく0に”近づいただけ”だ。


 ギリギリのところで0にはならず、たった1だけ残っている。


 お守り、装備しておいて良かった。


 そして、HPが1になったことで、俺のアバターが習得していたスキルが発動する。


 それを知らせるメッセージが俺の視界に表示された。



《SKILL ACTIVE ”窮鼠の牙”》



 左肩の鈍痛に耐え、歯を食いしばって意識を呼び戻す。


 右手に力を込めて、取り落しそうになっていたカタナを再び強く握りしめる。


 勝ちたいという意思を宿し、再び輝きを取り戻した目で、天音の涙目を真正面から受け止めて。



「これで終わると思ったのかよばーか!!」


「なっ!?」



 天音のすっかり気の抜けた表情を笑ってやる。


 驚く天音。


 死んでいなかった俺の動きに、彼女は対応しきれない。


 天音が纏う銀色の鎧、その左肩の付け根部分にある隙間を目掛けて、逆手に持ったカタナを突き立てる。


 狙うは心臓の位置へのクリティカルヒット。



「がっ、ぐ、あぁぁぁッ!?」



 ちょっと罪悪感が湧くような、苦悶の声。


 手応えあり。


 間違いなくクリティカルヒットの判定。


 天音のHPがみるみるうちに減少していく。


 彼女の両手から力が抜け、二振りの大剣がその手を離れた。


 俺は勝利を確信する。


 しかし、



「……そ、れでも、私が」



 最後に残った力を振り絞り、天音は首を後ろに引いて、



「それでも! 私が! 絶対に私が勝つんだからぁぁぁッ!!!」



 勢いつけた頭突きを、俺の額にお見舞いしてきた。



「ぎゃー!?」



 額と額が激突した瞬間、お互いにダメージ判定が発生する。


 1しか残っていなかった俺のHPは、あっさりと0に。


 天音のHPも頭突きの自爆ダメージによって減少速度が加速し、一瞬で底をつく。


 互いに、全てのHPを失った。


 ゲームシステムにより、俺たちには同時に同じ判定が下される。


 死亡、と。


 二人揃って力尽き、肉々しい床の上にべちゃりと倒れ込んだ。


 意識がアバターから離れ、真っ白い空間へと送られる。


 死体の消失とリスポーン地点での復活を待つ5分間、プレイヤーの意識は白い光が舞うあの世っぽいデザインの空間で待たされることになるのだ。


 その世界で俺は頭を悩ませる。


 これ、どっちの勝ちになるんだろう。


 ……いや、どう考えても。



「……引き分け、だな」

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