バレンタインとチェーンソー
2/13日
とある街にて...
わぁ、今日はなんでこんなに街が奇麗なのかな?
もしかして僕のためにこんな事をしてくれてるのかな。そうだったらうれしいな。
そしてとても甘い匂いがするよ。マスクを着けててもよく分かる。
けどみんな僕の事が見えてないのか、ずっと無視してるよ。
僕そんなのさびいしいな。僕寂しいと抑えきれなくなっちゃうよ・・・
殺人衝動が・・・・・
そういえばまだ僕はアレを持ってなかったね。やっぱりアレが一番似合うのはこの世界で僕だけだよね。
昔どこかであった女の子もそんな事を言ってくれたよ。
その時の女の子は泣きながらそう言ってくれたから、泣くほど似合ってるってことだよね。
けどアレはいつでも取ってこれるからまだいいや。
だけどさっきから気になってるこの甘い匂いは何なんだろう。僕こんないい匂いをかいだのは初めてだよ。
そして僕はその匂いのもとへと歩み寄って行った。人が避けているのも知らずに。
なんだ?この黒っぽい物は。いろんな形があるけどどれもいいな。
その時僕の前で一人の女の子が美味しそうにそれを食べているのを見た。
へぇ、これって食べるものなんだ。僕でも食べられるのかな、じゃあ試しに食べてみよう。
僕がその食べ物を手に取って食べようとしたら、どこからか男の人が来て僕の手を掴んだ。
「コラコラ君、そんな変な格好をして何してるんだ。お金払わないと食べちゃいけないんだよ。分かってる?」
お金?僕はそれを知らなかった。けどこの人はなんかとっても嫌だった。
まだ我慢してなきゃいけないと思ったけど、もういいよね。
僕はふっと現れたアレを手にしてすぐさまリコイルスタータを左手で引っ張った。
するとアレはチュイィィンという甲高くうるさいエンジン音を辺りに響き渡らせた。
途端に男は血相を変えて僕と逆の方向に走りだそうとした。
しかし僕がそれを許すわけがない。
僕は逃げる男に迫りより両手で持っているチェーンソーを振り上げ、男の背中目がけて振り下ろした。
どうやらそれはちょうど頸動脈にも当たったようで、首筋からは壊れた蛇口のように血が鮮血となって噴き出していた。
あは、良かったよく斬れる。ちゃんと昨日の夜に点検したりオイル塗ったりした甲斐があった。
男はいとも簡単に崩れ去った。そして辺りは悲鳴が反響しあっていた。
そして僕は誰もいなくなったことを知り先程食べ損ねた黒いものを口に放り込んだ。
あぁ、おいしい。こんな美味しいものは食べたのは初めてだ。
けどなんか周りがうるさいな。僕は静かなのが好きなんだけどな。
じゃあとりあえず違う所に行こうかな。
そして僕はまた別の街へと舞い降りた。
今度はさっきより静かな街だな。けどここにもさっき食べた物が置いてある。
ん?これって【チョコレート】って言うんだぁ。
へぇチョコレートかぁ、なんで皆これを紙とかに包んでるんだろう。すぐに食べればいいのに。
僕またチョコレートっていうのが食べたくなったな。
僕はまた店先に並んでいるチョコレートに手を掛けて食べようとした。
するとさっきのように店の奥から一人の女の人が出てきた。
「どうしたの僕、それが食べたいの?」
僕はもちろん「うん」と頷いた。
「パパとかママは・・・いないみたいだね、えっとじゃあ・・・」
この人もさっきの人みたいになんか嫌になってきた。
僕はいつでもチェーンソーは出せるけど、もう少ししたら出そうかな。
「しょうがないな、じゃあ一個だけね」
本当?返ってきた答えは予想と違っていた。
「うん、私がそれを作ったんだから美味しくないなんて言わないでね」
どうやらこのチョコレートはこの女の人が作ったものらしい。
僕はそのチョコレートの包み紙を取り除いて、一口で頬張った。
「おいしい」本当にそのチョコレートは美味しかった。まだあまり種類を食べたことはないけど。
「そう?ありがとね。本当は皆あんまり買ってくれないから全部捨てようと思ってたんだよね。もし良かったら違うのも食べる?」
そう言って包み紙の色が違うチョコレートを僕に渡してくれた。
僕はさっきと同じようにそれを一口で食べた。味は前のとはちょっと違ったけど甘くておいしかった。
「おいしいかな・・・よかったぁ。これ作るのにすごい時間かかったんだよね、作って良かった。みんな食べたくないって言うんだけどね」
それは本当に美味しかった僕が一番求めてる物かのようによかった。
「ん?どうやってこれを作るかって?・・・それは、教えられないんだよな」
僕はどうしてもそのチョコレートの作り方を知りたかったので必死に聞いた。
「・・・どうしようかな、本当は教えたくないんだけど・・・君ならいいかなぁ」
そう言うと女の人は僕を店の中に招いてくれた。
店の中にはだれ一人いなく僕とその女の人だけだった。
そして僕はその女の人についていって店の奥へと進んで行った。
どうやら店の奥には大きな冷蔵庫があるらしく女の人はそれを力をこめて開けた。
すろと扉の下から冷気が這い出てきて僕達の足元を包み込んだ。
女の人は寒そうにその中に入っていき、あるものに向かって指をさした。
それは人だった。正確には死体。しかしそれは死体というほど汚いものではなかった。
「あれはなんだって?あれは私のチョコレートを作ってる材料だよ」
僕はへぇと声を洩らした。別に死体という事に恐怖は感じられなかった。
僕は今までに何人も殺しているんだから。
「ねぇ君、私のチョコレートもっと食べたい?・・・君が材料を取ってきてくれたらいくらでも作ってあげるよ」
もちろん僕はチョコレートを食べたかった。
だから僕は材料を調達することにした。女の人はそれを喜んだ。
「明日はバレンタインデイだからいっぱい売らなきゃね。だからたくさん材料を集めてきてね」
女の人はニッコリと僕に微笑んだ。
そして僕達は寂れた街のとあるお店でチョコレートを作り始めた。
そんな理由から、僕は契約である13日の金曜日から飛び出したのであった。
_________It is a bloody Valentine day tomorrow.
やけくそになって書きました。文が短くてほんとスイマセン。
と言う事で明日はバレンタインですね。
バレンタインデイを都市伝説だと思っている私は貰えませんね。
ということで、貰えない方貰える方いると思いますがくだらない文章を見てくださってありがとうございました。
チャンチャンw