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異世界の魔力

あらすじ:吐いた

 これは絶対普通じゃない! 何か悪戯でもされたか!?


「リン! レンさんに何をしよった!」

「えっ!? ち、違う! 私何もしてない!」


 ロムさんもリンの悪戯と思ったのか、リンを怒鳴りつけるが、リンは悪戯に成功したと言うよりも、何が起きているのか分からないと言った様子でうろたえていた。


「待ってロムさん……その様子だとどうもリンじゃないっぽい」

「うぅむ……本当に何もしてないんじゃな?」

「やってない! 本当にやってない!」

「そうか……リンよ、怒鳴ってすまんかった」

「ううん大丈夫。でもどうして? 私何か大きい失敗しちゃった?」

「いや……魔力の受け渡しなんぞで失敗しようもないじゃろう」


 リンの悪戯でも失敗でもないらしい。とすると原因は何だ?

 リンの悪戯でも失敗でもないとしたら、現状で思い付く結論はそう多くはない。


 魔力の拒絶反応。


 索敵魔法を使った時にも感じたが、この世界は俺の世界とは違う魔力で満ちている。その違う魔力同士では反発し合い、魔力補給が出来ないどころか、無理矢理入ってきた場合は拒絶反応が起きると考えれば、俺が吐いた理由もまだ納得できる。


「魔力が回復しなくなる呪い……想像以上にやっかいじゃの」

「本当にな……なあロムさん、どこか魔力について調べる事が出来る場所はないか?」

「うーむ……」


 ロムさんは数秒考えてから1つのアイディアを出してくれた。


「やっぱり一番は魔術学園じゃろうな」

「魔術学園?」

「うむ。あそこなら魔力についての情報量は図書館の比にならんじゃろうし、それに……」

「それに?」

「レンさんの魔力の使い方も、なんとかなるじゃろう」

「どういうことだ?」


 俺の魔力の使い方が何か不味かったのか?


「うーむ……無駄が多いと言うか、無駄しか無いと言うか……もっと効率よく魔法が使えるんじゃよ」

「いやいや、魔法って魔法陣に魔力を込めて発動する感じだろ?」

「それで間違ってはいないんじゃが、魔法陣の完成度があまりに低いんじゃよ」

「完成度?」

「そういうのも含めて、魔術学園に行ってみてはいかがかの?」


 俺の世界での魔法の知識は、ひょっとしたらこの世界では通用しないかもしれない。

 これはロムさんの言うとおり、魔術学園に行くべきなのかもしれない。


「うーん、普通の魔法の知識も欠けてるみたいだし、行ってみる事にするよ。ありがとう」

「力になれたようで何よりじゃよ」

「魔術学園って一般人の立ち入りは?」

「出来るわけないじゃろう」

「じゃあ入学するしかないな。試験はいつとかわかるか?」

「確か明日じゃったような……」

「明日ぁ!?」


 ちょっと待て! 明日なのは聞いてない!


「えっと……間に合う?」

「今から王都に向かえば余裕じゃろう」

「おーけーわかった! ダッシュで試験受けに行くわ!」


 とりあえずの目標は決まったので、俺は身支度を素早く終わらせ、王都に向かう。


「ロムさん! リン! ありがとな! 子供達によろしく!」


 俺は2人に背を向け、走り出す。


「レンさん!」


 振り向くとリンが声を上げて俺を呼び止める。


「どうした?」

「あの……」


 リンは下を向き声を震わせている。

 助けたお礼を言いに来たのだろうか、それとも帰りも一緒にいて欲しいとお願いさせるのだろうか。どちらにしても、俺は急いで王都に行かなければならないのだ。

 ここは心を鬼にして王都に向かう事にする。


「またな」


「……王都、そっちじゃない……ププッ」


 ガキめ! 笑ってただけかい!

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