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先生と私の恋愛事情  作者: 羽鳥藍那
高校編 - 後
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 年齢的に問題は無いのだから、役所は受理するでしょうけど。そう言えば校長先生は問い合わせに対し、了承したと圭祐さんが言っていたような?

 そんな事を考えていたら、事情を知らない美紀ちゃんも同じことを思ったらしくて、当然の問いかけをしています。

「学校はどうするの。戸籍変わっているけど黙ってやり過ごすの?」

「住民票とか取って来たから、明日にでも学校に届け出るよ」

「認めてもらえるの?」

「ママが確認したら、校長先生は問題無いって言ったんだって。法律で認められているんだから、反対される筋合いはないでしょ」

「いやいや、校則とか有るからね。でも、そっか。校長先生が認めているなら、問題は無いか」

 やはり認められるようです。ならば、関係がバレている私と圭祐さんも、認めてもらえるのでしょうか。

 いえ、姓が変わってしまうので難しいでしょう。要らぬ誤解を与えない為にも、秘密のままでいましょうか。それでも、欲しいものは決まりです。

『翔真君たちは制服姿で入籍したそうです。真理佳ちゃんが結婚指輪をしてきて、嬉しそうに話しています。なので、私も指輪が欲しいです』


 そんな私をよそに、美紀ちゃんと彩萌ちゃんがいろいろと聞き出しています。夏休みに会った時には翔真君の出生などを聞いてはいたけれど、『認められてよかったね』みたいな話が多くて、告白された言葉とかは聞いたことが有りませんでしたからね。

 真理佳ちゃんは答えるにつれて、なんとも不安そうな表情をし始めます。かなりプライベートな所まで聞いてしまったため、私達から嫌われるんじゃないかと思っているのかもしれません。

 ですから、みんなして祝福してあげます。

 いっぱい幸せになってね、離しちゃだめよ、って。


 それでも先を越された悔しい気持ちは別にあって、ちょっと意地悪を言ってしまって後悔します。

「それじゃ、昨晩は結婚初夜だったんだね。だから遅かったの?」

 固まってしまったと言う事は、まだそこまで進んではいないのでしょう。ちょっと溜飲が下がったところに、美紀ちゃんが横やりを入れてきました。

「そう言う沙織ちゃんは、先生とどうなの?」

「え? 打上げの日のこと?」

「そうだよ。うちに泊まった事にしたもんね」

 心配していた通り、彩萌ちゃんが異常なほど食いついてきて、質問攻めにされてしまいました。しかたがないので、嘘と真を混ぜ込みながら答えてあげて、彩萌ちゃんの欲求を満たしてあげます。

 黙って聞いていた真理佳ちゃんなんかは、恥ずかしそうにしていて急かされて店を後にしました。そこまで恥ずかしがる話は、していないはずですが?


 食器屋さんに入ると、年配の店員さんが寄ってきます。

「どのような物をお探しですか?」

「ビール好きの父へのプレゼントを。缶から直接飲んでいるので、なにかグラスでもあればお酌が出来るかと思って」

 そう話すと、奥の専用コーナーに案内されます。

「こちらに並ぶ商品がビールに適しています。こちらなどは如何ですか」

 そう進められたのは素焼きのコップで、きめ細かい泡が出るそうです。でも、洗い難そうですね。

 ポップで特徴が謳われているので、ゆっくり見させてもらう事にします。

 大きさは大して変わらない様ですが、素材やデザインが豊富です。ガラスのイメージしかなかったのですが、陶器や金属製の物もあります。


 ビール用以外も見てみると、焼酎用の製品が多いようです。圭祐さんはビールかウイスキーだと言っていたので、やはりビールに合うものが良いでしょうね。

 いくつかに絞った候補の中で、ペアのステンレス製カップに目を引かれます。予算を少しオーバーしてしまうけれど、ジュースなどを入れても氷が要らないし、結露が抑えられるらしいのでテーブルが濡れないそうです。

 ペアって所にも引かれて、思い切って購入しました。

 果たして喜んでくれるでしょうか。


 皆がそれぞれプレゼントを買う事が出来たので、カフェテリアで集合します。

 寒いので店内が良かったのですが、彩萌ちゃんの荷物が多くって外になってしまったのです。

「私は恒例のお泊りだけど、みんなのクリスマスは?」

「私は翔真とデート。食事の場所は決まっているから、今から楽しみ」

「神崎君の家でケーキを食べたら、夜は部活の子とカラオケの予定」

「ママとコンサートに行くの。とは言っても、近くの教会で行われる小さなコンサートだけどね」

「沙織ちゃんは会わないの?」

「食事は夜だから、その前には会うよ。プレゼントを選びに行く感じかな」


 彩萌ちゃんと美紀ちゃんはもう少し遊んでいくらしいので、真理佳ちゃんと一緒に電車に乗り込みます。

 ついつい結婚指輪に目が行ってしまって、ひとつ決心しました。

『両親に許されたなら、こんな指輪がほしいな。だから、当日にね』

 そうメッセージを入力し、真理佳ちゃんに写真を取らせてもらって一緒に送信です。

 真理佳ちゃんからは、本気なのかとか立場がどうのと言われたけれど、貴女も一緒でしょと言い返して黙らせます。言われなくても解っているし、それを耐えて今に至るのですから。


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