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魔法なんか使えなくても問題無いよ、だって私にはこの「力」があるんだから! 15歳の脳筋月美少女の中身は40歳のおばさん地球人でした。

世界は優しいね。

こんな私を今まで生かしてくれて、

こんな素晴らしい最後まで準備してくれて。


あぁ 幸せだ・・・ いや幸せだった。

お前を引き取ってから、お前を育てることができて、

お前に看取ってもらえるのが。

一つだけ心残りがあるならば・・・

もう目が見えなくて・・・ お前の顔が見えないことかなぁ。

世界は優しいね、

お前を私の元に寄越してくれたのだから。

お前を・・・  して・・ る




------- ざぁ~ん・・・   ざざぁ~ん・・・   -----


潮騒? 波の音に目を開けると、間違いない海だ。

どうやら海岸で眠ってしまったようだ。

ゆっくり体を起こして、キラキラした波間を眺め・・・

涼やかな風に乗り、目線を空に向ける    と?


「なんじゃぁ こりゃぁぁっ!?」


ハシタナクモ絶叫してしまった

だってそうでしょう? 空は右手側から

赤・橙・黄・緑・青・藍・紫と七色のグラデェーション、

そして左手からは全天の4分の1近くを覆う青い天体。

アレ・・・ 見覚えがあるアレ、アレって地球だよね?

てことはここは月   とか?


「そうかぁ(嘆息) あの世って月にあったのかぁ(しみじみ)・・・」




惚けてても仕方がない、よっこらしょと立ち上がって

周囲を見渡してみれば・・・

間違いない、趣味のダイビングに立ち寄る海岸だ。

私が死んだら、この辺に散骨してほしいと願った海。

あの子は願い通りにしてくれたらしい。

さすが私の子だ。

この海が三途の川なら、潜ってみるのも一興かな?

ちょっとダイビング魂にソソルものがあるけど・・・

視線を下げて自分の姿を確認してみる、

生成りの綿シャツに麻のざっくりセーター、ロングのプリーツスカート

ご丁寧に足元はコンバースだ。

(ちょっと若作り過ぎない??)

まぁ普段着なわけだけど、これでは潜れないな・・・。

そういえば、あそこの崖の小道を上がったところはダイビングショップのはず。

ここにもあるかなぁ? あるわけないよなぁ なんて物思いに耽っていると


ガサガサッ


向こうの木立の陰から、やけに大きな気配が・・・

ぬぅっと姿を現したのは、巨大なサソリだった。

尻尾を除いても3~4m位ありそうだ。

その目はしっかり私を見据え、鋏の手と尻尾の先の毒針を私に向けている。

あれ? これって私、獲物認定?

まぁ 嘘吐きな私が地獄に落ちるのはどうしようもないけど、

意識があるままサソリに食べられるほどじゃないわよね?

ていうか、反撃もせず黙って食われると思うなよ?


なんて暢気に考えてると、意外な素早さでサソリが近づいてきた。

左右から鋏の腕を伸ばしてくる、あれに挟まれると、

絶妙ににタイミングをずらして突き出された尻尾の毒針にヤラレるわけね(なるほど)

ここが月だっていうなら、地球人6倍筋力アタック受けてみるか!?

(って思考とか知覚速度も6倍増しなのかな? なんか余裕あるわね)

私が地を蹴ると、グンっと体が前方に投げ出される。

重力差とか、慣れないと体が動かないとか思ったか?

急に目の前に飛び込んできた獲物に、サソリは面食らったように

頭を上に反らせた。


「もらった!」


要は中国拳法の基礎、大地を起点に力の方向を決めてやれば

すべての筋力、速度からの力が集約されて

ドゴンッ!!

我が渾身の掌底は、でかいサソリを下から打ち上げ

半回転したサソリは背中から地に落ちた。

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