六話 決闘
ついに決闘です!
鬼「さぁさぁみなさま賭け事ですよー!」
鬼「麻代花ちゃんか星熊様、どちらに賭ける!?」
酒屋の兄「俺は麻代花ちゃんだな」
子鬼「やっぱ星熊様かな、人間には勝ち目ないとおもーう!」
色々なことを言われる、それに賭け事として観客の人が沢山来るらしい。
私に賭けた人は面白半分か勝利するって信じてるのかな。
とりあえずは、絶対勝たなきゃ。
麻代花「ねー、迅はどっちに賭けたの?」
迅「勿論、麻代花さ、期待しているよ」
麻代花「ありがと、頑張って勝ってくる」
迅「頑張りな、相手は死ぬぞとか言ってきた奴だ、手加減はないと思え」
麻代花「わかってるよ、楽しみにしてて」
迅「ん、何をだい?」
麻代花「あの星熊って人が驚くこと!」
迅「おう、楽しみにしてるから……生きて帰ってきなよ」
麻代花「あはは、大袈裟だなぁ」
そして、会場に来た鬼と鬼の決闘の為に使われるところなので、一度試合場に入ったら出られない仕掛けの様だ。
逃げる気はない。と覚悟を決めて歩く私。
洞窟を開拓して出来ているので声が響く。『ヤッホー!』なんて言ってたら骸さんに苦笑いされた。
そして、向かい側から威圧と殺気に似た禍々しいのを纏いながら歩いてくるのが、今回の決闘相手。四天王の力とかいう一角である星熊力也さん。
力也「ふん、小娘。逃げずに来たか」
麻代花「もちろん逃げるわけないじゃん」
力也「まぁ俺が勝つのだから、せめて生き残れるように逃げるんだな」
麻代花「ふーん。まぁ逃げる様なことはないけど」
迅「おい麻代花、こっちだぞー」
迅さんが呼んでいるので手を降りながら星熊さんを見る。
力也「……では、また試合場で会おう」
迅「じゃあね」
迅に呼ばれて急いで行く。どうやら私達は右側の部屋で待つそうだ。
ところでこっちに沢山鬼がいるのはんでだろ?
迅「ここには麻代花に賭けた鬼が集まっている。応援とか、観戦する奴らだ」
麻代花「それよりそれより、星熊さんから殺気に似たものを感じたんだけど?」
迅「多分殺気もそうだが、妖力だな」
麻代花「妖力?」
迅「妖怪の力の源だ」
麻代花「へぇー」
迅「でもそれを感じられる麻代花も不思議だな、霊力が少しあるのかも知れないな」
麻代花「霊力?」
迅「妖力とは対照的な人間の力の源だよ」
麻代花「じゃあ勝ち目はあるんだね」
迅「もちろん、奴の一撃は重いが力はあっても速さはない。避けては反撃を繰り返すんだ」
麻代花「わかった!」
迅「さ、時間だ。いってらっしゃい!」
麻代花「頑張るね、私」
そういって部屋を出る。途中で色んな鬼から、頑張れとか死ぬなよとか言われるけどそこまで心配する事かなぁ?
でもまぁ、言ってくれるなら嬉しいな。
そして試合場に入る。やっぱり扉は閉まって逃げられないようだ。
入ったときに感じたのは、意外と広いと言うことだけ。緊張や恐怖はない。
力也「ちゃんと来たな、小娘」
麻代花「あはは、来るに決まってるじゃん」
力也「調子に乗っていられるのもこれまでだがな」
麻代花「わかった……よろしくお願いします!」
力也「あぁ、よろしく頼む」
そして、試合の銅鑼がなるのを待つ。
まずは迅の言う通り、避けて反撃する。そして様子を見る。
ゴーン!!
麻代花「うるっさ…」
力也「では、力の星熊、参る!!」
麻代花「あー耳が痛い……さてと、いこっかな」
両者が一歩ずつ前進する。その速さは遅いが、確実に一歩ずつ。
すると丁度10歩で届くほどの距離でお互いが止まる。
力也「俺の妖力に屈しないとは、少しはやるな、小娘」
麻代花「ありがと、意味わかんないけど」
屈しないとかは分からないけどゴゴゴゴ……って感じならする。これが妖力なら問題なさそう。
力也「そろそろいくぞ?」
麻代花「いつでもきたらいいと思う」
力也「ほう」
麻代花「あはは」
一度私も星熊さんも止まる。
漫画みたいに次の何かが本当の戦闘開始の合図。
私は星熊さんの動きを見て待つことにした。
力也「どりゃああああ!!」
麻代花「よっと、うあ!?」
合図なんてなかった。
蹴りを避けて反撃しようと思ったら、蹴りが命中した地面にクレーターが出来た。
当たってたらどうなったんだろう、と思いながらびっくりして反撃の機会がなくなる。
麻代花「すごいね、これぇ……」
力也「力の星熊、軽く見てもらっては困る」
麻代花「あはは……」
力也「ふん」
麻代花「じゃあ、今度は私かな」
力也「だな」
そう言った瞬間、骸さんが口を開く。
骸「おお。迅、どうやら麻代花は気が使えるらしいよ」
迅「気?」
骸「今麻代花が気を練っているんだ」
迅「あぁ、お前の変なのと同じか」
骸「これは楽しみになってきた」
迅「元から楽しみだけどね」
私が行う気を練るという行為に星熊さんも驚いているらしく、警戒して何もしてこない。
ただ、構えているのですぐに反応して攻撃してくるだろう。
麻代花「じゃあ、いくよ」
力也「むむ……」
そう言って私は構える。
星熊さんは構えを少し変えて、私を見た。
麻代花「ふぅ、紅砲!!」
力也「な……!?」
私の腕から気が弾丸の様に放たれる。
これは知り合いに教えてもらった技で、人間相手に使うとすぐに死ぬらしいから使えなかった技。故に使うのも初めてなのでその速さと威力に驚く。
麻代花「へー、人間相手に使わなくてよかった」
力也「ぐ……中々にやってくれる」
麻代花「じゃあ、次いきますか!」
力也「これ以上は無いと思え!!」
次に私が車に引かれそうになったときに知り合いが使っていたあの技。
当たった車は半分まで潰れ、運転手は重体になったらしい。
でも相手は妖怪、しかも頑丈な鬼。
麻代花「紅寸剄!」
力也「うあああ!?」
イメージは盾を作る感じ、そしてその盾で押し返す。
教えてもらった技をアレンジしてみた結果、相手は最強の盾に高い威力の技で突っ込み、それを私は弾く技となった。
カウンターとかいうやつだった気がする。相手の勢いを利用する技。
迅「なっ、骸!?」
骸「うん、驚いた!!」
迅「麻代花が二度も星熊を、しかも一撃も受けずにだよ!?」
骸「すごい、すごいよ麻代花は!!」
会場の私に賭けてくれた人達も、星熊さんに賭けた人も驚く。そして楽しみテンションが上がる様で、色々な声が聞こえる。
『麻代花がんばれ』『星熊様しっかり』『両方凄いぞ』等。ちなみに一番最初のは迅さんの銅羅にも負けない大きさの声、おかげで緊張感とか無くなった。
力也「さすがに今のは効いた、本当に凄いな、お前」
麻代花「小娘を甘く見ないことだね」
力也「……お前根に持ってるのか?」
麻代花「うん」
力也「あぁ、すまなかったな。麻代花」
麻代花「それでよし!」
力「では再開といこう。俺の次の一撃でお前は倒れる」
麻代花「もしそうだとしたら、避けていい?」
力也「勿論、だが避けれるはずはないがな」
麻代花「うん、わかった」
そして星熊さんが目を閉じる。
その瞬間、会場の鬼達が恐怖からか私の後ろの席から急いで逃げた。
ただ、骸さんと迅は逃げなかったが。
力也「四天王奥義、特別に見せてやろう」
色んな設定を出していきます(願望)




