二話 目が覚めたら
本当に前書き思い浮かばない
空気が呻り、地面は揺れ、生き物は逃げる。
恐竜が絶滅したのは隕石が落ちてきて、天変地異が起きたから。そう私は教科書で習ったなと思う、と起き始めの頭で思い出す。
麻代花「天国じゃなくて、白亜紀末期なのか……?」
隕石が落ちてきて、恐竜が逃げる。
餌としか見ていない私を通り抜け逃げている。
麻代花「あれ……私も逃げなきゃだよね!?」
絶対に隕石が当たった衝撃とか痛い、天国じゃないわけだから死ぬ。死ぬのは嫌だから逃げる、単純な事。
でも言っているだけなら単純、だが周りに凶器があって普通に逃げれるだろうか。
確かに逃げることはできる。ただし、その後死ぬのか生きるのかは別として。
踏みつぶされて死ぬのか、衝撃で死ぬのか。
麻代花「どっちも嫌だなぁ」
走り、迫る恐竜という当たったら弾ける物を避けながら隕石から逃げる。
麻代花「恐竜が通った後の森って、意外に走りやすい。恐竜に乗れば速いのになぁ」
思いつけばすぐ行動するのが最もいいよね。走ってくる中くらいの恐竜に乗ってみる。
麻代花「よっと、よし……今です!!」
タイミングよく崖から跳ぶ。
そこまで高くはないので外れても問題ない。
麻代花「乗れったておおお……うわっ」
乗れたけど振り落とそうとしてくるし、速いからGが凄い。振り落とそうとしてこの恐竜転ぶんじゃないかな……?
麻代花「あ、このっ速さならいけるっかも……うわぁ」
スピードを利用してティラノサウルスに飛び乗ることを思いついた。高いとこっていいよね。
麻代花「多分ここをこうすれば」
左方向にティラノサウルスが居るので左足で体を蹴ってみる。
すると左方向に少し進んだので、また蹴る。
すると今度は右方向に進んだ。
麻代花「なにこれ……運ゲーかなぁ」
すると向こう側から近づいてきた。
Gが凄くてあまり上手く出来なさそうだけど……!
麻代花「今です!」
思い切り蹴り飛ばしてジャンプする、するとティラノサウルスの尻尾にしがみつけた。
Gが掛かり過ぎて落ちそうになり、何とか尻尾から背中によじ登る。
麻代花「ぐうう……うわぁ!?」
そして落ちた。
とっさに受け身をして、伏せる。
恐竜達の足を間一髪で避けながら静まるまで伏せる。本当はこんなことしている時間もないのに。
麻代花「前に進めないし、起き上がれないし、隕石が落ちてくるし!!」
そして少し静まり起き上がって、嫌でも走る。1分でも1秒でもただただ隕石は迫る。
麻代花「うぅ……疲れたぁ」
今度は精神的な疲労ではなく体力が底を尽きる知らせ。足が震え、一歩踏み出せば全身の力が抜ける。
そうならない様に動かないのが、動けと言う本能に逆らうのが精一杯。一歩動いてしまったら、もう動けないと頭の中で勝手に決めつけている。
麻代花「動けない……」
動けないんじゃない、動かないのだ。。それに気づくほど冷静ではなく、恐怖に走り逃げる恐竜を見ているだけ。
麻代花「動けないなら、もう……」
眠ってしまおうか、今度は天国に行けるのかな、起きたら山でしたとかないかな。色々な考えが巡る中、考えにも入っていない行動が無意識に起こる。
麻代花「あ、まだ走れるじゃん」
つい走ってしまったが、力が抜けるとか何にもなかった。だが、時間を無駄にし過ぎた私は空を見て思う。
麻代花「隕石、もうすぐ当たるなぁ」
隕石の当たる未来を否定したい。そんな考えと共に隕石が衝突し、目の前が真っ暗になる。
本当に後書き思い浮かばない