九話 科学の世界
前書きサボってた…w
ネタ思い付いたら書く!
「貴方はここで何をしているのかしら?」
目の前の赤と青の服を着た人が何をしているのかと聞いてくる。
散歩と言えば理由にはなる。でもそんな理由で帰してくれるほど甘くはないと今の状況から分かる。
何故なら兵士が二十人、全員が武装をしている。赤と青の服の人は武装も何もしていない。あるのはこの風景に似合わない弓。矢が何本かあるが格闘派なのか、それとも遠距離派なのかは分からない。
麻代花「散歩していたら、迷ってしまって」
「あら、そう」
麻代花「では失礼します」
「待ちなさい……構え」
構え。と女の人が言った瞬間、兵士たちが銃を向ける。そして私は驚いた、この兵士全員が霊力を持っている。
あの一般人が誰も持っていなかった霊力を。銃からも少し感じるので霊力を撃てるのかと疑問に思う。
麻代花「何故銃を向けるんですか?」
「貴方が霊力を持っているから」
麻代花「人間誰しもありますよ?」
「霊力のある人間は全員が兵士、市民には存在しない」
この都市の事をもっと知っておけばよかった、と後悔。でも妖力はバレてない。なら、一回話を合わせてみよう。
麻代花「では、私が兵士になればいいんですか?」
「えぇ、でも……」
麻代花「でも?」
「全員、戻りなさい」
戻る、と聞いた兵士たちは困惑しているがすぐさま態度を変え、戻って行った。
「兵士にするもの良いけれど」
麻代花「はい」
「女の子を、それも妖力を持っている妖怪を兵士にするのはちょっとねぇ?」
麻代花「え……何で分かったの?」
「妖怪も、霊力に似た妖力を持っているのは知っていたけれど、霊力を持った妖怪が居たなんて驚いたわ」
麻代花「待ってください、私は人間です」
「この状況でよく言えるわね」
逃げなければ、そう思ったのですぐに行動に移す。でも足が動かない。
「驚いた?」
麻代花「なんで……」
「貴方に薬を使ったわ」
麻代花「え!?」
「薬は色んな種類があるのよ。睡眠ガスみたいな感じだと思ってくれれば良いわ」
麻代花「いつのまに……」
「じっくりと解剖して、研究させてくれませんか?」
丁寧に言ってくる。だが、解剖と研究。この言葉だけで何をされるか分かった。
麻代花「断ります」
「そ、なら眠らせるだけね」
麻代花「え……?」
「言ったでしょ、要は睡眠ガスなのよ。次会うときは手術室よ」
麻代花「まって、何を、な……に」
意識が薄れる感覚と、顔を逸らさない気持ちが混ざり、先に体が動かなくなる。口すら動かない程力が抜ける。
そして、引いてもいない弓を持ってるのが分かった。
これから弓が突き刺さると思ったら余計に怖くなった。
鏡『ごめんなさい、無害なガスとかは無効化しにくいの……』
麻代花『いよ、だいじぶ……』
鏡『そ……か、っかり……て』
鏡さんの声も聞こえない程頭が働かない。そして意識は完全に無くなった。
そして何時間経っただろう。何かに縛られてる気がしてうっすら意識が戻ってきた。
麻代花「う……あ!!」
目が覚めた瞬間、固い物で拘束されていることが分かった。
能力を使おうとしても頭のイメージが現実にならない。鏡さんに話しかけても無理だった。
「元気ね。よかった」
麻代花「元気なのに動けないけど」
「それはそうよ、危険だし」
麻代花「私が?」
「睡眠ガスとか無害な薬とかは効くらしいけど、有害な毒は効かないし。メスを入れようとしても皮膚が刃を通さないのよ、困りもんだわ」
麻代花「あはは……で、無害な薬って何したの?」
「ビタミンの錠剤とかよ……で、研究も面倒くさいからこうして捕獲しているの」
麻代花「え?」
「世間では貴方が襲撃してきて、私が捕獲したってことになっているわ」
麻代花「えっと?」
「安心しなさい、もう研究も無駄だって分かったからしないわよ」
麻代花「解剖とかも?」
「出来ないものは出来ないからしょうがなく諦めたわ」
麻代花「よかった、安心したよ」
「私は残念だけれど」
麻代花「まぁまぁ」
目が覚めたから、と言いながら縄を解いてくれる。不意打ちを避けるためにやっていたそうだ。
そして解けたその瞬間頭が響く。
鏡『麻代花大丈夫!?』
頭の中で鏡さんが思いっきり叫んだ。
それは山彦もびっくりするくらい。
麻代花「うわぁあ、頭がぁ……」
「ど、どうしたのいきなり。ぶつけた?」
鏡『ごめんごめん、いきなり繋がるようになったから』
麻代花『いきなり酷い、頭ガーンってしたよ』
鏡『で、大丈夫なの?』
麻代花『この通り』
鏡『よかった』
「貴方って考えてることが顔に出るタイプ?」
麻代花「え、いや、え?」
「急に笑顔になったから驚いたわ、報復でも考えてるの?」
麻代花「それは違う、ハズレ。残念でした!」
「ならいいわ、ちょっとイラっとしたけどこの部屋で暫く過ごしてなさい」
麻代花「あれ……いいの?」
「害がなければいいわ」
麻代花「はーい」
でも火薬の匂い、血の匂い、色々な匂いがする。よくこの人は平気だなって思う。だって臭いし。
「匂いは慣れたもん勝ちよ」
麻代花「えっと、何年くらいここに?」
「五歳の時からずっとよ」
麻代花「え?」
「私は特別な才能があってね」
麻代花「才能?」
「折角だし教えてあげる」
麻代花「お願いします」
「あらゆる薬を作れる天才、それが私、八意×××よ」
麻代花「八意、え、え、ええと?」
「言いにくいでしょ?」
永琳「似た発音から永琳って呼ばれるわ」
麻代花「八意永琳」
永琳「そ、私は名前を教えたわよ?」
麻代花「あ、っと名前は」
ふと思った。一応妖怪なわけだから、本当の名前で覚えられるとマズイ気がする。なので別の名前にしてみよう、そのほうが安全。
永琳「嘘はつかない方がいいわよ」
麻代花「え?」
永琳「神崎愛、この変な服にそう書いてあったわ」
神崎愛とは私の母の名前。あのパーカーは母が昔から持っていたもので、自分で作ったと言っていた。なので名前があってもおかしくはないと思った。でも、もう居ない。だからこの名前にしようと決めた。
麻代花「バレた?」
永琳「ふふ、愛ね、よろしく」
でもドヤ顔してる永琳をみて、ちょっと悲しい気持ちになった。
麻代花「よろしくね、永琳」
私の都暮らしが始まった、三日後には返っても良いそうで、それまでは軟禁状態。退屈はしなさそうで良かったと思いつつ、もう夜なので寝る。
明日はお風呂を入りに行くから、今日はそのまま寝てね。と言われた。
お風呂を入ってない日は初めてなので汗とか気になったのだが、疲れがきたらしく眠くなってしまったので寝た。
艦これ面白いね




