プロローグ
みんなはこう言う、人生失敗を重ねて成長していく、後悔先に立たず、 等と。
それらは全て普通の人間に言えることであり、努力すれば報われる等と言うことは、自分の才能に気付かず努力しただけで報われると思っている馬鹿や、皮肉で言っている奴もいる。
でもそれらは全て普通の人間に言えること。
私は違う。
私は幸せな母と父の間に産まれた、父は愛妻家で、母も父が大好きだったと聞く、でも私はみんなとは違う。
産まれてから私はすぐには泣かなかったらしい。
そして、二歳の頃私の目を見た親が驚いた。
三歳の頃私の髪を見て親は泣いた。
四歳の頃、私はアルビノである事が分かった。
五歳の頃父親がショックのあまり自殺。
六歳の頃母親は家事などを教えて家を燃やした。
七歳の頃子が産めない家庭に引き取られた。
九歳になるまで虐待を受け、従順になった。
十歳になれば家事を任され過労死寸前にまでなった。
十一歳になり、学校でアルビノがバレた私は退学し転入した。
そして偽の両親は私を殴り蹴り、気絶させ近くの道端に捨てた。
私は帰る所も無く、また家に戻る。
十三歳までそれが続いた。
そして十四歳、今日配られた成績がオール五ではない私を叱り、虐待し、何処かも分からない山に捨てた。
「あぁ、また顔も脚も酷くやられたなぁ……私の真っ白な肌が……真っ白な……」
私の肌は真っ白、アルビノの証拠であり忌むべき物、そこに赤色が見えると何故だか安心する。
「あはは、肌が茶色か……焼かれたのかな。今まで頑張って来たのになぁ……やっぱ私の人生、最初から失敗ばかり」
今日は綺麗な満月、涼しくて、たまに寒くて良く寝れそう……。
「お休み、私、さよなら、明日」
それから約一週間後、山に来た女が子供を見つけ、通報した。
「ーー発見者の女性は、山に自転車が置いてあって不審に思い山に入ったところ、神崎麻代花ちゃんの遺体が置いてあったとのことで、警察等は白い肌や赤く出血した様な目から、死体遺棄の線で捜索していますが、神崎麻代花ちゃんのご家族は数年前に他界しており、家庭関係が分からないとのことです。以上少女遺体事件でした。」
圭吾「ケッ、やっと死んだのかあの化け物、これで清々したなぁ、なぁ? 千春」
千春「確かに子を欲しいと言いましたが、あのような醜い子が来るとは思いませんでしたからねぇ、清々しましたわ」
『神崎麻代花ねぇ、どこの子なのやら』