↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
伍人衆変化<ごにんしゅうへんげ>見参!!  作者: 柿ノ木コジロー
背後からの敵は脅威つうか迷惑?
PR
66/120

乙女危機一髪 02

 カオリ、声が低く変わっている。

「せっかくお会いできたんだから、今からちょっと、つき合わない?」

「え?」

「リョウのアパートでちょっと、お茶会なの。アナタも参加して頂戴よ」

 リョウと呼ばれたのが、メグミに呼びかけた方らしい。始めはコイツも「え」という表情になったが、すぐにメグミの目配せに気づき、ニヤニヤと相好を崩す。

「ええ? いいのかな? いいのかな~~?」

「いいわよね? カオリさんもタケルも」

 カオリも最初はきょとんとしていたが、少しだけ考えるように首をかしげ、すぐにまたくすくすと笑いだす。タケルは「え? オレもいいのぉ。またかよぉ」最初からずっとニヤニヤ笑いが止まらない様子。


 ユキ、背中に冷たい汗。まずいかも。彼らに拉致される、ってコト?

 以前一度、彼らに睨まれた同じクラスの女子が、ある日メグミたちに外で呼び出され、それから学校に来なくなってしまったことがあった。小柄な明るい子で、ユキもそれなりに仲がよかったのだが、何の相談も受けることなく、彼女は間もなく退学してしまったということがあった。何が起こったのか、誰も知らなかったし噂も尤もらしいものばかりだったが、真相は結局判らず終いだった。


「いいじゃない、ユキさん。たくさんの殿方をお相手してるんでしょ」

「……そんな。そんな意味じゃなくて」

 一歩下がろうとした。が、タカのようにメグミのかぎ爪が腕に食い込んでいる。

 変化章はあいにく、あかねのところだった。ますますまずい。しかし変化章を持っていたとしても、この人たちの前ではヘンゲした所を見られたくない。

 メグミとカオリだけならば、多少強い口調で追い払うことも今の自分ならばできそうだが、こんなオトコが二人も付いていれば、まず歯向かうのは無理。

 ユキは真っ青になったまま、おろおろとあたりを見回した。

(助けて……)

 通行人は数人目に入ったが、誰もわざわざこちらに寄ってこようとはしない。そこまで切羽詰まったようにはみえないのか、それとも単に関わりあいになるのを恐れたのか。

(誰か……)



「と、そこへよぉ」

 ごくりとつばを呑んだままのあかねに急に身を乗り出すように、ユキが問いかける。

「誰が来たとおもう?」

「えっ?」こ・こ・で、クイズですか。あかねの口がとがった。

「もったいつけずに教えてよ、誰が来たの?」

「回答チャンスは3回まで」

「またもや! 何でよーーーー」それでも真剣に考えるあかね。

「タクト?」ブー。

「スーちゃん?」ブー。残念。すごいヒントあげる。


 ヘンゲメンバーじゃ、なかったのよ。


「えええ?」わざわざこんな話をするのならば、ありきたりの大人ではなさそう、そう思いつつもつい何となく

「コンビニの店員さん?」ベリーありきたりの答えに落ちつく、が、

「ざんねん!」ユキにあっさりと斬り捨てられた。

「降参。もういいから早く教えてよ」

 投げやりなあかね、だが次の答えに完全に凍りついた。


「名前は知らないけど……とある高の男子、多分2年生」


 前髪が長く目にかぶっていて、ちょっと小柄で、まあどちらかというと……ネクラ系?

「その子が急に後ろから来て言ったの、メグミたちに。

『もう警察呼んだから、早く帰ったほうがいいよ』って」

 それでメグミたちは、憎々しげに何ごとか吐きながらも、その場から退散したのだと。

「でもね、」ユキが笑いながら言った。

「アイツらいなくなってから、前髪あげてね、にっこりしたの。だいじょうぶだった? って。だれ? って聞いたらいや、名乗る程の者でもありません、単なる一介のファンなんです、あなたのお姉さんの……って」


 ツヅキのヤローに間違いない。アイツ、ユキのことも見張っているのか?


 そう疑いつつも、

「ツブラな瞳が結構キュートだったよ」

 ニコニコとそう語るユキの趣味が、今一つはかりかねる姉、あかねであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。