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才能育成学校  作者: 影千代
1/1

雪もパラパラと降る、冬も半ばのクリスマス。

髪を茶色く染めたその女は、もう暗くなった路地をフラフラと歩いていた。

毛皮のコートをだらしなく羽織り、酒臭い溜め息を吐きだした。


「はぁーぁ、なんなのよぉー…」


酷く酔っ払っているらしく、ブツブツと独り言を漏らす。


「なんでよぉ、あたしの何が悪かったってのよぉ。子供がいるくらいでそんな…あいつか、あいつがいるせいで…!」


ゴツンッ


「いたっ!?」


女はフラフラと、そのまま電信柱にぶつかった。

下を向き、痛い痛いと額を抑えてグリグリと揉む。


「うぅーなによぉー、あんたまであたしを馬鹿にする気ぃ?」


そう言って女は顔をあげた。

まだ文句を垂れるのか、と思いきや。


「あら、なあに?これ。」


自分が額を思いっきりぶつけた電信柱に、一枚の廃れたチラシが貼ってある。

女は痛みを忘れたかのように、目を丸くしてチラシを読んだ。


「咲神学園 入学生募集


 勉強も運動能力も、この学校は必要としていません。

 試験や面接もありません。

 これさえあれば結構です。


 『才能』」


読み終えると、女は歩き出した。

ニヤリ、不敵な笑みを顔に浮かべて。

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